イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

コールドプレイ & BTS「My Universe」のチャート動向を読み、ビルボードジャパンのコラムに違和感を表明する

最新10月6日公開(10月11日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは、コールドプレイ & BTS「My Universe」が6ランク上昇しトップ3に到達しました。

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上昇の理由は、「My Universe」のリリースが日本時間の9月24日13時であり、前週のチャートにおいてはTwitter指標を除きカウント対象期間が2日半のみだったため。BTSは世界標準である金曜リリースを徹底する一方、日本は独自の月曜集計開始という方針を採るため1週間フル加算された2週目に上昇するわけです。「Dynamite」(2020)以降の主な曲における初登場以降の動向について、以下の表にまとめています。

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(※「My Universe」は9月29日公開(10月4日付)でストリーミング指標が50位を下回っています。総合ソングスチャートではトップ10入りした曲についてフィジカルセールス、ダウンロードおよびストリーミングの数値を開示していますが各指標50位未満の曲は数値未掲載のため、「My Universe」のストリーミング再生回数は不明です。)

 

さて、「My Universe」の初登場週にビルボードジャパンに掲載されたコラムに強い違和感を抱き、今回のブログエントリー記載のきっかけとなりました。ビルボードジャパンでは毎週、音楽ライターの栗本斉さんによるチャート分析コラムが掲載されています。

しかしながら、掲載内容には引っ掛かりを覚えます。

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back number、最新ソングスチャートで2曲トップ5入り…2010年以前デビュー歌手のサブスク人気を考える

10月6日公開(10月11日付)ビルボードジャパンソングスチャートで2位に初登場を果たしたback number「黄色」。カラオケを除く7指標が100位以内にランクインし、突出したフィジカルセールスで総合首位に立ったAKB48「根も葉もRumor」とは大きく異なる動きをみせています。

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サブスク再生回数等に基づくストリーミングは13位で、初登場時における順位は高いほうと言えます。さらに次週(10月13日公開(10月18日付))の集計期間初日には『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)での"back numberフェス"が放送されたことで、「黄色」をはじめとするback numberの作品が浮上することが予想されます。

そのback numberフェスでも披露された「水平線」は、最新10月6日公開(10月11日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは4位、そしてストリーミング指標は5週連続で首位を記録しています。このストリーミング指標(最新週におけるストリーミングソングスチャートはこちら)の上位陣をみると、back numberは2010年以前にデビューした歌手では唯一、同チャート20位以内に複数曲を送り込んでいることが判ります*1

 

back numberのストリーミング指標における強さは、10代への浸透と大きくリンクしているのではと感じています。

*1:back numberは2009年、ミニアルバム『逃した魚』でデビュー。

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(追記あり) 今年度最大のフィジカルセールス、Snow Man『Snow Mania S1』の勢いがソングスチャートに波及していない理由とは

(※追記(11時00分):いただいたご指摘を反映し、その上で私見を記載しました。)

 

 

 

最新10月6日公開(10月11日付)ビルボードジャパンアルバムチャートはSnow Man『Snow Mania S1』が初登場で制しました。

初週フィジカルセールスは844729枚。これはBTSBTS, THE BEST』が6月23日公開(6月28日付)で記録した807056枚を上回ります*1

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一方で、『BTS, THE BEST』が初週7447DLを獲得したダウンロード指標は、『Snow Mania S1』においてはデジタル未解禁のため加点されていません*2。そのデジタル未解禁の状況が、アルバム収録曲のソングスチャートへの波及にほぼ至れなかった要因と捉えています。

*1:【ビルボード】BTS『BTS, THE BEST』が総合アルバム首位 全3指標で1位を記録 | Daily News | Billboard JAPAN(6月23日付)参照。

*2:CHART insightのチャート構成比をみると、黄色で示されたフィジカルセールスが多く、次いでオレンジのルックアップとなっていますが、紫で表示されるダウンロードは加点されていないことが解ります。

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(追記あり)【ビルボード最新動向】最新ソングスチャートのトップ10を踏まえ、チャートポリシー変更の議論を求める

(※追記(2023年7月1日10時57分):はてなブログにてビルボードジャパンのホームページを貼付すると、きちんと表示されない現象が続いています。そのため、表示できなかった記事についてはそのURLを掲載したビルボードジャパンによるツイートを貼付する形に切り替えました。)

 

 

 

毎週木曜は、最新のビルボードジャパンソングスチャートから注目点を紹介します。

9月27日~10月3日を集計期間とする10月6日公開(10月11日付)ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。フィジカル関連指標初加算に伴い、AKB48「根も葉もRumor」が初登場で首位を獲得しました。

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【グローバルチャート】「My Universe」が首位獲得、ニルヴァーナのあの曲が? J-Popの動向もチェック

今回から毎週水曜は、米ビルボードが昨年新設したグローバルチャートについてお伝えします。

 

今回分けた理由は、まず今週米ビルボードの発表が遅れたことにあります。通常日本時間の月曜早朝までにアルバムチャートを、火曜早朝には米ソングスチャートおよびグローバルチャートを発表するはずでしたが、今週はすべて火曜午前の発表となりリズムを取ることができなかったのがひとつ目の理由です。

もうひとつは、今週月曜のビルボードコラムの内容に準じます。『グローバルチャートについて、日本できちんと毎週報道する媒体が見当たりません』『弊ブログで米ビルボードソングスチャート速報時に合わせて紹介するくらいにとどまっているのではないでしょうか』と書いたのですが、ならば自分がきちんとグローバルチャートをひとつのエントリーとして独立させ、J-Popの動向も合わせて記載しようと考えた次第です。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャートについては、以前ブログエントリーにてまとめています。

200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月9日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にコールドプレイ & BTS「My Universe」が初登場で制しています。

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(追記あり) 【米ビルボード】コールドプレイ & BTS「My Universe」が初登場で首位獲得…チャートを構成する3指標の数字に注目

(※追記(10月10日6時25分):2020年度以降の米ビルボードソングスチャート首位獲得曲一覧において、補足を追記しました。)

 

 

 

※ 本日2本目のブログエントリーです。米ビルボードソングスチャートの発表が大幅に遅れ、日本時間の火曜10時台となりました。そのため米ビルボードソングスチャートについて、本日昼にアップした次第です。

また、米ビルボードソングスチャートとほぼ同時に発表されるグローバルチャートについては、今後別エントリーとして水曜にアップする方針を採る予定です。理由については明日のブログエントリーにて記載します。

 

 

 

最新米ビルボードの速報をお伝えします。 現地時間の10月4日月曜に発表された最新10月9日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。前週まで通算6週首位を獲得していたザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」を抑え、コールドプレイ & BTS「My Universe」が初登場で制しました。

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藤井風、和田アキ子…NHKの番組出演から"紅白"出場の可能性を読む

(※ 本日午前7時の時点にて、米ビルボードが最新ソングスチャート速報を発信していません。発表され次第、ブログでも取り上げます。)

 

 

 

9月4日に開催された藤井風さんの無観客配信ライブをメディアが採り上げる機会は多く、一昨日は『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)で密着およびインタビューの模様が放送されました。

各ニュース番組もこぞって取り上げた無観客ライブですが、昨日はNHKがライブ当日の模様を取り上げた番組を放送するとアナウンスしています。自分はこの動向から、藤井風さんの『NHK紅白歌合戦』(以下、"紅白"と記載します)への出場は当確ではないかと捉えた次第です。

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