TREASURE「IF I」が最新6月24日公開分ビルボードジャパンソングチャートで13位に登場しています。
「IF I」はTREASUREが6月1日にリリースした4枚目のミニアルバム『NEW WAV』のリード曲。この日を集計期間初日とする6月10日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは21位に初登場すると、その後は11→13位と安定しているのですが、CHART insightからは気になる点が浮かんできます。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
CHART insightにて青で表示されるストリーミングはロングヒットの要ながら、この指標が大きく後退することは社会的ヒット曲では考えにくく、LINE MUSIC再生キャンペーンの反動に因るものといえます。TREASURE「IF I」の開催期間は6月24日公開分ビルボードジャパンソングチャートの集計期間最終日まででしたが、3,000回という再生回数ハードルをクリアした方から順に離れたことが指標の急落につながったと推測されます。
※ TREASURE 4th MINI ALBUM [NEW WAV]リリース記念!LINE MUSIC再生キャンペーン実施が決定!! - NEWS | | TREASURE OFFICIAL WEBSITE(5月30日付)より
(キャンペーン終了に伴いページが削除される可能性を踏まえ、キャプチャした画像を貼付しています。問題があれば削除いたします。)
また最新6月24日公開分ビルボードジャパンソングチャートのストリーミング表をみると、主要サブスクサービスのうちLINE MUSIC以外は週間チャート(Spotify200位以内、Amazon Music50位以内およびApple Music100位以内)に登場せず、LINE MUSICにおいても36→99位に後退しています。サブスクサービス間での乖離もまた、再生キャンペーン採用曲の特徴です。

加えて、ストリーミング指標と比例する傾向にある動画再生(CHART insightでは赤で表示)は登場2週目に急落し、当週は300位以内に入っていません。アイドルやダンスボーカルグループでは順位面でストリーミングよりも高い傾向にあるこの指標の急落は、ライト層(歌手のファンというわけではないが曲が気になる方)とコアファンとの乖離を示しているといえます。
そしてもうひとつ気になる指標が、CHART insightにて黄緑で表示されるラジオです。TREASURE「IF I」においてはこの指標が3→1→1位と推移しているのですが、この指標の基となるプランテックのラジオオンエアチャートでは6位(記事はこちら)→5位(記事はこちら)→4位(記事はこちら)となり、順位に乖離がみられるのです。
ビルボードジャパンソングチャートのラジオ指標は、プランテックによる全国30以上のラジオ局によるオンエアチャートを基に、各放送局の聴取可能人口等を加味して算出されます。ゆえにオンエアチャートと指標化後の順位で差があるのは自然ながら、3週続けて乖離が発生している状況からは、聴取可能人口の多いラジオ局メインで流れたという可能性が考えられます。
このことから想起したのが、3枚目のミニアルバム『LOVE PULSE』のリード曲である「PARADISE」の動向でした。
「PARADISE」もラジオオンエアチャートと指標化後の順位が異なっていたのですが、これは首都圏ラジオ局のinterfmでオンエアが集中していたため。聴取可能人口の多さゆえ、指標化後の順位が上回った形です。そして「IF I」においても同曲にて、6月10日公開分ビルボードジャパンソングチャートの集計期間(6月1~7日)に45回、6月17日公開分では46回、そして直近となる6月24日公開分では46回と大量オンエアされていました。
このオンエア記録は(MUSIC SEARCH | インターエフエム [ 89.7MHz TOKYO ]にて確認できます。5月31日~6月25日を調査対象期間に設定した内容がリンク先で表示されるのですが、注目は6月22日以降一回もオンエアされていないということ。オンエア最終日の6月21日は先述したLINE MUSIC再生キャンペーンの最終日でもあるため、「IF I」は次回7月1日公開分ソングチャートで急落する可能性が高いでしょう。

TREASURE「PARADISE」ではLINE MUSIC再生キャンペーンとinterfm集中オンエアの最終日が同一となります(前者はTREASURE 3rd MINI ALBUM [LOVE PULSE]リリース記念!LINE MUSIC追加キャンペーン実施が決定!! - NEWS | | TREASURE OFFICIAL WEBSITE(2025年9月11日付)、後者はMUSIC SEARCH | インターエフエム [ 89.7MHz TOKYO ](表示期間:2025年8月31日~10月5日)参照)。最終日である2025年9月28日を集計期間最終日とする同年10月1日公開分が、最後の総合100位以内エントリーとなっているのです。
TREASURE「PARADISE」の動向を踏まえれば、「IF I」も同様の道を辿ると考えるのは自然なことでしょう。複数週20位前後に登場するという記録は残るために中期的にヒットしていると捉えられてもおかしくありませんが、その内容をきちんと押さえることが大切です。
<ビルボードジャパンソングチャート ラジオ指標について>
◯ 基となるデータ
・プランテックによる全国主要エリア31局(FMおよびAM局)のオンエアチャート
(各放送局の聴取可能人口等を加味して指標化)
◯ 上位進出しやすい曲
・ラジオ局によるパワープレイ(ヘビーローテーション)採用曲
(新人歌手による作品主体)
・帯番組の放送やコーナー等の限定的な時間帯で一週間大量にオンエアされる曲
(男性アイドル/ダンスボーカルグループの作品中心 (音楽チャート施策として))
・季節やイベントを代表する曲
・亡くなった歌手の代表曲
・ベテラン歌手による新曲
(全国レギュラー番組を抱える歌手が特に強い)
・地方局よりも大都市圏(特に首都圏)で大量オンエアされる曲
・洋楽(K-POPを除く)の場合は世界的ヒットより日本独自で推薦される曲
・ラジオ局や番組が主体的に流す曲
◯ 問題点
・他指標に比べてロングヒットしにくい
(音楽チャート施策に基づく場合は1週間、パワープレイ採用曲は1ヶ月程度)
・他指標と順位が乖離しやすい
・他指標より洋楽(K-POPを除く)が強いながら、上位占有率は縮小傾向にある
・ラジオ局や番組が主体的に流す曲は(オンエアチャート上からは)見えづらい
・直近の動向を踏まえ、ビルボードジャパンソングチャートのラジオ指標に関する特徴等を今一度まとめる(4月24日付)より(太字等一部表現(効果)を訂正の上で掲載)
リカレントルール導入後のビルボードジャパンソングチャートでは、ラジオ指標のヒット主体に(他指標とは乖離が大きいながらも)総合チャートで上位進出する曲が目立つとう印象です。また男性アイドルやダンスボーカルグループ主体に、リリース週に施策を実施する歌手も増えています。TREASUREのような複数週での施策実施も目立ってきていますが、ラジオ指標における特徴を踏まえれば見直しが必要ではというのが私見です。
