ビルボードジャパンソングチャートはストリーミング指標の高位置安定がロングヒットに大きく影響し、年間チャートでのランクインにもつながります。他方フィジカルセールスは初動が大きいながら2週目以降は急落する傾向にあるのですが、そのフィジカルセールスに強い作品が一時的にでも上位に進出するのが総合ソングチャートの特徴です。
総合ソングチャートで最上位に就くためには、リリースタイミングも重要といえるでしょう。今回は、現時点でのフィジカルシングルリリーススケジュールを紹介します。

ビルボードジャパンソングチャートのフィジカルセールス指標(基となるTop Singles Salesチャート)において週間10万枚以上を記録したシングル、および今後リリースされる場合は前作が週間10万枚以上を売り上げた作品のリストを上記に。今年度17週分のうち10万枚以上を売り上げた作品が存在するのは12週、一方でフィジカルセールス1位と2位の差が5万枚以内且つ2位の作品が10万枚を超えているのは2週という状況です。
また今後において、10万枚以上のフィジカルセールスが見込まれる作品は6月上旬までほぼ毎週リリースされ、一方で競合する作品(1位との差が5万枚以内且つ10万枚以上のセールスが予想されるシングル)の登場は1週という状況です。これらから、リリースタイミングは基本的にバラバラであり競合は避けられていると考えていいでしょう。
昨日はHey! Say! JUMPによる新たなフィジカルシングルのリリースがアナウンスされていますが、現時点で発売日は明らかになっていません。前作のフィジカルシングル「UMP」は昨年10月2日公開分にて221,762枚を記録しており、先述した表に照らし合わせれば5月14日、もしくは5月28日以降のリリースに合わせてくると考えていいでしょう。
一方で、Hey! Say! JUMPと同じく新たなフィジカルシングルのリリースを昨日発表したBE:FIRSTについて、興味深く感じています。
BE:FIRSTは前作のフィジカルシングル「Spacecraft」で初めてフィジカルセールス指標を制していますが、それまではフィジカルセールスが強い作品とリリーススケジュールが重なっていました。しかしBE:FIRSTは基本的にフィジカルリリース週の月曜にデジタル先行でリリースする等、フィジカルセールス以上に総合ソングチャートでの上位進出を重視しているという印象です。そして実際、総合首位曲を数多く輩出しています。
ニューシングル「GRIT」はOCTPATH「また夏に帰ろう」と競合するものとみられますが、BE:FIRSTは日本の音楽業界における慣例を破るかのように果敢に挑んでいるという印象を、今回のスケジュール設定からも感じます。以前記載した内容を再掲します。
私見と前置きした上で書くならば、リリースタイミングが1年に52週しかない緻密なパズルと言える中でよくこれだけバッティングしないものだと感心させられます。同じ芸能事務所内では計算できても他のプロダクションとほぼ被らない事自体珍しい上に、それが続くのは奇跡的とすら言えるかもしれず、(INIに遅れてのアナウンスとはなりましたが)BE:FIRSTのデビューが重なり競合することのほうが本来は自然だと思うのです。
フィジカルセールスに強い作品が一時的でも上位に進出するのが、今のビルボードジャパンソングチャートです。ただフィジカルセールスは2週目以降に急落する傾向にあり、ロングヒットや年間チャートランクインに影響するストリーミングの高位置安定が極めて重要となります。だからこそ上位進出曲が真の社会的ヒットに成るかを見極めることは大事であり、このブログで下記エントリーを発信するのはそれが理由です。
フィジカルセールスはデジタルと組み合わせ、デジタルのバックアップという位置付けで捉えるのが好いというのが音楽チャート分析者としての見方です。この考えを踏まえた、(主に)アイドルやダンスボーカルグループにおけるヒットの8段階表を今一度再掲します。ストリーミング、そしてビルボードジャパンソングチャートの重要性が浸透すれば、フィジカルシングルリリースのバッティングは増えていくはずです。
