イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

MAZZELがビルボードジャパントップアーティストチャートで半年間ほぼ毎週100位以内に…その原動力を考える

ビルボードジャパンにはソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャート(Artist 100)が存在します。このチャートで2週前にキャリアハイとなる7位を記録したMAZZELは翌週36位に後退するも、最新4月29日公開分にて30位に上昇しています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

CHART insightはフィジカルが黄色、ダウンロードが紫、ストリーミングが青、ラジオが黄緑、動画再生が赤そしてカラオケが緑で表示。また構成指標には含まれませんが"歌ってみた"や"踊ってみた"に代表されるUGC(ユーザー生成コンテンツ)が茶色で表示されます。MAZZELは昨年11月12日公開分にて前週の100位未満から25位へ上昇した後、3月18~25日公開分を除き総合100位以内に常時登場。そのことを興味深く感じています。

 

 

MAZZELによるビルボードジャパントップアーティストチャート上昇の契機となったのは、シングル「Only You」のリリースです。

「Only You」は総合100位以内登場が通算8週、フィジカルセールス指標初加算時における総合3位獲得(2025年12月3日公開分)が共にキャリア最高を更新。また同曲はデジタル先行リリースに伴い、昨年11月12日公開分にて8位初登場を果たしています。

MAZZEL「Only You」初登場の翌週、ビルボードジャパンアルバムチャートにてファーストアルバム『Parade』のストリーミング指標が300位以内に入り加点開始。そして同年12月10日公開分にて総合95位に入ると、現在まで100位以内に登場し続けています。『Parade』は2024年3~4月に通算4週ランクイン。その後同年最終週にビルボードジャパンがストリーミング指標を導入し、同作はその指標の強さに伴い再登場した形です。

 

『Parade』のヒットについては、以前ブログにて紹介しています。

MAZZELは最新フィジカルシングルの表題曲「Only You」がこれまでで最長となるソングチャート100位以内エントリーを達成、さらにはYouTubeチャンネル内のコンテンツも人気を集めています。個々の活動のフィードバックも相まって、MAZZELの音楽作品人気も高まりつつあることが『Parade』の動向から読み取れます。

ここで紹介した『YouTubeチャンネル内のコンテンツ』とは、バラエティ番組的な位置付けとなる『まぜべや』を指します。

公式YouTubeチャンネル内番組『まぜべや』でのNAOYAさんの発言が昨年のモデルプレス流行語大賞で3位に入ったことも注目度を高め、また各メンバーのソロ活動も相まって、NAOYAさん主演ドラマの主題歌に起用された「Only You」がキャリア最高の成績を収めたのみならず、ファーストアルバム『Parade』がロングヒットのフェーズに。

(中略)

MAZZELにおいて注目は、動画再生指標が2025年11月12日公開分以降一度も100位未満に至っていないこと。所属するBMSGは音楽チャート施策に長け、特に新曲リリース週における複数の動画投稿を徹底していますが、動画再生指標が継続的な人気に至っているのは「Only You」への高い注目のみならず、『まぜべや』の人気に伴いYouTubeチャンネルの滞在時間が伸び、公開動画全体への視聴に波及したといえるかもしれません。

 

その『まぜべや』最新回のディベート企画にて、『MAZZELを知らない人にYouTubeを観てもらうなら?』という題目が用意されていました。

選択肢は『まぜべや』、ミュージックビデオそしてライブ(VTR)の3択。結果やディベートの過程は動画を参照していただきたいのですが、音楽チャート面におけるMAZZEL上昇の契機は「Only You」のキャリア最大ヒット、そして『まぜべや』が大きく、グループの魅力が広まったことでライブ(映像)を含む接触につながったものと考えます。「Only You」や「Get Up And Dance」のTHE FIRST TAKE公開も好い流れといえるでしょう。

 

そしてMAZZELは、先述した2曲を含むセカンドアルバム『Banquet』が4月15日公開分のアルバムチャートで総合3位に初登場すると、3週連続でトップ10入りを果たしています。注目はストリーミング指標が6→8→9位と上位をキープしている点。ライブの開催が(予習や復習(振り返り)のための聴取行動に伴い)ストリーミング指標に影響する傾向を踏まえれば、4月25日開始のツアーも同作品の安定につながっているかもしれません。

この最新アルバムの動向が、ソングチャートとアルバムチャートを合算するトップアーティストチャートに寄与しているというのが、音楽チャート分析者としての見方です。アルバム登場2週目におけるトップアーティストチャートの後退幅は小さくないものの、当週の動向を踏まえるに今後しばらくは安定していく可能性が考えられます。

 

 

気になるのは、ファーストアルバム『Parade』が直近3週のアルバムチャート(つまりは『Banquet』初登場以降)に総合93→97→98位と推移し、その前の55位から大きく後退している点。ストリーミング指標も4月8日公開分における51位から89→94→85位と下位に。ともすれば『Parade』のストリーミング人気がコアファンによる聴取主体であり、そのコアファンが新作に移ったことで減少した可能性が考えられます。

一方で、この3週は『Parade』にダウンロード指標が加点されています。ダウンロード数自体は多くないかもしれませんが、ここからは新規コアファンの誕生が推測可能です。『Parade』は今後リカレントルール適用に伴い急落する可能性は否めませんが、『Banquet』がツアー終了後も好調を維持できるか、そしてMAZZELがトップアーティストチャートで安定していくかに注目です。