イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

音楽業界の問題

ビルボードジャパンソングスチャート1位および2位獲得曲から見えてきた、シングルCDセールス指標のウェイトを下げる必要性

昨日のブログでは、発表されたばかりのビルボードジャパン年間チャートを踏まえ、チャートから気になるトピックを10項目紹介しました。 この年間ソングスチャートを見ると、面白い傾向が浮かんできます。 1位 米津玄師「Lemon」 最高1位 2位 あいみょん「マ…

ピンク(P!nk)の出し直し盤ベストアルバムは"失敗しない"のか? ベストアルバムの最善策をあらためて提唱する

ピンク(P!nk)が2010年にリリースしたベストアルバムが『Greatest Hits… So Far 2019!!!』として先月日本でリリースされました。 これは収録曲の「So What」がドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日 木曜21時)主題歌に起用されたタイミングで…

Official髭男dism「Pretender」返り咲き首位を踏まえ、ロングヒットの条件を考える…12月2日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。 今週のソングスチャートを制したのはOfficial髭男dism「Pretender」。5週ぶり通算2度目の首位獲得です。 【ビルボード】Official髭男dism「Pretende…

今年度のトップ10ヒットはわずか2曲…日本で洋楽がヒットしなくなった状況を懸念する

今年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の出場歌手発表後、演歌枠の変化のなさ等を憂い問題提起したところいつも以上の反響をいただきました。何かしらのヒントになるならば嬉しく思います。 さて、演歌共々ちょっとピンチではないかと思うのが洋楽。K-Popは…

今の演歌の販売手法の問題を踏まえ、再興のためのデジタル推進を提案する

今年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の出場者決定後、出場/落選組についてこのような私見を記載しました。 新顔が登場しない、飛び抜けたヒットがない、ヒットした作品に"複数種同時×数カ月後に2回目、3回目発売"が多く売上枚数のユニークユーザー数が見え…

嵐、全シングルのダウンロードおよびサブスクリプションサービス解禁…今後のチャートの注目点をまとめてみる

嵐の全シングル曲デジタル解禁、それも5曲先行時には行わなかったダウンロードも実施し且つ新曲「Turning Up」をデジタルのみで発表するという状況は、ファンのみならず好事家にも衝撃を持って迎えられたように思われます。 嵐が本日SNS解禁&全シングル曲配…

ゴスペルにラップは合わない? 米ビルボードゴスペルチャートからラップが除外されている問題

ゴスペル界、そしてヒップホップ界では先週末リリースされたカニエ・ウェスト『Jesus Is King』が賛否両論を呼んでいるようです。私見を述べるならば、伝統的なゴスペルとは呼びにくいものの、カニエの革新性ーカニエがゴスペルの新しい宗派を作っていると言…

IZ*ONE日本向けシングルのチャート失速にみる、日本向け楽曲の"コレジャナイ感"

今週水曜に発表された、10月21日付ビルボードジャパンソングスチャート。2週前に首位に立っていたはずのIZ*ONE「Vampire」が100位圏外(300位以内)となり、あっという間に姿を消してしまいました。 しかし、実は前のシングル「Buenos Aires」も1→32位→100位圏…

流行をキャッチする力はストリーミングとラジオで大きく乖離する…アメリカと日本の場合を考える

前週、メイベル「Don't Call Me Up」のビルボードジャパンソングスチャートにおけるチャートアクションを元に、ラジオエアプレイにおける"守りの姿勢"を厳しく指摘しました。 この掲載の後、下記のエントリーが今年2月に掲載されていたことを知ったのですが…

毎週更新される音楽チャートを取り上げる番組が3週連続で休止…ニッポン放送の姿勢に感じる強い不信

音楽チャートをブログで取り上げる者として大事にしているのは、”毎週紹介する”姿勢。流行の音楽の傾向をつかめるのみならず、後にヒットする曲のブレイクや瞬時に旬が過ぎてしまった曲のタイミングを見つけることが出来ます。動向を追いかけるには定点観測…

圧力と忖度が見えた今だからこそ、w-inds.がきちんと評価され出演機会が与えられないといけないと強く思う

ジャニーズ事務所に公正取引委員会が注意した件について。 圧力の証拠はないとしても”現在物的証拠たるものは存在しない”だけではないかと捉えています。文書等で示されたものが以前はあり、それをメディアが過度に忖度し続け圧力と忖度が慣習化した結果、物…

小袋成彬が指摘する日本の音楽業界の現状をaiko『aikoの詩。』で痛感する

RIRIさん、KEIJUさんとの「Summertime」が現在、資生堂アネッサのCMソングに起用され、現在イギリス在住の小袋成彬さん。 その小袋さんが、自身のラジオ番組『MUSIC HUB』(J-WAVE 金曜25時30分)の中で日本の音楽業界について厳しくも、音楽好きには至極真っ…

6月3日付ビルボードジャパンソングスチャート首位曲からはじまる、ジャニーズ事務所所属歌手のシングルCDの展開手法を疑問に思う

5月20~26日を集計期間とする、6月3日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、総合ソングスチャートはHey! Say! JUMP「Lucky-Unlucky」が制しました。 【ビルボード】Hey!Say!JUMP「Lucky-Unlucky」が199,377枚を売り上げ初登場2冠で総合首位獲得 …

日本におけるミュージックビデオ”短尺版(ショートバージョン)”公開をあらためて疑問視する

おとといアップしたブログエントリーに、たくさんのアクセスをいただいております。心から感謝申し上げます。 このエントリーを紹介してくださった方がこのエントリーの最後の一文を引用していて嬉しくなった次第。そこであらためて、このブログエントリーを…

日本的アプローチは通用しない? IZ*ONEの韓国向け/日本向け楽曲で見えてきた差

NGT48の問題について、先週月曜の『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)で宇多丸さんが語っていたことに強く同意します。 僕らから見て、組織全体、こういうシステムの考案者である秋元康御大はやっぱり公の場に出て、大鉈を振るってなにかを…

(追記あり) コーチェラ・フェスティバルでのBLACKPINK配信/Perfume未配信に思う→Perfume配信決定しました

世界の音楽フェスを代表する、アメリカのコーチェラ・フェスティバル(以下コーチェラ)がいよいよはじまり、日本でもYouTubeの生配信により出演者のうち何組が観られるようになりました。Twitterで圧巻のパフォーマンスと評判だったチャイルディッシュ・ガン…

日本のチャートにおける桜ソング上昇の原動力はやはりラジオエアプレイ指標だった…一方で動画再生指標が弱い理由

一昨日発表された4月8日付ビルボードジャパンの各種チャートは集計期間が3月25~31日。東京の桜が咲き誇ったタイミングと重なることから、同日付ソングスチャートにはいわゆる"桜ソング"のランクインが目立っています。最上位こそDA PUMPの今年のシングル「…

罪を犯した者に対する過度な販売自粛だけではない、ソニー・ミュージックの対応への疑問

(※追記(2021年5月16日10時31分):表題について変更を実施しました。) 事件に伴うレコード会社の措置に対する疑問が広がっています。 ピエール瀧の逮捕に伴うソニー・ミュージックレーベルズの対応についてhttps://t.co/hkjCkAmCcv — 電気グルーヴ/DENKI GROO…

レミオロメン「3月9日」のチャートアクションが鈍かった理由はストリーミング引き上げにあった

ビルボードジャパンソングスチャートを毎週追いかけていると、時流を反映するチャートであることがよく解りますこの曲についてもこの時期、確かに盛り上がっています。 ・レミオロメン「3月9日」 3月4~10日が集計期間となる3月18日付ビルボードジャパンソン…

『うたコン』1月放送内容から考える演歌歌謡曲の問題と解決案

今日の新聞のラテ欄に強い違和感が。 『うたコン』(NHK総合 火曜19時30分)は先週の平成全般編に続いて今週は昨年1年間限定の名場面集に。その方針、そしてラテ欄に対して疑問を抱き、考えてみました。 ラテ欄から抱いた疑問はまず、【生放送を連続で休止する…

告発ドキュメンタリー『Surviving R.Kelly』の反響は米チャートにも…その内容と自分の思い

昨日ソングスチャートの速報を紹介した、米ビルボード最新1月19日付各種チャート。今日は【Social 50】チャートについて紹介します。 【Social 50】チャートは2010年12月11日付でスタートした、『Facebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどのデータを基盤に…

合算ランキングを発表しても募る不信…オリコンは誰のためにある?

今週水曜から開始されたオリコンのシングルおよびアルバムの合算ランキングについて、詳細等は一昨日のブログエントリーに掲載しました。 そこでその合算ランキングと、先んじて合算をスタートさせたビルボードジャパンソングスチャートで比較しようとしたの…

(追記あり) マーヴィン・ゲイの遺族側はやはり、あらゆるクリエイティビティを壊しかねない悪例を築いてしまった

(※追記(2023年5月4日20時42分):はてなブログにてビルボードジャパンのホームページを貼付すると、きちんと表示されない現象が続いています。そのため、表示できなかった記事についてはそのURLを掲載したビルボードジャパンによるツイートを貼付する形に切り…

音楽問題を中心に取り上げた過去のブログを移行しました

このブログで、日々更新のスタイルを採り始めてからもうすぐ丸4年になります。訪れてくださる皆さんに心から感謝申し上げます。 実はこのブログをはじめるかなり前、今以上に音楽の”問題”を中心としたブログを開設していました。その開設先であるはてなダイ…

日本レコード大賞の”非明確化”は不信感の種ではないか

毎年この時期になると、ここで日本レコード大賞について書いているような気がしますが…。 DA PUMP「U.S.A.」の優秀作品賞受賞に至るまではこれまでカバー曲が同賞にノミネートされなかったり、新人賞に実績十分のKing & Princeがいなかったり等様々な違和感…

今から20年前、米ビルボードソングスチャートが”不健全だった”という話

この秋、ビルボードジャパンソングスチャートで最高3位を記録した(ただしトップ10在籍は1週のみでしたが)Aimer「Black Bird」。ダウンロード指標ではトップを獲得し、ストリーミングも最高5位を記録しています。 この曲を聴いてハッとさせられたのが、2番の…

最新ビルボードジャパンソングスチャートにみる、AKB48「センチメンタルトレイン」のチャートアクションの乏しさ

昨日発表された、最新10月8日付ビルボードジャパンソングスチャート。 【ビルボード】ハロプロ・オールスターズ「YEAH YEAH YEAH」が21.6万枚を売り上げ総合首位 BUMP「シリウス」はDL&ラジオで1位 https://t.co/chsKrQVF9N pic.twitter.com/0FJF3YHEGv — B…

ユーミンがサブスクリプションサービスで"全曲"解禁…しかしあの1位獲得曲が入っていません

今日、公式からアナウンスが。 本日9月24日より、荒井由実を含む松任谷由実の全曲配信、遂にスタート! https://t.co/Q3mTTqq5K2 — 松任谷由実 Official (@yuming_official) September 23, 2018 これは!と思い、真っ先に調べた曲があるのですが…カバーしか…

シングルCDセールス指標が強いビルボードジャパンにおいて、真のヒット曲を見極める方法とは

(※追記(9月27日):”総合で1位になりながらルックアップが首位を取れなかった週における、ルックアップ指標の首位曲”に漏れがあり、追記しました。大変失礼いたしました。) 昨日は、今冬変わるオリコンランキングについて、複合指標化しても"売上ランキング"…

星野源「アイデア」のリリース方法に、アミューズの戦略を思う

この予告からの。 明日8/1あさ発売の朝日新聞 朝刊の見開き広告欄にて、星野源に関する最新情報が掲載されます!詳しくは明日の朝刊を是非ご覧ください! — 星野源 official (@gen_senden) July 31, 2018 答えはこちら。 【ついに『アイデア』がリリース!!…