昨日ソングスチャートの速報を紹介した、米ビルボード最新1月19日付各種チャート。今日は【Social 50】チャートについて紹介します。
【Social 50】チャートは2010年12月11日付でスタートした、『Facebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどのデータを基盤に、最も人気のあるアーティストをランク付するチャート』のこと。引用元の記事(K-POP恐るべし!! 米ビルボード「ソーシャル50」をBTS、EXOら韓国アーティストが占領中 | S-KOREA(2018年3月16日付)にあるように、BTSを筆頭にK-Pop歌手が強いのですが、それはファンの結束力の高さゆえであり、ここ数年でK-Popが世界を動かしているのは【Social 50】チャートの登場による認知度の高さもあるかと考えます。ゆえに個人的にはこのような見解(その1、その2)を持っており、日本の歌手もこのチャートを意識することが大事だと思うのです。
その【Social 50】ですが、ファンの盛り上げのみならずその歌手が事件に関与した等で言及され、チャートに登場することもあります。その最たる例が最新1月19日付で起こりました。
ネット上の勢いを示す指標のひとつ。米ビルボード"Social 50"。告発的ドキュメンタリー番組の登場によりR・ケリー、そしてアリーヤがランクイン…。 https://t.co/x0KzREi9tU
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 14, 2019
R.ケリー(11位)は通算5週目のランクインにして最高位を更新。そしてアリーヤは35位に初登場。アリーヤは2001年にこの世を去っているのですが、ふたりが登場した理由はR.ケリーを告発するドキュメンタリー番組『Surviving R.Kelly』が年始に放送された、その反響の大きさゆえなのです。
日本ではまだ放送されていませんが、音楽ライターの渡辺志保さんが一昨日のラジオ番組で、ライターの池城美菜子さんがブログで、この番組を観た感想を述べています。自分はこれらを拝読し強い衝撃を受けると共に、これまで噂はありながらもスルーしてしまい彼の音楽を素直に受け入れてしまった自身を強く恥じた次第です。
渡辺志保 R.KELLY告発ドキュメンタリー『Suriviving R.Kelly』を語る https://t.co/UWT5DvwSyp
— みやーんZZ (@miyearnzz) January 15, 2019
文字起こししていても辛かった……おぞましい。
さよなら、R.ケリー https://t.co/bNbiChH9d7
— Minako Ikeshiro (@minakodiwriter) January 9, 2019
関心が高い事件みたいなので、きちんと観て、書きました。5000字以上あります。
— Minako Ikeshiro (@minakodiwriter) January 14, 2019
『サバイビング・R.ケリー』を観て。 https://t.co/I0mFCHMDNt
『Surviving R.Kelly』に出演したジョン・レジェンドが【Social 50】チャートで22位にリエントリーを果たし、またR.Kellyと共作曲を発表したことのあるレディー・ガガが番組放送後にSNSにコメントしたことで、ゴールデングローブ賞効果と併せて9位に上昇…それだけ、『Surviving R.Kelly』の反響は絶大だということが最新の【Social 50】チャートから解ります。
レディー・ガガ、R.ケリーとのコラボ曲を配信サービスから削除すると明言「稚拙な判断をした」 https://t.co/Oyx5lv9kip pic.twitter.com/eSBBmxMCXX
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) January 11, 2019
番組のインタビューに登場した歌手は先述したジョン・レジェンドやチャンス・ザ・ラッパーくらいでしたが、放送後にニーヨ等がR.ケリーを断罪しています。
チャンス・ザ・ラッパー、性的虐待疑惑のR.ケリーと過去に仕事をしたことを謝罪 https://t.co/lAOE5LbOR7 pic.twitter.com/kjGzoODbOk
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) January 7, 2019
「セックス・カルト」問題で厳しい批判にさらされているR.ケリーに対するボイコット運動が、年始に放送された告発ドキュメンタリー番組をきっかけにさらに加速。ジョン・レジェンドやチャンスは同番組に出演、ガガはR.ケリーとの共演曲をストリーミングから除外。 [NEWS] https://t.co/fgFThDRwkT pic.twitter.com/0SZGJaDeFF
— bmr (@bmr_jp) January 15, 2019
今後もこの流れは加速していくことでしょう。
自分はこのような疑惑があることを解っていながらも、『ウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)時代に生まれた"R師匠"メタファーを楽しんでしまったことなどを猛省。先週の『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)での宇多丸さんの思いに同調します。
一方でR.ケリーの"聖"、いわゆるゴスペル的だったりゴスペルそのものな歌までオミットしていいのかと悩んでもいます。その件では、疑惑がありながらも一昨年のアルバムにケリーによる「Listen」を採用したゴスペル歌手、マーヴィン・サップが今何を思うのか、気になるのですが。マイケル・ジャクソンへの提供曲「You Are Not Alone」の"源"を知るに、なんだか泣きたくなる…というのが今の心情です。
まずは事件が全て明るみになり、被害者が解放され、R.ケリーが償うことを願います。R.ケリーが自ら行ってきたことの根源に自身の被害があると聞きますが、ならば被害者が加害者化する犯罪心理を分析し、同様の事件が起きないように今回の問題の教訓を社会にフィードバックすることも必要です(無論、被害者を十分にケアし、加害者化させない取組もまた必要です)。全ての問題が解決するまでは、R.ケリーの関わる音楽からは距離を置こうと考えています。