2020年からポッドキャスト【Billboard Top Hits (通称:ポッドチャート)】を発信し、現在は毎週木曜13時に最新エピソードを公開しています。
今回はポッドキャストでも紹介した、最新のビルボードジャパンアルバムチャートについて採り上げます。
昨日発表されたビルボードジャパンアルバムチャート(5月7日公開分(集計期間:4月28日~5月4日))では、デジタル指標群の加算に伴いSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』が4連覇を達成。通算では5週目の首位を獲得しています。
【ビルボード】Snow Man『THE BEST 2020 - 2025』が4週連続の総合アルバム首位 櫻坂46が2位に続く https://t.co/ZwUOTyG2e3
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年5月8日
Snow Manの首位獲得については前週のエントリー(Snow Manベストアルバムが3連覇達成、一方で収録曲の勢いが下がっていることについて - イマオト - 今の音楽を追うブログ -(5月2日付))でも分析。当週はフィジカルセールスが26→32位(2,778→2,104枚)、ダウンロードは6→9位(534→377DL)と後退しながらストリーミングは首位をキープし、累計ポイントに占めるストリーミング指標の割合は増加しています。

一方で、『THE BEST 2020 - 2025』では収録曲のストリーミング順位が全体的に下がっています。この点は主要サブスクサービスにおけるデイリー動向からも明らかです。

【今週のストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年5月7日
1位 Mrs. GREEN APPLE
2位 Mrs. GREEN APPLE
3位 HANA
4位 King Gnu
5位 Mrs. GREEN APPLE
6位 サカナクション
7位 back number
8位 Mrs. GREEN APPLE
9位 Mrs. GREEN APPLE
10位 清水翔太https://t.co/Ij3Jubg6hh pic.twitter.com/6FsnioOAaU
ソングチャートにおけるストリーミング指標の基である最新5月7日公開分のStreaming SongsチャートではSnow Manの100位以内在籍曲がゼロに(「ブラザービート」は前週75位にランクイン)。一方でアルバムのストリーミング指標が強い点からは、収録曲のストリーミング順位は高くなくとも下位ではランクインしている曲が多いだろうことが想起されます。そして、以前提示した予想は当たっているものと考えます。
Snow Manについては、(ベストアルバムにも収録されている)「One」を昨秋リリースの単曲として聴く場合を除き、聴取分はすべてベストアルバムのストリーミングとしてビルボードジャパンアルバムチャートのストリーミング指標に加算されることになります。また曲数も多いことから、4月17日木曜に発表される4月16日公開分ビルボードジャパンアルバムチャート(集計期間:4月7~13日)で高位置に再浮上すると予想可能です。
Snow Manによる作品のストリーミングがほぼすべてベストアルバムに集約されること、収録曲数がMrs. GREEN APPLE『ANTENNA』の4倍以上であることが強さの要因であるならば、ビルボードジャパン側は当初設定したチャートポリシー(集計方法)が正しかったかを議論し、見直しも視野に入れることが必要と考えます。前週も掲載した提案内容をあらためて記します。
注目点は他に2つあります。まずはビルボードジャパンアルバムチャートのチャートポリシー(集計方法)を見直すべきか、見極める必要が生じるということです。
ダウンロード/ストリーミングについて
(中略)
③Hot Albumsのストリーミング数は、どのように合算していますか?
各DSPから報告される収録アルバム情報を元に、どのアルバムに収録された楽曲が再生されたのかを特定・集計しています。なお、アルバムによって収録曲数が異なりますが、弊社による検証の結果、チャートに係数を乗じることによって、大きな影響はないことが判明しました。それにより、該当アルバムに収録された曲のストリーミング数を合算して係数を乗じ、各ポイントを算出しています。
アルバム収録曲数の大小についてはビルボードジャパンがこのような考えを示していますが、今回のSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』は61曲という大ボリュームとなっています。解禁後数週の動向から、収録曲数の多い作品が有利になるポリシーと判断したならば早急に(早ければ第三四半期から)変更を実施するか議論することは必要でしょう。米ビルボードにおいては曲数の多さが有利になると捉えているゆえ、尚の事です。
そしてもうひとつ。これはtimeleszに対しても申し上げたことですが、重要なのは全曲のサブスク解禁です。それに至るかについても、注視していきます。
・Snow Manがサブスク解禁へ…その内容から考える注目点とは(4月4日付)より

実際、ソングチャートとアルバムチャートを合算したビルボードジャパンのトップアーティストチャート(Artist 100)では、Snow Manは6→11位へ後退。ストリーミングは5→9位と推移していますが、前週および当週総合トップ10入りを果たした歌手の中でストリーミングのダウン幅は最も大きくなっています。上記の見直し提案はこのことも背景にあります。
一方、最新のトップアーティストチャートで存在感を放ったのがback number(総合2→2位)、そしてKing Gnu(5→4位)です。


back numberは「ブルーアンバー」が最新ソングチャートで首位初登場を果たしたことが影響。新曲の勢いは他の作品へも波及しています。
なお、back numberは他にも4曲がチャートイン。「高嶺の花子さん」が38位から35位に、「水平線」が46位から44位に、「花束」が65位から56位に、「ハッピーエンド」が78位から75位へとランクアップしている。
【ビルボード】back number「ブルーアンバー」が自身6作目となる総合首位、ミセス「天国」は11位デビュー https://t.co/Ev8w104ceW
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年5月7日
King Gnuは『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)での12曲ノンストップライブ効果もあり、ソングチャートでは「TWILIGHT!!!」が4→5位、「SPECIALZ」が88→70位、「白日」が100位未満→76位と推移。「TWILIGHT!!!」はダウンロードの減少がランクダウンに影響していると考えられますが、他の2曲は上昇。そしてトップアーティストチャートのストリーミング指標はback numberが2位をキープ、King Gnuが6→4位に上昇しています。
<5月7日公開分ビルボードジャパンアルバムチャート
back numberおよびKing Gnuにおける総合100位以内ランクイン作品の動向>
(左から順に、総合/フィジカルセールス指標/ダウンロード指標/ストリーミング指標の推移)
・back number
『スーパースター』
20→17位/300位未満→300位未満/300位未満→300位未満/17→13位
『ユーモア』
23→19位/300位未満→300位未満/100位未満→100位未満/20→14位
『MAGIC』
27→20位/300位未満→300位未満/300位未満→300位未満/24→15位
『ラブストーリー』
33→27位/300位未満→300位未満/300位未満→300位未満/27→21位
『アンコール』
36→32位/100位未満→100位未満/100位未満→61位/30→29位
『シャンデリア』
55→54位/300位未満→300位未満/300位未満→300位未満/48→50位
『blues』
96→94位/300位未満→300位未満/300位未満→300位未満/85→89位
『CEREMONY』
39→21位/300位未満→100位未満/100位未満→100位未満/31→17位
『THE GREATEST UNKNOWN』
58→40位/100位未満→72位/52→24位/51→39位
『Sympa』
100位未満→78位/300位未満→100位未満/100位未満→100位未満/92→73位
『King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME』
100位未満→87位/(デジタル配信のみのため未ランクイン)/100位未満→38位/100位未満→86位
(上記は最新5月7日公開分におけるアルバムチャートの有料会員向けCHART insightより。総合チャートおよび構成指標における20位未満の順位はCHART insight有料会員のみが確認可能ですが、ビルボードジャパンでは有料会員のみ知り得る情報の掲載を可能としています。)
back numberについてはベストアルバム『アンコール』、King Gnuにおいては最新作を主体に所有指標が上昇。そしてストリーミングはほぼすべての作品で上昇しており、これがトップアーティストチャートにおける強さの一因となっています。特にKing Gnuにおいてはストリーミングの上昇幅が大きく、『CDTVライブ!ライブ!』がコアファンのみならずライト層も魅了したことが見て取れます。
back numberやKing Gnuのチャートアクションは、新曲の登場や(広く発信された)ライブパフォーマンスがアーカイブを動かすことの証明と捉えていいでしょう。それを踏まえるに、デジタルアーカイブの充実が必要であることは間違いありません。また、新曲をリリースしてもアーカイブの動きが乏しい場合はその新曲の所有や接触が主にコアファン内でとどまっているという可能性が、今回の動向からみえてくるかもしれません。