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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米津玄師「IRIS OUT」がビルボードジャパンで今年度初の週間2万ポイント超え…次週の伸びに注目

最新9月24日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:9月15~21日)では前週初登場で首位を獲得したHANA「BAD LOVE」が7位に後退し、米津玄師「IRIS OUT」が首位に初登場。同曲は今年度最多となる週間ポイントを獲得しています。

 

本作は、9月19日に公開された劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌。週間ストリーミング数が歴代4位、ソロアーティストとしては史上最多となる23,953,292再生でストリーミング1位、ダウンロードと動画でも1位、ラジオ4位でHot 100を制した。なお週間ポイントは21,892pt.で、今年度最多ポイントも記録した。

 

(中略)

 

◎2025年度 週間総合ポイント トップ3

1位 米津玄師「IRIS OUT」21,892pt.

2位 HANA「Blue Jeans」19,152pt.

3位 BE:FIRST「GRIT」16,398pt.

 

米津玄師「IRIS OUT」のCHART insightをみると、構成6指標のうちストリーミング(青で表示)によるポイント獲得分が最も多いことが解ります。この指標の基となるStreaming Songsチャートでも、「IRIS OUT」の強さが際立っています。

◎“Streaming Songs”歴代最多週間再生数ランキング

1位 「Butter」BTS(29,935,364回/2021年6月2日公開チャート)

2位 「アイドル」YOASOBI(25,860,696回/2023年5月17日公開チャート)

3位 「Bling-Bang-Bang-Born」Creepy Nuts(24,945,758回/2024年3月20日公開チャート)

4位 「IRIS OUT」米津玄師(23,953,292回/2025年9月24日公開チャート)

5位 「Subtitle」Official髭男dism(21,708,199回/2022年11月23日公開チャート)

 

Streaming Songsチャートで週間最多再生回数を記録したBTS「Butter」はLINE MUSIC再生キャンペーンの採用も大きく影響しています。他方、週間2000万回以上再生はその「Butter」が1週に対しCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」では9週、そしてYOASOBI「アイドル」では11週記録しています。米津玄師「IRIS OUT」が複数週で再生回数2000万回超えなるか、そして週間最多再生回数記録を更新するかに注目です。

(BTS「Butter」におけるLINE MUSIC再生キャンペーンについては音楽チャートに影響を与えるLINE MUSIC再生キャンペーン、その効果と問題をまとめる(2024年4月10日付)にて紹介しています。ビルボードジャパンはその後、LINE MUSIC再生キャンペーンによってStreaming Songsチャートを制した曲に限り、他のサブスクサービスとの乖離を踏まえて指標化時に減算処理を行うチャートポリシー(集計方法)を採用しています。)

 

そのストリーミング指標をはじめダウンロード、動画再生も制した米津玄師「IRIS OUT」は、当週の獲得ポイントが今年度週間最高を記録しています。注目は構成指標の中で最もスタートダッシュしにくいカラオケが100位未満ながらも300位以内に入り加点されている点。ここからは同曲がリリース前から高い注目度を集めていたことが見て取れ、弊ブログでお伝えした”渇望を作ること”や”発信の徹底”が影響したと考えていいでしょう。

 

 

米津玄師「IRIS OUT」が次週フィジカルセールス指標初加算に伴い、ポイントをどこまで伸ばすかに注目です。フィジカルシングルは一昨日が祝日だった関係で月曜から購入できたこともあり、デイリーランキングを可視化しているオリコンのデータからは週間20万枚を上回る可能性がみえています(なおビルボードジャパンによる水曜までの速報値は本日発表予定)。加えて、先述したカラオケ指標の伸びも予想されます。

そしてストリーミングにおいても、次週10月1日公開分の集計期間が平日4日間となることから再生回数の増加が期待されます。現に、米津玄師「IRIS OUT」は最新9月23日付日本のSpotifyデイリーチャートでデイリー最高再生回数記録を自ら更新。前日にリスニングパーティーを開催したこともあり伸び率は高くなかったものの、次週はビルボードジャパンStreaming SongsチャートでBTS「Butter」に挑みます。

 

好材料が揃ったことで、米津玄師「IRIS OUT」はルックアップおよびTwitter指標が廃止され構成指標が8→6となった2023年度以降のビルボードジャパンソングチャートで最多ポイントを獲得するかもしれません。期間内での最高記録は2023年6月28日公開分におけるYOASOBI「アイドル」の24,359ポイントであり、こちらもフィジカルセールス初加算のタイミングで達成しています(週間首位曲表(上記)参照)。

2023年度以降のビルボードジャパンソングチャートにおいて複数週に渡り週間2万ポイント超えを果たしたのはYOASOBI「アイドル」(2023 9週)そしてCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」(2024 3週)のみ。米津玄師「IRIS OUT」が次週も2万ポイントを上回り特大ヒットの仲間入りを果たすか、注目です。