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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

King & Prince「HEART」が首位初登場…初動の大きさにつながった3組のライバル(仲間)について

最新3月19日公開分(集計期間:3月10~16日)のビルボードジャパンソングチャートは前週首位に立ったTravis Japan「Say I do」が37位に後退。King & Prince「HEART」が首位初登場を果たしています。

本作はドラマ『御曹司に恋はムズすぎる』のエンディング曲。King & Princeの16thシングルとして発売され、前作を上回る初週329,809枚を売り上げセールス首位、ダウンロードも首位(30,920DL)、ストリーミング14位(4,288,922再生)、ラジオ23位、動画3位を獲得した。

「HEART」はフィジカルセールスのみならず、総合ポイントにおいても前作「halfmoon」を上回っています(「halfmoon」は2024年5月29日公開分にて12,086ポイントを記録したのに対し「HEART」は13,940ポイントを記録)。

今作の動向には、3組のライバルが影響しているのではと捉えています。

 

 

King & Prince「HEART」におけるライバル、その一組目はSKE48です。

King & Prince「HEART」とSKE48「Tick tack zack」はフィジカルが同日リリース。当週の集計期間前半3日分におけるフィジカルセールスは「HEART」が269,312枚に対し「Tick tack zack」が270,412枚となっていましたが、最終的には前者が329,809枚、後者が288,724枚となり「HEART」が逆転した形です。

実はオリコンデイリーランキングでは「HEART」が「Tick tack zack」に首位の座を譲らなかったものの、ビルボードジャパンのフィジカルセールス速報や追いつかれる可能性を踏まえてコアファンが結束した可能性も考えられます。

デジタルでは「HEART」が「Tick tack zack」を圧倒していますが、特にアイドルグループにおいてはフィジカルセールス(の順位)が大きな意味を持つことをあらためて実感しています。

 

King & Prince「HEART」におけるライバルですが、残り二組はライバルというよりも切磋琢磨する仲間的な位置付けとして挙げてみます。まずはtimeleszです。

timelesz「Rock this Party」は総合ソングチャートで5→9→13位と推移。ダウン幅が小さくないことは気になるものの、次週は二度の音楽番組出演、およびミュージックビデオ公開に伴い勢いが盛り返すことも考えられます。加えてSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手作品で複数週トップ20入りする曲は多くないこともあり、新体制でのヒット輩出は大きな注目といえます。

King & Princeは今回の集計期間中にデジタル解禁した「HEART」を含む3曲にて、米津玄師さんに次いで二組目となるダウンロード指標トップ3独占を果たしています。フィジカルとデジタル双方を購入した方もいらっしゃるかもしれませんが、直近におけるtimelesz「Rock this Party」の好調がコアファンのデジタル意識を高めたのかもしれません。

 

King & Prince「HEART」におけるライバル(切磋琢磨する仲間)、最後の一組はNumber_iではないでしょうか。特にコアファンのチャート意識の高さに伴うNumber_iの好アクションが、King & Prince「HEART」でもみられているのではと捉えています。

(上記は前週のトップ10初登場曲が真のヒット曲に成るか、CHART insightから読む (2025年2月12日公開分)(2月15日付)より。)

Number_iはデジタルシングル4曲(「GOAT」「BON」「INZM」および「GOD_i」)がいずれも初登場時に1万4千強のポイントを獲得。King & Prince「HEART」はフィジカルセールス指標込での記録ですが、初動の高さは先述したダウンロードのみならず、ストリーミング指標14位という結果からもみえてきます。初動におけるストリーミングのトップ20入りは、Number_iによる4曲と同等の記録です。

(上記ストリーミング表は毎週土曜に公開するCHART insightからヒットを読む カテゴリーのブログエントリーで掲載しています。当週新たにトップ10入りした曲については来週土曜のエントリーにて翌週動向を確認します。)

その「HEART」では、Number_iが徹底している月曜デジタル解禁を実施しています。

月曜解禁は音楽チャートでの上位進出をきちんと意識しているからこその施策でしょう。昨年以降チャートを賑わせるNumber_iと切磋琢磨しようとするKing & Princeの姿勢がみえてくるようです。

 

 

無論大事なのはロングヒットや年間単位でのチャートインであり、次週以降の動向を注視する必要がありますが、今回のKing & Prince「HEART」における初動の大きさからは3組のライバル(切磋琢磨する仲間)の存在を想起した次第です。