世界の音楽フェスを代表する、アメリカのコーチェラ・フェスティバル(以下コーチェラ)がいよいよはじまり、日本でもYouTubeの生配信により出演者のうち何組が観られるようになりました。Twitterで圧巻のパフォーマンスと評判だったチャイルディッシュ・ガンビーノ、後追いした自分もひれ伏した次第です。
さてこのコーチェラの初日、自分がTwitterのタイムライン等から最も強い印象を受けたのは【BLACKPINKが素晴らしい】、そして【日曜に出演するPerfumeはなぜ生配信しないのか】との喜怒哀楽でした。Perfumeについては激昂による言葉(の刃)が見られるなど…たしかに未配信という結果は、Perfumeを昔から追いかけていた身には残念ではあるのですが、ふざけるな的リアクションに正直悲しくなりました。むしろ、”もしPerfumeが配信していたならば、今後の彼女たちの知名度は上昇し、チャートアクションは良好になるはず…その機会を逃したのはただただ勿体無い”と思う、そんな自分がいます。というのも、Perfumeの動きと真逆なのがBLACKPINKゆえ。
BLACKPINKは4月5日金曜にミニアルバム(EP)『Kill This Love』をリリースし、カムバックを果たします。
タイトルトラックのミュージックビデオも公開され、YouTubeでは公開後24時間の再生記録を更新、1億再生に至るまでの最短記録も樹立しています。
さらには先週、18日にアメリカのテレビ番組へ出演することもアナウンスされました。同番組のK-Popアクトの出演はBTS以来とのこと。
これら話題が多い中でコーチェラの初日に登場した彼女たちですから、アメリカでの注目の高さ、そして知名度上昇は間違いありませんし、何よりYouTubeを介して観られる以上、世界中で話題になることは必至。無論日本でもSNS上で好リアクションが見られています。
日本を例に取ると、BLACKPINKのネットでのリアクションの良さは、チャートに既に表れています。
現段階で最新となる4月15日付ビルボードジャパンソングスチャートでは「Kill This Love」が14位に初登場。集計期間が4月1~7日であり、発表から実質3日間しかないにもかかわらずストリーミング6位、Twitter7位そして動画再生5位と3指標で10位以内に入りました。これはBLACKPINKのカムバックを望む日本のファンが多かった、仮に多くなかったとしても熱心な方の割合が高かったゆえとみることが出来るでしょう。そしてコーチェラ初日の映像で彼女たちに触れノックアウトされた方がストリーミング等接触することで、次週のチャートでは上昇することが予想されます。
無論アメリカでも似た動きを見せることでしょう。次回発表される4月20日付ソングスチャートの集計期間はデジタル2指標(デジタルダウンロードおよびストリーミング)が4月5日から、ラジオエアプレイが8日からの1週間。YouTubeでは動画再生回数記録を樹立したとはいえアメリカでの再生回数がいくらかはわかりかねるのですが、おそらくは3指標合計で前作のリード曲「DDU-DU DDU-DU」の最高55位を超えてくるものと感じています。コーチェラの反響はチャート登場2週目以降に表れるゆえ、チャート登場後急降下する可能性は低いものと思われます。さらに言えば、テレビ出演は主に3週目以降のチャートに反映。先述したBTSの場合、昨年アルバム初登場首位を果たした際、リード曲が同日付のソングスチャートでも初登場で上位に入りながら、翌週急降下していました。この弱点をBLACKPINKはメディアやライブ戦略で克服出来るかもしれません。
コーチェラがチャートアクションにどこまでの影響を及ぼすかは判りかねますが、しかしながらSNSの高評価を見るとプラスに作用することは間違いないでしょう。となるとストリーミングや動画再生が上昇するのは自然なこと。しかも、運営側か所属事務所やレコード会社側からか、どちらかの働きかけかは不明でもYouTubeでの生配信の対象になったことで、おそらくは省コストで世界へその名を轟かせることに成功しているのですから、日米のみならず世界中のチャートで好リアクションとなることは間違いないでしょう。
コーチェラがチャートや知名度上昇へ反映する可能性を踏まえれば、Perfumeのコーチェラ未配信は、彼女たちが世界を目指すならばなおのこと勿体無いと思うのです。なぜ未配信なのかは判りかねますが、仮に権利関係でNGだったならば著作権等を柔軟にしないといけませんし、事務所側のNGならばストリーミングや動画配信、そしてなによりPerfumeの世界進出に後ろ向き過ぎると言わざるを得ません。チャンスをみすみす逃してしまったのではないかと考えてしまいます。今後同種の機会損失は起こしてほしくないですし、BLACKPINKの今後のチャートアクションが好調ならばそれを証明にして各所を説得したいと思うくらいです。
最後に、Perfumeのコーチェラ未配信を責める一辺倒な方々に対しては、責めるよりも提言を…と願う自分がいます。特に音楽業界で活躍される方が疑問を呈して終わるだけなのは、Perfumeが配信しないことと同じくらい勿体無いと思うのです。その立場にいらっしゃるならば、なぜ彼女たちが配信に至らなかったかを調査し、関係者を問い質し(関係者と接触出来る可能性は高いはずです)、このほうが好いと投げかけ好い方向に導いたほうが、圧倒的に未来は明るいと思うのですが。
※追記 (4月16日10時28分)
コーチェラ・フェスティバル、今週末開催の2週目でPerfumeの配信が決定したそうです。
嬉しいことです。
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) April 16, 2019
音楽関係者の方や大手メディアの方には、1週目の未配信及び2週目の配信の経緯について調査、報告していただきたいものです https://t.co/fMGz9Om8S4
どうやら昨年は2週目のライブストリーミング配信はなかったそうなので、今回は拡大措置の可能性が。音楽関係者等には今回の配信に至った流れを是非とも解明していただきたいものです。そして何より、Perfumeライブストリーミングを楽しみたいと思います。