イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Snow Manがサブスク解禁へ…その内容から考える注目点とは

昨秋「One」をデジタルリリースしたSnow Manが、本格的なサブスク解禁に乗り出します。

配信対象は今年初めにリリースされたベストアルバム、『THE BEST 2020 - 2025』収録の61曲となります(これまでのカタログすべての解禁でないということには注意が必要です)。そして、ベストアルバムに絞ってリリースするという手法から、timeleszのデジタルコンピレーションアルバム『Hello! We're timelesz』を想起した次第です。

 

アルバムチャートのストリーミング指標は、収録曲がどのアルバムを介して聴かれたかが重要となります。Mrs. GREEN APPLEやback numberの作品はオリジナルアルバムからの聴取が多いと考えられ、またサブスクサービスのプレイリストを介して聴いた場合、そのプレイリスト収録曲がどのアルバム経由でリストインしたかも鍵となるはずです。

timeleszはサブスク解禁時に、オリジナルアルバムやシングルをすべて解禁しているわけではありません。ゆえに『Hello! We're timelesz』収録の既発曲はすべてこのデジタルコンピレーションアルバムのストリーミングとして加算されます。デジタルが強いことに伴いベストアルバム的な作品がアルバムチャートを制したという今回の背景には、timeleszの解禁方法が影響したともいえるでしょう。

Snow Manについては、(ベストアルバムにも収録されている)「One」を昨秋リリースの単曲として聴く場合を除き、聴取分はすべてベストアルバムのストリーミングとしてビルボードジャパンアルバムチャートのストリーミング指標に加算されることになります。また曲数も多いことから、4月17日木曜に発表される4月16日公開分ビルボードジャパンアルバムチャート(集計期間:4月7~13日)で高位置に再浮上すると予想可能です。

ビルボードジャパンアルバムチャートにストリーミング指標が導入された後にリリースされたSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』は、フィジカルが初週ミリオンセールスを記録し総合チャートを制しながら、デジタル未解禁が影響し翌週は13位に後退(上記エントリー参照)。トップ10在籍1週、100位以内は4週にとどまっています。ゆえにサブスク解禁に伴い、年間チャートで頭角を現すかに注目です。

 

注目点は他に2つあります。まずはビルボードジャパンアルバムチャートのチャートポリシー(集計方法)を見直すべきか、見極める必要が生じるということです。

ダウンロード/ストリーミングについて

(中略)

③Hot Albumsのストリーミング数は、どのように合算していますか?

DSPから報告される収録アルバム情報を元に、どのアルバムに収録された楽曲が再生されたのかを特定・集計しています。なお、アルバムによって収録曲数が異なりますが、弊社による検証の結果、チャートに係数を乗じることによって、大きな影響はないことが判明しました。それにより、該当アルバムに収録された曲のストリーミング数を合算して係数を乗じ、各ポイントを算出しています。

アルバム収録曲数の大小についてはビルボードジャパンがこのような考えを示していますが、今回のSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』は61曲という大ボリュームとなっています。解禁後数週の動向から、収録曲数の多い作品が有利になるポリシーと判断したならば早急に(早ければ第三四半期から)変更を実施するか議論することは必要でしょう。米ビルボードにおいては曲数の多さが有利になると捉えているゆえ、尚の事です。

 

そしてもうひとつ。これはtimeleszに対しても申し上げたことですが、重要なのは全曲のサブスク解禁です。それに至るかについても、注視していきます。