イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週トップ10初登場曲の当週動向、そしてONE N' ONLY「WARAiNA」におけるストリーミングの”断絶”について

一昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。

ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標ばかりが強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。

この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで毎週半数が入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれます。ロングヒット曲ではライト層の支持を大きく反映するストリーミングが強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、ロングヒットするか否かを1週分のチャートのみで判断することは難しいといえるかもしれません。

このブログではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、”前週トップ10初登場曲の最新動向”エントリーを掲載する理由です。

 

 

<5月13日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

・Snow Man「BANG!!」

 5月6日公開分 2位→5月13日公開分 1位

・ONE N' ONLY「WARAiNA」

 5月6日公開分 3位→5月13日公開分 26位

・SHOW-WA & MATSURI「ジューンブライド」

 5月6日公開分 5位→5月13日公開分 100位未満

・M!LK「アイドルパワー」

 5月6日公開分 6位→5月13日公開分 4位

 

また、前週トップ10内に再浮上した作品の当週動向はこちら。

・Number_i「3XL」

 5月6日公開分 1位→5月13日公開分 16位

 

当週のストリーミング表はこちら。

 

前週の2位から首位に至ったSnow Man「BANG!!」については、木曜付エントリーにて紹介しています。フィジカルセールス→デジタル解禁という2週連続の山(ピーク作り)が主に影響した形であり、次週の動向を注視する必要があります。

一方で、前週フィジカルセールス指標初加算に伴い首位に返り咲いたNumber_i「3XL」は当週16位に後退。ビルボードジャパンソングチャートで第2四半期に首位を獲得した曲のうち、嵐「Five」を除くすべての曲が首位獲得の翌週にトップ10圏外へ後退したことになります。

 

 

さて今回注目したのは、ONE N' ONLY「WARAiNA」の動向。同曲は3→26位に後退していますが、気になるのがストリーミング指標の”断絶”です。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

ONE N' ONLY「WARAiNA」ではロングヒットの要たるストリーミング指標が前週の50位から300位未満へ急落。当週はフィジカルセールス指標のみ(売上枚数28,794枚)で総合26位に就けた形ですが、ストリーミング指標の断絶と呼べる状況は先日紹介した坂道シリーズ(坂道グループ)による直近のフィジカルシングル表題曲を想起させます。

他方、同じくONE N' ONLYによる「Samba de Night Fever」が当週総合67位に初登場を果たしていますが、同曲はストリーミング指標のみでこの位置に入っています。

 

2曲の動向には、LINE MUSIC再生キャンペーンが大きく関わっています。

ONE N' ONLYは5月8日まで、「WARAiNA」にてLINE MUSIC再生キャンペーンを実施。再生回数のハードルを9,999回に設定していること等についてはNumber_i、Snow Man等フィジカルセールス初加算4曲が総合5位までに登場…各曲の指標構成からみえてくること(5月7日付)で紹介していますが、その企画と被せる形でフィジカルシングルカップリング曲「Samba de Night Fever」の再生キャンペーンを、4月29日から始めています。

画像

(画像はONE N' ONLY公式Xアカウントより(ポストはこちら)。)

「Samba de Night Fever」のLINE MUSIC再生キャンペーンにおいても、再生回数ハードルが9,999回に設定されています。しかしながらフィジカルリリース日を含み、5月3日までを集計期間とする5月6日公開分ビルボードジャパンソングチャートではストリーミングのみならず他指標も300位以内に入っていません。

 

LINE MUSIC再生キャンペーンの対象期間が被っている(「WARAiNA」は5月8日まで、「Samba de Night Fever」は4月29日から)ならば、5月4~10日を集計期間とする5月13日公開分のソングチャートで「WARAiNA」のストリーミング指標が加点されてもおかしくないのですが、再生回数ハードルの高さに伴い気軽に参加する方が少ないだろうこと、また既にハードルをクリアした方が抜けたことが影響しているといえるでしょう。

同時に、4月27日~5月3日を集計期間とする5月6日公開分にて「Samba de Night Fever」のストリーミング指標が加点されなかったのは、「WARAiNA」の再生回数ハードルをクリアしていなかった(ゆえに「WARAiNA」の再生を優先した)方が多かったためと推察されます。またダウンロードや公式オーディオ動画も解禁されながら、ダウンロードや動画再生指標が加点されていないのは企画以外での行動が少ないことを指すといえます。

 

 

ONE N' ONLYにおいては、「WARAiNA」がフィジカルセールスを保てなければ、そして「Samba de Night Fever」がLINE MUSIC再生キャンペーン終了時までにライト層等の支持を得られなければ、その後の急落は免れないでしょう。先程掲載したストリーミング表からはLINE MUSICと他のサブスクサービスとで大きな乖離の発生が確認可能であり、この点を解消すればヒットの段階は前進するものと考えます。