(※追記(3月19日17時58分):タイトルに誤りがありました。つきましては、『Global 200から日本の楽曲が再び姿を消したこと、およびランクインの基準値がみえてきたについて』を『Global 200から日本の楽曲が再び姿を消したこと、およびランクインの基準値がみえてきたことについて』に変更しています。)
米ビルボードによる3月22日付Global 200では、200位以内から日本の楽曲が再び姿を消しています。
3月22日付 #Global200 における日本の楽曲の動向。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年3月18日
(集計期間:2025年3月7~13日)https://t.co/2o356hLxPF
200位以内に日本の楽曲はランクインしていません。
前週132位の #timelesz「#RockthisParty」は200位圏外に後退しています。
米ビルボードのグローバルチャート(#Global200 および Global 200から米の分を除いた #GlobalExclUS)については、ブログ #イマオト にて解説しています。https://t.co/WBkj49nD5I
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年3月18日
なおGlobal Excl. U.S.は米ビルボード有料会員のみ閲覧可能のため、10位未満は紹介できません。ご了承ください。
Global 200の創設以降ランクインを続けていた日本の楽曲は、昨夏はじめて姿を消します。その後2024年度最終週にCreepy Nuts「オトノケ」が登場すると、前週まで再びランクインを続けていました。
<Global 200における日本の楽曲ランクイン状況> (※ 2025年3月22日付時点まで)
この変遷については以前、日本の楽曲がGlobal 200に登場しなくなったタイミング、また復活した際に紹介。前者では現状と改善提案についてまとめ、また後者では次のように記しています。
Global 200においてはストリーミングに強いアルバムが初登場したタイミングにて収録曲が大挙200位以内にランクインする傾向がありますが、そのようなイレギュラーを除けば200位の数値はそこまで大きく変化しないと考えます。ある程度の基準がみえてきたならばその基準超え、すなわちGlobal 200のランクインを目指し、海外そして国内で確実に再生回数を獲得すべく施策を打つ等が必要でしょう。
実は、最新3月22日付Global 200にて、ひとつの基準値がみえています。
また「Anxiety」および「A N X I E T Y」は、2012年に8週首位を獲得し同年度の年間チャートを制覇、また最優秀レコード賞を含む2つのグラミー賞を受賞したゴティエ feat. キンブラ「Somebody That I Used To Know」をサンプリングしていますが、この「Somebody That I Used To Know」がGlobal 200で191→130位に上昇。ストリーミングは前週比20%アップの1650万、ダウンロードは同27%アップの1,000を記録しています。
ドーチ「Anxiety」およびスリーピー・ハロウ feat. ドーチ名義での「A N X I E T Y」(上昇の要因については上記エントリー参照)がサンプリングしているゴティエ feat. キンブラ「Somebody That I Used To Know」が、最新のGlobal 200で130位に上昇。その130位における数値がストリーミング1650万およびダウンロード1,000であることが、米ビルボードの記事にて可視化された形です。
グローバルチャートは米ソングチャート同様、ストリーミングに動画再生指標が加わります。またグローバルで展開するデジタルプラットフォーム(Spotify、Apple Music、iTunes Store等)が加算対象となり、たとえば日本のLINE MUSICは対象外となります。日本は海外よりダウンロードが大きいながらも所有指標は一過性の側面が強いことから、日本の楽曲はランクインしても瞬間的に成ることが目立つと感じています。
日本の楽曲がGlobal 200でのランクインを目指すならばダウンロードの大きさも重要ながら、やはりストリーミングの上位安定が欠かせません。海外人気を高めることが重要ですが、日本市場分だけでランクインを目指すならば1週間に1千数百万回聴かれることがひとつの目安となるでしょう。
(なお日本で1千万回再生を超える曲もありますがGlobal 200加算対象/対象外のプラットフォームを考慮し、基準値を高く記しています。)
さて、MUSIC AWARDS JAPANは各部門のノミネート対象となるエントリー作品を先週発表していますが、主要6部門の中には世界でヒットした国内楽曲を称えるTop Global Hit From Japanが存在します。
エントリー作品規定
ルミネイト他が集計するグローバルの視聴データ(ストリーミング、ダウンロード、MV)から日本の楽曲を抽出し、日本での視聴数を除いて作成したグローバルチャート上位100曲をエントリー作品とする。
Top Global Hit From Japan部門のノミネート対象となるエントリー作品は各サブスクサービスにてプレイリスト化されていますが、その100曲の中に男性アイドル/ダンスボーカルグループの作品は含まれていません。
Global 200ではSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手の作品が4曲ランクイン、またNumber_i「GOAT」も登場していますが、いずれもランクインは1週にとどまっています。MUSIC AWARDS JAPANのTop Global Hit From Japan部門におけるエントリー状況も踏まえれば、男性アイドル/ダンスボーカルグループの作品は海外への波及が大きくなく、ダウンロードが強い一方でストリーミングが課題といえるでしょう。
timelesz「Rock this Party」が前週Global 200に入ったこともあり、今回は男性アイドル/ダンスボーカルグループへの言及が多くなりました。しかし、Global 200を基に日本市場分を除いた上で日本の楽曲を抽出するGlobal Japan Songs Excl. Japanでは首位曲のストリーミング指標が全体的に減少していることから、日本の楽曲全体の存在感を高めることが何より急務だと考えます。新設される音楽賞がその役割を担うことを願います。
(上記表における日付はGlobal 200をベースとしています。Global Japan Songs Excl. Japanの公開日とは異なりますが集計期間は同一のため、基となるGlobal 200の日付に合わせています。)