(※追記(5月7日7時25分):&TEAM「Go in Blind (月狼)」に関する考察を5月5日付ブログエントリーにて記載しています。このエントリーの最後にリンクを貼付しています。)
最新4月30日公開分(集計期間:4月21~27日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週まで2連覇を達成していたMrs. GREEN APPLE「クスシキ」が3位に後退、HANA「ROSE」がフィジカルセールス指標初加算に伴い3週ぶりに首位返り咲きを果たしています。当週は&TEAM「Go in Blind (月狼)」がフィジカルセールス指標初加算に伴い2位に上昇していますが、「ROSE」が142ポイント差で引き離した形です。
最新のビルボードジャパンソングチャートで総合首位を獲得したHANA「ROSE」、および同2位の&TEAM「Go in Blind (月狼)については、次のように報じられています。
・1位 (前週3位) HANA「ROSE」
4月2日に配信がスタートし、4月9日公開の“JAPAN Hot 100”で首位を獲得していたが、4月23日にシングルCDが発売され、再度本チャートを制した。各指標を見てみると、CDセールスは46,866枚を売り上げ3位、ダウンロードは2,741DLで13位、ストリーミングは8,369,460再生で3位、ラジオ9位、動画1位を獲得。動画はチャートに初登場して以降、4週連続で首位をキープしている。
【ビルボード】HANA「ROSE」が再び総合首位、&TEAM「Go in Blind (月狼)」が続く https://t.co/2wpCysgDg7
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年4月30日
・2位 (前週66位) &TEAM「Go in Blind (月狼)」
自己最多となる初週620,541枚を売り上げてセールス1位、ダウンロード15位、ストリーミング58位、ラジオ45位、動画28位となった。
(引用元は同上。)
CHART insightをみると、HANA「ROSE」と&TEAM「Go in Blind (月狼)」では累計ポイントに占めるフィジカルセールス指標(黄色で表示)の割合が大きく異なります。すなわち「Go in Blind (月狼)」は、フィジカルセールス以外の指標が強ければ総合首位に至れたかもしれません。
今夜24時からは…
— &TEAMのオールナイトニッポンX【公式】 (@andTEAM_ANNX) 2025年4月25日
✨&TEAMのオールナイトニッポンX✨
#️⃣#andTEAMANNX
ついに月イチレギュラーがスタート🎉
初回は9人全員登場で生放送です🙌
💡#ANNJAM アプリは国内無料で聴けますhttps://t.co/v1NwIlvxXO#andTEAM @andTEAMofficial
📱#ニッポン放送 radikohttps://t.co/QpeqyH0Yv0 pic.twitter.com/6GvJ3fwl5o
当週の集計期間中には&TEAMによるレギュラーラジオ番組がスタートしています。であればこの番組に限らず、番宣も兼ねてニッポン放送にて新曲がもっとOAされればラジオ指標はもう少し上昇したかもしれません。この指標では歌手側のプロモーションに伴い、男性アイドルやダンスボーカルグループの新曲がフィジカルリリース週に伸びる傾向にあるのですが、&TEAMは以前からこの指標が強くないことが気になっています。
(なお当週は首都圏ラジオ局の聴取率調査週間(に伴うスペシャルウイーク開催)につき、OAされる曲の傾向は少し異なっていたかもしれません。)
・「Go in Blind (月狼)」先行配信開始、Official Performance MVが公開!デジタルキャンペーンもスタート! - NEWS | &TEAM OFFICIAL SITE(4月14日付)より
(※キャンペーン終了に伴い消去される可能性を踏まえ、キャプチャしたものを貼付しています。問題があれば削除いたします。)
また「Go in Blind (月狼)においてはLINE MUSIC再生キャンペーンを実施し、同サービスにおける再生回数を押し上げています。一方でこのキャンペーンが当週開始ではないため、一定回数以上再生し基準を満たした方が今回の集計期間中に離脱したことが考えられます。キャンペーン期間を伸ばす、再生回数のハードルを上げる等の措置が行われていたならば、総合にてHANA「ROSE」を逆転できたかもしれません。
ただ、これら仮定はあくまで週間ソングチャート制覇のために必要な提案であり、より大切なのはロングヒットし年間チャートにランクインすることです。ゆえにフィジカルセールス指標加算2週目における総合チャートの順位がまずは重要となるのですが、&TEAM「Go in Blind (月狼)」には気掛かりな点がみられます。
(上記はCHART insightからヒットを読む カテゴリーのエントリーで掲載しているストリーミング表の最新版。この表を基とするエントリーは5月3日に公開します。)
&TEAM「Go in Blind (月狼)」はLINE MUSIC以外のサブスクサービスでランクインしていません。加えてLINE MUSICでも(先述した離脱等もあってか)順位を落としたのみならず、キャンペーン終了の翌日には前日の30位から100位未満へと急落しています(→こちら)。ロングヒットの要となるストリーミング指標が強くなければ、「Go in Blind (月狼)」は総合チャートで大きく後退することが予想されます。
【ビルボード】&TEAM『Go in Blind (月狼)』62万枚でシングル1位、自身初週セールス更新 https://t.co/OTcAeGuai6
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年4月28日
「Go in Blind (月狼)」は前作「青嵐 (Aoarashi)」(初週461,863枚)から16万枚近くフィジカルセールスを伸ばし、&TEAMの作品として週間ソングチャートの獲得ポイントが初めて1万を突破しています。他方、フィジカルセールス初加算時の指標構成はこれまでとあまり変わっていない印象です(「Go in Blind (月狼)」は前週デジタルを解禁しているため、累計ポイントに占めるストリーミング指標の割合が大きくなっています)。
フィジカルセールスが伸びても他指標に波及しているわけではないという点から、&TEAMにおいてコアファンの熱量は高まりながらもライト層(歌手のファンではないが曲が気になる方)との乖離が拡がっているのではと感じています。運営側がコアファンのみならずライト層獲得に向けてのプロモーションを充実させること、そのためのアプローチの見直しは急務だと考えます。
一方、HANA「ROSE」は4週連続のトップ3入りにして初登場以来となる首位返り咲きを果たしています。デジタル先行曲が安定したチャートアクションをなぞる中でフィジカルセールス指標初加算時に総合首位に立つという、アイドルやダンスボーカルグループにおいては理想的といえる動きを示した形です。動画再生指標は4連覇を達成、また安定しにくいラジオ指標で20位以内をキープしているのも特筆すべきと捉えています。
他方、先述したストリーミング表から解るように、「ROSE」は他の曲に比べてストリーミング再生回数の前週比が小さいことが気になります。またフィジカルセールスは5万枚に達していません。これはBMSGの方針(およびその考えに賛同するコアファンの動き)も影響しているかもしれませんが、日本のアイドルやダンスボーカルグループの中では多くはないといえるでしょう。
ただ、フィジカルセールス指標の大きくなさは、加算2週目に急落傾向にあるこの指標に頼らなくとも好いということを示しています。ゆえに、ストリーミングの不安要素こそあれどもHANA「ROSE」が次週も上位をキープする可能性は高いでしょう。対して、&TEAM「Go in Blind (月狼)」が次週どの位置にとどまるか、注視していきます。
※追記(5月7日7時25分)
&TEAM「Go in Blind (月狼)」に関する考察を5月5日付ブログエントリーにて記載しています。つきましては当該エントリーのリンクを以下に貼付します。