イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『CDTVライブ!ライブ!』4月29日放送回に抱いた違和感を記し、あらためて音楽番組の改善を願う

日本の地上波テレビ局によるゴールデン帯放送の音楽番組が増えながら、ライバル意識の高まりにより互いの質が高まっているかと問われたらどうでしょう。4月29日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)において、その演出が参加された歌手、そして広く音楽ファンにとって悲しいものだと感じ、今回のエントリーをしたためます。

 

CDTVライブ!ライブ!』4月29日放送回は一部地域のみ18時30分放送開始でしたが、その一部地域でのみ確認できる30分の間に、Ayumu Imazuさんおよびサバシスターがパフォーマンスを披露していました。Ayumu Imazuさんは「Obsessed」をテレビで初めて披露したにもかかわらず、リアルタイムでみられない方が多く存在したのです。

サバシスターのポストにもあるように、TVerの見逃し配信にて2組のパフォーマンスは確認できるのですが、見逃し配信でしかチェックできない状況はどうなのでしょう。またTVerのサムネイルからは2組(のみならず同日出演したimaseさんやMAZZEL等も)が半ば存在しないようにみえてしまいます。

 

CDTVライブ!ライブ!』の対応は、極論と前置きして書くならば"若手の軽視"でしょう。サバシスターは全国放送となった19時台冒頭に参加し、企画VTR中ワイプで登場していたのですが、19時以降のパフォーマンスがない歌手のワイプでの出演に違和感を抱いた視聴者は少なくないはずで、『CDTVライブ!ライブ!』には視聴者への説明等が欠けていたと考えます。この説明不足はラテ欄から見えてくるゆえ、尚の事です。

そもそも尺的に、全組のパフォーマンスは19時台以降に組むことができたはずですが、『CDTVライブ!ライブ!』ではその時間を企画枠に充てていました。企画の用意は今の音楽番組全体における傾向ですが、例えば今回の内容は街の声から選出しているものの投票数の多い順とは限らず、最終的に制作側が選曲権を有するという点でも違和感を抱きます。

 

 

今回の『CDTVライブ!ライブ!』における問題は、先月記載した改善提案(上記ポスト内リンク先参照)をより強く伝える必要があると感じるに十分です。若手を起用したものの不利な時間帯に落とし込んでいいという考え方が念頭にあるならば、出演歌手や歌手のコアファン、そして広く音楽好き(な視聴者)に対し、あまりにも失礼ではないでしょうか。

 

 

そしてもうひとつ、『CDTVライブ!ライブ!』からは違和感が生じています。

"第2弾"発表とありますが、実際は4月29日放送回の最後に全組がアナウンスされていました。下記ポスト内動画でも確認できます。

(なお、第2弾として発表されたのは旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)所属の4組。同事務所所属歌手のみ発表という手段は『ミュージックステーション』(テレビ朝日)の年末特番等でみられますが、旧事務所初代社長による性加害が社会問題化した昨年、『ミュージックステーション』の年末特番ではその手段は採られませんでした(年末の音楽特番から地上波テレビ局の出演傾向を読む (2023年版)(1月4日付)参照)。)

 

第1弾と第2弾を分けて発表した理由は解りかねます。ともすれば番組側は4月29日放送回のエンディングで第1弾のみを発表するつもりだったかもしれませんが、上記ポストが放送終了直前に行われていた以上、その想像は正しくないでしょう。おそらくはプレスリリースを分けて用意し、その内容をメディアがそのまま用いたのではないかというのが自分なりの結論ですが、ならばメディアの"嗅覚"が気になってしまうのです。

 

 

音楽番組もメディアも、受け取る側の私たち、そして何より参加する歌手がどう思うか、その想像力を持っていただきたいと切に願います。