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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Mrs. GREEN APPLE「lulu.」がビルボードジャパンで2連覇達成、大きく貢献した指標とは

1月28日公開分(集計期間:1月19~25日)のビルボードジャパンソングチャートは、前週首位に初登場したMrs. GREEN APPLE「lulu.」が連覇を達成しています。

 

最新1月28日公開分ビルボードジャパンソングチャートではMrs. GREEN APPLE「lulu.」が首位、米津玄師「IRIS OUT」が2位をキープ。獲得ポイントは前者が13,384→11,650、後者が12,450→10,837となり、前週比は共に87.0%で推移しています。また数値が確認可能なダウンロードおよびストリーミング再生回数は、「lulu.」が9,206DL/12,629,819回再生、「IRIS OUT」が5,823DL/13,006,566回再生を記録しています。

最新ソングチャートのCHART insightをみると、Mrs. GREEN APPLE「lulu.」と米津玄師「IRIS OUT」にはそれぞれ特徴がみられます。「lulu.」はリリース間もないこともありダウンロードが強く、またカラオケは強くありません(後者の指標は加点されるも100位未満)。「IRIS OUT」は『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)のパフォーマンス映像公開効果もあってか動画再生指標を制し、またフィジカルシングルもリリースされています。

その2曲にて、特に大きな差が開いたのがラジオ指標です。エントリー冒頭に掲載した記事ではMrs. GREEN APPLE「lulu.」について、『動画は前週比54%、ストリーミングは86%、ダウンロードは37%に減少するも、ラジオは377%と大きく増加』と記しています。デジタル指標群の後退を、ラジオ指標がカバーしたと捉えていいでしょう。

 

登場2週目での後退が目立ちロングヒットが難しいラジオ指標において、Mrs. GREEN APPLE「lulu.」は8→1位に上昇。一方で米津玄師「IRIS OUT」は30→50位に推移しています。この指標はプランテックによる全国主要ラジオ局のオンエアチャートをベースに各局の聴取可能人口等を加味して算出されるのですが、そのプランテックによるチャートでも「lulu.」が首位に。その際、記事では以下の文言が確認できます。

TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期オープニングテーマとなる同曲。1月12日の配信リリースと同時にFMを中心に開始されたオンエアは、その後AMへも広く波及していきつつ、最多リクエストオンエアを獲得するとともに前週チャートで7位に初登場。今週頭からは更に大きく加速し、前週比282%増の圧倒的なオンエア数を獲得しての首位浮上となった。

調査対象の93.5%となるステーション(FMでは全局)でのオンエア獲得と、今週最高値のカバー率であり、リクエストオンエアもさすがの数が確認されている。“フェーズ3”第1弾リリースとあり渾身の楽曲に見合う注目度となった。

新たなフェーズでの初の作品、またアニメ主題歌等、「lulu.」は様々な面で注目を集めていますが、今回のラジオにおける上昇は、記事での指摘はないものも施策に因る部分もあるのではと感じています。

 

というのも、Mrs. GREEN APPLEはラジオ施策の実行に伴い、総合ソングチャートでの上位進出やキープにつなげていることが少なくありません。「breakfast」では登場3週目となる2025年6月25日公開分にてラジオ指標が前週比468%、7→1位と推移し、総合でも前週の3位から上昇。Aぇ! group「Chameleon」におよそ600ポイントの差をつけ、総合首位の座に就いています。

また昨年7月16日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは「breakfast」が5→2位へ浮上。ラジオ指標の基となるプランテックのラジオオンエアチャートでは前週から502%増加しています。そして翌週には総合ソングチャートで「breakfast」が2→7位へ後退した一方、「ダーリン」が8→4位に上昇。「ダーリン」はオンエアチャートで前週比1320%の急増を記録し、指標化後の数値も前週からおよそ16倍増加となっています。

昨夏におけるMrs. GREEN APPLEのラジオでの強さは上記エントリー群でも紹介していますが、そこで掲載したプランテックによるラジオオンエアチャートの記事にはいずれも"帯放送(枠)"という文言が確認できます。日本では特に男性アイドルやダンスボーカルグループにおいて、楽曲リリース週に帯放送や番組内コーナーにて紹介してもらうことでオンエアを増やす施策が一般化していますが、Mrs. GREEN APPLEも同様といえます。

今回の「lulu.」における上昇が施策実行に因るものかをプランテックの記事から読み取ることはできません。また昨夏同様にリクエストオンエアの多さも確認できます。それでも、楽曲リリース週以外でラジオが自然な形で急上昇することは稀と考えるに、Mrs. GREEN APPLEは今回も施策を実行したのではというのが自分の見方です。この仮定が正しいならば、施策が当週の総合ソングチャート2連覇に見事に貢献したといえます。

 

 

なお、たとえば昨年7月23日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは「breakfast」のラジオ指標が1→15位に後退し、総合でも2→7位にダウン。この指標は長期ヒットが難しいため、「lulu.」においても(施策が長期で実行されなければ)次週の総合ソングチャートで首位から後退し、また米津玄師「IRIS OUT」に逆転を許すかもしれません。他指標は比較的大きく後退しているゆえ尚の事、「lulu.」の動向を注視する必要があります。

 

音楽チャート分析者として、週間単位での首位獲得以上に大事なのはロングヒットであり、そのためにまずは上位進出の翌週に急落しないことが重要と考えます。