イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) Snow Man『THE BEST 2020 - 2025』、デジタル解禁2週目の主要サブスクサービス動向を読む

(※追記(4月23日12時19分):今回掲載した表を基に、徒然研究室さんがグラフを作成されています。つきましてはその表を貼付した徒然研究室さんによるポストを掲載させていただきました。見やすく解りやすいデータの可視化に、心より感謝申し上げます。)

 

 

 

今回のブログエントリーは、1週間前に掲載した内容の続きとなります。

フィジカルのシングル/アルバム双方でミリオンセールスを記録するSnow Manが、今年1月にリリースしたベストアルバム『THE BEST 2020 - 2025』をサブスク解禁したのが4月7日のこと。このブログではアルバム収録曲のサブスクサービス動向をチェックしており、今回はその最新版となります。

 

Apple MusicおよびLINE MUSICは100位まで、Spotifyは200位までのデイリー順位が確認可能。また週間チャートはApple Musicが月曜集計開始(ビルボードジャパンソングチャートの集計期間と同一)となり、SpotifyApple Musicの3日前となる金曜、LINE MUSICはApple Musicの2日後となる水曜が集計開始となります。なおブログエントリー執筆時点(4月23日5時)ではLINE MUSICのみ4月22日付デイリーチャートが発信されています。

 

(※追記(4月23日12時19分):上記の表を基に、徒然研究室さんがグラフを作成されています。つきましてはその表を貼付した徒然研究室さんによるポストを掲載させていただきました。)

 

 

各サブスクサービスにて、Snow Manの動向に明確な差が表れています。

最もランクイン曲数が少ないのはSpotifyで、4月16日付以降は200位以内未ランクインの状況が続いています。一方、4月15日付で複数曲がランクインしたのは、日本のSpotifyにおいて初めて(Spotifyを活用するStationheadではなくSpotify自身で)公式リスニングパーティーが開催されたことが影響しています。その点は下記エントリーでも紹介した上で、その勢いが持続していないことについて私見を述べています。

社会的ヒットに至るには、そして常時安定するには曲が気になるが歌手のファンというわけではないライト層を増やすことが重要です。コアファンの熱量は重要ながらも安定しにくく、仮に安定しても他のサブスクサービスと順位が乖離することもあり尚の事、広く音楽ファンからの支持を集めることがより大切です。

その点において、リスニングパーティー(そのほとんどはStationheadを用いて実施しています)はコアファンにリーチしてもライト層を集めにくいということが、今回のSnow Manによる動向から見えたと考えます。

 

一方でApple MusicやLINE MUSICでは最新日でも複数曲がランクインしており、加えて先週末は順位を上げる曲が少なくありませんでした。これはSnow Manが先週末に国立競技場にて自身初のスタジアムライブを行ったこと、日曜に映画館にて生中継を実施したことが影響しているのみならず、その模様が各メディアで報じられたことでライブを観ていない方にもリーチしたと捉えていいでしょう。

 

Apple Musicでは4月22日付の順位が出ていないため、LINE MUSIC同様に下降する可能性も考えられます。それでも100位以内に登場する3曲が最新4月21日付で順位を上げたのは、Apple Musicでラジオ番組がスタートしたことも影響しているかもしれません。

日本で初めてSpotify自身による公式リスニングパーティーを、Apple Musicで新スタジオ開設第一弾となるコンテンツを託されたSnow Manが、如何に強力なアーティストパワーを持ち合わせているかを実感します。他方、リスニングパーティーやサブスクサービス発のラジオ番組は通常のラジオ番組と違い、ふと耳にする可能性は低い(能動的にアクセスして聴く形である)ため、ライト層を獲得するには別の取組も必要と考えます。

 

 

ビルボードジャパンのアルバムチャートは明日発表されます。まずはSnow Man『THE BEST 2020 - 2025』が総合ならびにストリーミング指標で首位をキープできるかに注目すると共に、この1週間で新たな施策を展開するかも気になるところです。