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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Snow Man『音故知新』先行曲のチャート動向を踏まえ、アルバムのデジタル対応を注視する

最新10月15日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、Snow Man「TRUE LOVE」が15位に初登場を果たしています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

上記CHART insightからは、紫で表示される「TRUE LOVE」が前週の段階でダウンロード指標5位に入っていることが解ります。

Snow Man「TRUE LOVE」は10月5日日曜21時にリリース。つまりビルボードジャパンにおける10月8日公開分ソングチャートでは同曲の集計対象期間が3時間のみとなるのですが、その状況下で同曲は3,831DLを記録しダウンロード指標5位に初登場した形です。

 

Snow Manは前作となるデジタルシングル「カリスマックス」が7週連続でトップ20内に登場。CHART insightにて青で表示されるストリーミング指標が25→22位と上昇していますが、これは新曲「TRUE LOVE」の影響も大きいものと捉えています。

「カリスマックス」そして「TRUE LOVE」は11月5日にリリースされるニューアルバム『音故知新』に収録され、今週月曜には新曲「BOOST」も解禁されています(ミュージックビデオはこちら)。アルバムへの注目度を高めるべく収録曲を相次いで解禁しているとみられますが、「TRUE LOVE」のリリースが「カリスマックス」を刺激していることを踏まえれば、アルバム注目度を高めることにつながっているといえるかもしれません。

Snow Manにおいては今年リリースしたベストアルバム『THE BEST 2020 - 2025』が、デジタル解禁後好調に推移しています。ビルボードジャパンは今年度下半期以降アルバムチャートにリカレントルールを導入し、この作品においても9月17日公開分から適用対象となっているのですが、その初適用時にストリーミング指標は1→7位と推移。ともすれば「カリスマックス」のヒットが、下落幅の抑制に作用したのかもしれません。

(2025年度下半期の集計期間初週である6月4日公開分からビルボードジャパンアルバムチャートに導入されたリカレントルールは、Streaming Albumsチャート(未公表)をストリーミング指標へ採り入れる際、総合アルバムチャートに26週ランクインした作品に対し翌週以降減算処理を施すというもの。それによりロングヒット作品の順位は後退しています。)

 

 

アイドルやダンスボーカルグループはフィジカルセールスに長けている一方でデジタル、特にストリーミングが強くない中、Snow Manは『THE BEST 2020 - 2025』そして「カリスマックス」のデジタルヒットに伴い、(曲は気になるが歌手のファンというほどではない)ライト層、そしてコアファンにおいても彼らの作品をデジタルでチェックする習慣が身に付きつつあるといえるでしょう。

 

『THE BEST 2020 - 2025』の年間チャート動向も気になりますが、注目すべきは『音故知新』がフィジカルリリース時にデジタルも解禁するかということです。ベストアルバムはデジタル後発ゆえ、初登場以降の総合100位以内連続エントリーは4週にとどまっていました。STARTO ENTERTAINMENT所属歌手のデジタル後発施策は未だ多いと感じる中、Snow Manがデジタルヒットを踏まえてどう動くかを注視する必要があります。