イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

SixTONES、“現時点でCD収録予定のない"「PARTY PEOPLE」を突如解禁…その目的と今後の注目点は

先週金曜の夕方、SixTONES側が突如ツイートを連投しました。

この後6枚の写真が17時05分以降10分おきに連投。ちょうどこの日、カルヴィン・ハリスのニューアルバムがリリースされたばかりであり、写真の雰囲気からカルヴィンっぽさを個人的には感じていたのですが、ツイート群の正体は新曲の解禁告知でした。

SixTONESは公式YouTubeチャンネルに「PARTY PEOPLE」をドロップ。8月5日金曜22時解禁のこの曲は、"現時点でCD収録予定のない新曲"と謳われています。

しかも「PARTY PEOPLE」の動画には、ショートバージョンを意味する"YouTube ver."の文言がありません。直近のフィジカルシングル「わたし」はYouTube ver.として4分強の尺をエディットしていたゆえ、「PARTY PEOPLE」はフルバージョンだと考えられます。

この「PARTY PEOPLE」のリリースが、憶測を呼んでいます。

 

"CD収録予定のない"ということは、メンバーからの動画コメントでも紹介されています。

この動画の最後に、田中樹さんが"何度も何度もYouTubeのほうで「PARTY PEOPLE」チェックしてね"と呼びかけています。先程引用したツイートでも"たくさん見て聴いて夏を楽しみましょう!"と記載されています。

Twitterでは「PARTY PEOPLE」の公開およびCD収録予定のないことについて、サブスク解禁を認めないジャニーズ事務所に対抗した歌手やレコード会社のサプライズという構図に捉えている方が散見されます。たしかにその可能性もあるかもしれません。

SixTONESはTHE FIRST TAKEに、サブスク未解禁歌手では珍しく出演しています。このチャンネルは海外からのアクセス数も多くサブスク解禁が出演条件となっているものと考えていたゆえ、SixTONESの出演は異例と言えました。しかしTHE FIRST TAKE側が出演に至らせたのは、近いうちにサブスク解禁することを考慮したためかもしれません。ならば、未だサブスク解禁に懐疑的な事務所に業を煮やすという仮定はあり得るでしょう。

PARTY PEOPLE」の紹介文が全世界に向けて(日本語ですが)発信されていることも、THE FIRST TAKEで知った方向けと捉えることが可能。さらに解禁が金曜だったこと自体、世界の新曲解禁日やそれに即して世界の音楽チャートが金曜起点となっていることを意識してのものかもしれません。

(とはいえ、次のフィジカルリリースが秋以降ゆえにサマーチューンの「PARTY PEOPLE」を発表するタイミングを逃しかねず、YouTubeで先行解禁した可能性もありそうです。)

 

 

PARTY PEOPLE」の動画公開が仮にサブスク等デジタル解禁につなげるためのものならば、明々後日に発表されるビルボードジャパンソングスチャートの動向がひとつの鍵になるかもしれません。動画人気は音楽チャートで可視化されます。

先週金曜のブログエントリーでは最新8月3日公開分(8月8日付)ソングスチャートにおけるジャニーズ事務所所属歌手の、ビルボードジャパンソングスチャートの構成指標である動画再生の特筆すべき動向をお伝えしました(上記リンク先参照)。この指標は元々SixTONESをはじめとする2010年代後半以降デビュー組が強いゆえ、「PARTY PEOPLE」がどの位置に登場するかに注目です。そして動画人気は他指標にも波及する可能性が。

SixTONESが昨年リリースしたフィジカルシングル「マスカラ」は、ビルボードジャパンソングスチャートでストリーミングが加点されています(2021年7月28日公開分(8月2日付)で300位圏内に登場)。この指標はサブスク再生回数のほかにYouTube Musicのバックグラウンド再生も含まれており、動画をサブスク的にチェックした方が多いとサブスク未解禁曲でも加点対象となるのです。

 

動画再生上昇に大きく波及するのがTikTokですが、SixTONESはそのTikTokにも「PARTY PEOPLE」の音源を配信しています。

さらにSixTONESはダンスレクチャー動画をTwitterでアップしたほか、TikTokYouTubeショートではメンバー毎のダンス動画も公開を開始。そして今週金曜には夏の夜に合うSixTONESの曲をまとめたミックス音源をYouTubeで生配信する予定であり、動画公開に注力していることが解るのです。

 

 

SixTONESPARTY PEOPLE」の動画が話題となれば、動画再生指標の上位進出は勿論のこと、YouTube Musicのバックグラウンド再生のみでストリーミング指標も獲得し、特筆すべきチャートアクションを起こせるかもしれません。そうなれば、"仮にダウンロードやサブスクを解禁していればより大きなバズを起こせたのでは"という意識が、解禁に懐疑的な方の間で高まっていくのではないでしょうか。

更にこのイベントを楽しむための特別施策も計画中!

リスニングパーティの紹介文に、"施策"という言葉が用いられていることにも注目。SixTONES側は「PARTY PEOPLE」に関する一連のサプライズについて、何かしらの目的を伴っているのではないかと個人的には感じています。

PARTY PEOPLE」の数週間のチャート動向、注視する必要があります。