最新11月6日公開分(集計期間:10月28日~11月3日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週初の首位を獲得した櫻坂46「I want tomorrow to come」が38位に後退、フィジカルセールス初加算に伴いINI「WMDA (Where My Drums At)」が首位に立っています。
【ビルボード】INI「WMDA (Where My Drums At)」が総合首位、ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」は3位に https://t.co/54Wuh5JDLT
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年11月6日
一方で、「WMDA (Where My Drums At)」は前作のフィジカルシングル表題曲「LOUD」と動向が大きく異なります。
(上記CHART insightにおける円グラフは累計ポイント構成比となります。)
INI「WMDA (Where My Drums At)」はフィジカルセールスが796,757枚を記録し同指標首位に立ったほか、ダウンロード3位、ストリーミング100位未満(300位圏内)、ラジオ2位および動画再生67位を記録しています。
(上記CHART insightにおける円グラフは累計ポイント構成比と表示されていますが、実際は7月3日公開分におけるポイント構成比となります。)
他方、前作のフィジカルシングル表題曲「LOUD」が総合首位を記録した7月3日公開分では、フィジカルセールスが812,184枚を記録し同指標首位となったほか、ダウンロード1位、ストリーミング9位、ラジオ2位および動画再生14位となり、特に接触指標群の順位が大きく異なります。また総合首位獲得時のポイントは「LOUD」が18,424に対し、「WMDA (Where My Drums At)」は12,146となっています。
前作「LOUD」の総合首位獲得時、ビルボードジャパンは各指標で数字が大きく伸びたことを報じています。INI「LOUD」と櫻坂46「自業自得」がフィジカル同日リリースとなり後者が初週762,455枚を記録したことが、「LOUD」の各指標増加に影響したと捉えることが可能です。下記エントリーでは記事を紹介した上で、以下のようにまとめています。
記事にて指摘されているファンダムの存在、そしてその勢いの凄さはラジオ指標のみならず、今回のチャート動向全体から感じられるものです。櫻坂46「自業自得」と同日フィジカルリリースであることからフィジカル購入に勤しむ姿も確認できましたが、櫻坂46以上に複合指標から成るビルボードジャパンソングチャートを重視する姿勢が、デジタルの所有および接触指標における登場2週目の急増につながったといえるでしょう。
他方、当週はフィジカルセールスのライバルが存在せず(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「Endless Happy-Ending」(総合4位)は前作の初週フィジカルセールスが326,342枚だったのに対し今回は71,223枚を記録)、またライバルといえるCreepy Nuts「オトノケ」も7千ポイント台であったことから、「WMDA (Where My Drums At)」の総合首位は堅いとしてコアファンのチャート熱量がそこまで高くなかったのかもしれません。
(上記表の全体版は11月8日付ブログエントリーにて掲載予定です。)
「WMDA (Where My Drums At)」は主要サブスクサービスで100位もしくは200位未満となっており、前作「LOUD」(Apple Music90位、Spotify200位未満およびLINE MUSIC5位)と大きく異なります(前週のトップ10初登場曲、当週のCHART insightから真のヒット曲に成るかを読む (2024年7月3日公開分)(7月5日付)参照)。ここから再生回数に占めるコアファンの熱量と、一方でライト層の多くなさを推測することができるものと考えます。
INI「WMDA (Where My Drums At)」の動向は2作前のフィジカルシングル表題曲「HANA_花」(2023年10月18日公開分 2位)に近いかもしれません。一方で「HANA_花」はフィジカルセールス指標加算2週目に29位へ後退しており、「WMDA (Where My Drums At)」も同様の動きをたどる可能性が考えられます。ライト層の支持を得てストリーミング上位進出なるか、総合チャートで安定に至るか、注目していきます。