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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「APT.」が首位、「ライラック」2位に復帰…ビルボードジャパンは社会的人気を反映している

最新12月25日公開分(集計期間:12月16~22日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週初の首位を獲得した乃木坂46「歩道橋」が49位に後退、ロゼ (ROSÉ) & ブルーノ・マーズ「APT.」が3週ぶり、通算4週目となる首位を獲得しています。

 

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」はポイント前週比92.3%を記録しています。

本楽曲は、前週と比べてストリーミングが96%、ラジオが44%と減少したものの、ダウンロードは101%、動画も微増。今週はダウンロード、ストリーミングで首位、動画2位、ラジオ20位、カラオケ42位となり、通算4度目の首位を獲得した。

ラジオ指標の急落は、クリスマス関連曲の上昇が影響。ラジオは季節を彩る曲がオンエアされやすい一方でオンエア数の上限が決まっており、当週および次週はクリスマス関連曲が占めることでそれ以外の曲が減る傾向にあります。上記CHART insightにてラジオ指標(黄緑)は急落していることが解ります(同指標4→20位)。

言い換えれば、その状況下でポイントのダウン幅を前週比1割弱に抑えられていることが「APT.」の強さです。特にカラオケ指標はこの3週で67→60→42位に上昇しており、洋楽曲としては極めて珍しい動きを示しています。レコード会社はこの好調を踏まえてか新たなポストを発信しており、「APT.」はこの指標でも引き続き強さを発揮するかもしれません。

 

そして2位にはMrs. GREEN APPLEライラック」がランクイン。同曲の2位以上到達は10月2日公開分(2位)以来2ヶ月半ぶりとなります。

この「ライラック」がポイント前週比104.6%を記録しているほか、「Soranji」(11位)が同108.8%、「ケセラセラ」(14位)が同102.3%、「familie」(22位)が同103.8%、「点描の唄 (feat. 井上苑子)」(24位)が同103.4%、「青と夏」(25位)が同102.5%、「ダンスホール」(27位)が同105.2%、「Magic」(44位)が同104.3%と、総合50位以内に入ったMrs. GREEN APPLEの多くの作品がポイントを伸ばしています。ラジオ指標においてクリスマス関連曲以外が不利になる状況にあって、この上昇は特筆すべきです。

ライラック」に話を戻すと、多くの構成指標が上昇。総合記事では『前週と比べてダウンロードが131%、ストリーミングが105%、動画が104%、カラオケが104%と軒並み増加』と記載されています。ダウンロードについてはテレビ出演やパフォーマンス効果が他指標より大きく反映される傾向にありますが、当週は『CDTVライブ!ライブ! クリスマスSP』(TBS 12月16日放送)の出演および披露も影響したといえるでしょう。

2024年11月以降の地上波長時間音楽特番については年明けに結果をまとめますが、上記掲載以降は『発表!今年イチバン聴いた歌』(日本テレビ 12月28日放送)や『CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル!2024→2025』(TBS 12月31日放送)への出演も発表され、Mrs. GREEN APPLEの出演番組は全歌手最高の9つに。加えて集計期間前週ですが『しゃべくり007』(日本テレビ 12月9日放送)の出演も影響しているかもしれません。

 

 

Mrs. GREEN APPLEライラック」の再浮上、そして年末に強さを発揮するロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」の首位返り咲きという2曲のロングヒットは、複合指標から成るビルボードジャパンソングチャートがきちんと社会の動きを反映したことの証明だと考えます。「APT.」はレコード会社側が、「ライラック」は歌手側がエンゲージメント確立の徹底も行っており、チャート施策を立案する際の参考となるはずです。