イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) RADWIMPSトリビュートアルバム『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』、そのストリーミングの強さをまとめる

(※追記(11月21日11時32分):当初『朝の連続テレビ小説『おむすび』主題歌に「賜物」を提供した』と記しましたが、正しくは『朝の連続テレビ小説『あんぱん』主題歌に「賜物」を提供した』でした。つきましては訂正を実施しています。心よりお詫び申し上げます。)

 

 

 

RADWIMPSのトリビュートアルバム『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』の収録曲が、主要ストリーミングサービスを席巻しています。

参加歌手の豪華さもさることながら、その参加歌手を日々発表していったことが期待感を高め、オリジナルバージョンのストリーミング人気につながったことについては、最新11月19日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートからみえてきます。

そのほか、アルバム『あにゅー』で8位を獲得したRADWIMPSは、『RADWIMPSのはじまりはじまりのまとめ』や『青とメメメと君と』など、5作品のアルバムが順位を上げた。11月19日にリリースされた、トリビュートアルバム『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』に上白石萌音SEKAI NO OWARI、米津玄師、iri、ずっと真夜中でいいのに。、My Hair is Bad宮本浩次DISH//Mrs. GREEN APPLE、ヨルシカ、YOASOBI、Vaundy、ハナレグミ、角野隼斗が参加しており話題となっている。

そしてアルバムへの期待値は、リリース日の急上昇につながっています。

 

まずはLINE MUSIC、およびApple Musicについて。

 

そしてSpotifyでも同様の記録が生まれています。日本の動向については筆者がXで日々で発信しており、そのポストを貼付します。

日本のSpotifyデイリーチャートでは、前日となる11月18日付にて『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』収録の12曲がいわばフラゲ的な形で初登場を果たしていました。日本におけるSpotifyデイリーチャートの区切りが午前9時とみられるためであり、初の24時間フル加算となった翌11月19日付にて一気に上昇した形です。

そしてこの上昇に伴い、11月19日付では『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』収録の13曲が50位以内にランクイン。これにより、日本のSpotify独特の特性である"50位の壁"効果がもたらされ、翌日以降再生回数が更に上昇する可能性も考えられます。この特性については以前このブログにて紹介しています。

 

トリビュートアルバム登場に伴い、RADWIMPS自身の曲も上位に。日本の11月19日付Spotifyデイリーチャートで200位以内に入った8曲のうち「me me she」以外はいずれもアルバムで採り上げられた作品となっていることから、トリビュートアルバムを機にオリジナルバージョンを聴く(聴き比べる)方の多さが見て取れます。冒頭で紹介したビルボードジャパンアルバムチャートから見て取れる"予習"行動にも納得できるはずです。

 

さらには、『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』の勢いがストリーミングサービスの活性化につながるといえそうです。

主要サブスクサービスではApple Musicが(他の2つに比べて)バランス型、Spotifyは"50位の壁"特性もあり新曲が上位進出しにくい(51位でとどまる曲も少なくない)傾向にあります。そしてLINE MUSICは再生キャンペーン採用曲の上位進出が目立ち、その曲が上位で入れ替わることが少なくありません。それら主要3サービスがいずれも『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』収録曲で席巻されている状況は、特筆すべきといえます。

LINE MUSICのさらなる特徴として、他のサブスクサービスよりも若年層が主体である可能性が挙げられるのですが、RADWIMPSがヒットを放ち続けていることや、今の世代の歌手にもRADWIMPSの影響が色濃く反映されていることが、LINE MUSICデイリーチャートにも表れているといえるでしょう。またRADWIMPSを聴いて育った世代がトリビュートアルバムのリリースを機にサブスクサービスを使い始めた可能性も考えられます。

 

 

今後の注目点は2つ。ひとつは『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』がビルボードジャパンアルバムチャートを制るか、です。フィジカルセールスではNiziU『New Emotion』が勝っていますが、ストリーミング指標の強さに伴いトリビュートアルバムが逆転する可能性は十分考えられます。この点は本日付の別エントリーでも紹介しています。

そしてもうひとつは、RADWIMPSが『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)に出演を果たすかということ。朝の連続テレビ小説『あんぱん』主題歌に「賜物」を提供したこと、ニューアルバム『あにゅー』をリリースしたこと、そしてメジャーデビュー20周年を迎えたならば尚の事、この祝祭といえるトリビュートアルバムの勢いも後押しするのではないでしょうか。白組が3組少ない現状からも、期待していいのかもしれません。

 

 

最後に私見を記すならば、トリビュートアルバムがここまで人気を博している状況はあまり記憶にありません。歌手のみならず、リスナーが年代に関係なくRADWIMPSに影響を受けているだろうということを、今回強く実感した次第です。