2020年からポッドキャスト【Billboard Top Hits (通称:ポッドチャート)】を発信。現在は毎週木曜13時に最新エピソードを公開しています(YouTubeはわずかですが遅れます)。
今回はポッドキャストでも紹介した、最新のビルボードジャパンアルバムチャートについて採り上げます。
昨日発表されたビルボードジャパンアルバムチャート(4月30日公開分(集計期間:4月21~27日))では、デジタル指標群の加算に伴いSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』が3連覇を達成しています(通算では4週目となる首位を獲得)。
【ビルボード】Snow Man『THE BEST 2020 - 2025』勢い止まらず3週連続の総合アルバム首位 https://t.co/heLWemk4s9
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年5月1日
デジタル解禁後、Snow Man『THE BEST 2020 - 2025』の累計ポイントに占めるストリーミングの割合は前週よりも増加(前週のCHART insightはSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』がアルバムチャート連覇達成、注目点と注視するポイント(4月25日付)に掲載)。フィジカルセールスは当週161万枚を突破していますが、ストリーミングはデジタル解禁後3週でフィジカルにおけるミリオンセールスと同等のポイントを獲得しています。
また、フィジカルセールスはこの4週で2,474→2,007→1,995→2,778枚と推移。デジタル初加算週には少し下がったものの、その翌週および当週は集計期間後半のスタジアムライブ開催の影響がみられると捉えています。Snow Man『THE BEST 2020 - 2025』において、フィジカルセールスが前週を上回ったのは当週が初めてです。
一方で、『THE BEST 2020 - 2025』では収録曲のストリーミング順位が下がっています。
上記表は(追記あり) Snow Man『THE BEST 2020 - 2025』、デジタル解禁2週目の主要サブスクサービス動向を読む(4月23日公開分)で掲載した内容の続きですが、そこでも述べたようにスタジアムライブの開催やメディアの報道等が主要サブスクサービスでの上昇に反映されたと考えます。ただその後はランクイン曲が減少しているゆえ、ビルボードジャパンの記事タイトルにある『勢い止まらず』という表現には違和感を覚えています。
【今週のストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年4月30日
1位 Mrs. GREEN APPLE
2位 Mrs. GREEN APPLE
3位 HANA
4位 King Gnu
5位 サカナクション
6位 Mrs. GREEN APPLE
7位 Mrs. GREEN APPLE
8位 Mrs. GREEN APPLE
9位 Mrs. GREEN APPLE
10位 清水翔太https://t.co/Ij3JubgE6P pic.twitter.com/AAt035nQ1g
ビルボードジャパンソングチャート、ストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートでは最新4月30日公開分にてSnow Manの100位以内ランクインは「ブラザービート」のみとなっています。一方で総合アルバムチャート2位のMrs. GREEN APPLE『ANTENNA』からは5曲が登場していますが、その状況下で『THE BEST 2020 - 2025』がストリーミングおよび総合で首位をキープしたのは以下の要因ゆえと考えます。
Snow Manについては、(ベストアルバムにも収録されている)「One」を昨秋リリースの単曲として聴く場合を除き、聴取分はすべてベストアルバムのストリーミングとしてビルボードジャパンアルバムチャートのストリーミング指標に加算されることになります。また曲数も多いことから、4月17日木曜に発表される4月16日公開分ビルボードジャパンアルバムチャート(集計期間:4月7~13日)で高位置に再浮上すると予想可能です。
・Snow Manがサブスク解禁へ…その内容から考える注目点とは(4月4日付)より
収録曲の勢いではMrs. GREEN APPLE『ANTENNA』と差が拡がっているとみられるものの、Snow Manによる作品のストリーミングがほぼすべて『THE BEST 2020 - 2025』に集約されること、および収録曲数が『ANTENNA』の4倍以上であることが強さの要因といえるかもしれません。
この仮説を踏まえ、ビルボードジャパンそしてSnow Man側に対し以前記した提案を再掲します。
注目点は他に2つあります。まずはビルボードジャパンアルバムチャートのチャートポリシー(集計方法)を見直すべきか、見極める必要が生じるということです。
ダウンロード/ストリーミングについて
(中略)
③Hot Albumsのストリーミング数は、どのように合算していますか?
各DSPから報告される収録アルバム情報を元に、どのアルバムに収録された楽曲が再生されたのかを特定・集計しています。なお、アルバムによって収録曲数が異なりますが、弊社による検証の結果、チャートに係数を乗じることによって、大きな影響はないことが判明しました。それにより、該当アルバムに収録された曲のストリーミング数を合算して係数を乗じ、各ポイントを算出しています。
アルバム収録曲数の大小についてはビルボードジャパンがこのような考えを示していますが、今回のSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』は61曲という大ボリュームとなっています。解禁後数週の動向から、収録曲数の多い作品が有利になるポリシーと判断したならば早急に(早ければ第三四半期から)変更を実施するか議論することは必要でしょう。米ビルボードにおいては曲数の多さが有利になると捉えているゆえ、尚の事です。
そしてもうひとつ。これはtimeleszに対しても申し上げたことですが、重要なのは全曲のサブスク解禁です。それに至るかについても、注視していきます。
・Snow Manがサブスク解禁へ…その内容から考える注目点とは(4月4日付)より