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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

back number「ブルーアンバー」がソングチャート首位初登場、「新しい恋人達に」の初週動向と比較する

最新5月7日公開分(集計期間:4月28日~5月4日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週首位に返り咲いたHANA「ROSE」が6位に後退、back number「ブルーアンバー」が初登場で首位に立っています。

back numberによる総合ソングチャート制覇は6曲目に。今回は「ブルーアンバー」と、前回の首位獲得曲である「新しい恋人達に」の類似点、および相違点をまとめます。

 

 

ビルボードジャパンソングチャートを制したback numberによる直近2作品はいずれもフジテレビ系のドラマ主題歌。「ブルーアンバー」は月曜22時枠の『あなたを奪ったその日から』(関西テレビ制作)、「新しい恋人達に」は月曜21時枠の『海のはじまり』主題歌であり、2曲とも月曜にデジタルリリース。初週1週間フル加算に伴い、100位以内初登場にして首位獲得を果たしています。

「新しい恋人達に」における2024年7月24日公開分ビルボードジャパンソングチャート、および「ブルーアンバー」における当週分のCHART insightを上記に(なおCHART insightは昨年9月、円グラフの指標構成表示を最新週から累計へ変更しています)。「新しい恋人達に」の初登場時における動向は、下記エントリーにて分析しています。

 

2曲に共通しているのは、前週に総合100位未満ながら入っていたということ。これはラジオでの先行解禁が影響しており、「ブルーアンバー」については【プレイリスト付】back number全局OAで急浮上1位/RADWIMPSロングヒットの兆し2位/MISIA新AL先行曲がTOP3入り【エアモニ】 | Musicman(5月7日付)にてラジオ指標(CHART insightでは黄緑で表示)の基となるプランテックOAチャートの推移を確認することができます。

 

 

他方、異なる点のひとつが動画環境。back numberは「新しい恋人達に」のミュージックビデオを9月のフィジカルリリース時に公開しており、デジタル解禁時には公式オーディオ(→こちら)が用意。一方で「ブルーアンバー」はデジタルリリース日にミュージックビデオが公開されており、これがCHART insightにて赤で表示される動画再生指標の差に。ソングチャート首位初登場時には前者32位、後者8位を記録しています。

 

そして異なる点のもうひとつが、CHART insightにて青で表示されるストリーミング指標。「新しい恋人達に」では4位、「ブルーアンバー」では7位となっていますが、再生回数は前者が7,532,578回に対し後者が6,154,747回と比較的大きく異なります。

200位までの再生回数が可視化されるSpotifyの動向から、ストリーミングの曜日特性がみえてきます。日本においては平日より土曜、土曜より日曜が伸びる傾向にあり、祝日もまた上昇します。また月曜が祝日の場合、連休中日にあたる日曜は再生回数が伸びたとしても上昇率はそこまではないと捉えています。

「新しい恋人達に」は2024年7月15日月曜祝日リリースであり、初週は平日が4日間。一方で2025年4月28日月曜にリリースされた「ブルーアンバー」もまた、リリースの翌日が祝日であり初週は平日が4日間となります。5月4日日曜は連休2日目であり通常の日曜ほど伸びなかったと想起できますが、しかしながら環境は似ているといえるでしょう。その中にあって、2曲の初週ストリーミング数には140万近い差が生じています。

 

このストリーミング数の違いは、リリース初週におけるダウンロード数の差からもみえてくると考えます。「新しい恋人達に」は初週24,432DLを記録した一方、「ブルーアンバー」は14,750DLとなり1万近く差が開いています。

この差は、主題歌に起用されたドラマの人気が影響しているかもしれません。『海のはじまり』は、TVerによる昨年7月期の番組再生回数ランキングでダントツの首位に。今年1月期のランキング(記事はこちら)を制した『御上先生』(TBS)の倍近い再生回数を誇っている点からも、高い人気が読み取れます。『あなたを奪ったその日から』の再生回数は7月に判明する見込みですが、『海のはじまり』ほどではないと思われます。

 

結果的に、『海のはじまり』主題歌の「新しい恋人達に」はソングチャート初登場時に9,160ポイントを記録した一方、『あなたを奪ったその日から』主題歌の「ブルーアンバー」は7,895ポイントに。後者のポイントは前週4月30日公開分における3位(Mrs. GREEN APPLE「クスシキ」の9,669ポイント)より下がるものの、前週のトップ3が前週より2割以上ポイントを落としたことも「ブルーアンバー」の首位獲得につながった形です。

 

 

今後の注目点は、「ブルーアンバー」がロングヒットするかどうか。下記ストリーミング表では集計期間の違いもあってSpotifyでの強くなさが目立っていますが、同サービスでは最新5月6日付デイリーチャートで最高位となる23位に上昇しています。今後の動向に注目です。

(上記はCHART insightからヒットを読む カテゴリーのエントリーで掲載しているストリーミング表の最新版。この表を基とするエントリーは5月10日に公開します。)