一昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標ばかりが強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで毎週半数が入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれます。ロングヒット曲ではライト層の支持を大きく反映するストリーミングが強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、ロングヒットするか否かを1週分のチャートのみで判断することは難しいといえるかもしれません。
このブログではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、”前週トップ10初登場曲の最新動向”エントリーを掲載する理由です。
<4月29日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・INI「All 4 U」
4月29日公開分 1位→5月6日公開分 46位
・CANDY TUNE「HAPPY BOUNCE BIRTHDAY」
4月29日公開分 3位→5月6日公開分 84位
・Official髭男dism「スターダスト」
4月29日公開分 7位→5月6日公開分 15位
・22/7「二つの道」
4月29日公開分 8位→5月6日公開分 100位未満
また、前週トップ10内に再浮上した作品の当週動向はこちら。
・Mrs. GREEN APPLE「lulu.」
4月29日公開分 10位→5月6日公開分 10位


当週のストリーミング表はこちら。



前週初めてトップ10入りした4曲はいずれも、そのタイミングでフィジカルセールス指標が初めて加算されています。しかしながらこの指標は加算2週目に急落する傾向が大きいため、その分を他指標でカバーできるかがロングヒットするかどうかのひとつの判断基準といえるでしょう。
4曲のうち当週最も高い位置にとどまったOfficial髭男dism「スターダスト」(7→15位)はフィジカルセールスが14,027→1,846枚と推移した一方でポイント前週比57.6%を記録。一方で前週総合首位を獲得したINI「All 4 U」はフィジカルセールスが725,113→8,276枚、ポイント前週比は11.5%となり、当週は46位に後退しています。

ビルボードジャパンソングチャートでは第2四半期に入り、フィジカルセールスに強い(フィジカル未リリースの場合はダウンロードが強い)アイドルやダンスボーカルグループの作品が交代で首位に立つも、嵐「Five」を除き翌週にはトップ10未満へ後退しています。2週前の首位曲であるTravis Japan「陰ニモ日向ニモ」は翌週50位未満となりポイント前週比は不明ながら、INI「All 4 U」と似た数値になったものと考えます。
第2四半期におけるソングチャート首位獲得曲の翌週動向には、ストリーミングや動画再生といった接触指標群が大きく関わるものと捉えています。これまでの首位曲における翌週動向については毎週土曜公開のエントリーをご参照いただきたいのですが、INI「All 4 U」はストリーミングが75位→100位未満、そして動画再生は100位未満→300位未満へ後退しており、後者では当週ポイントを獲得することができませんでした。
また、フィジカルセールス指標初加算時に接触指標群が前週から順位を落とすという傾向もみられます。先述した「All 4 U」はフィジカルセールス初加算の前週、動画再生が41位に達していました。コアファンがフィジカル同梱の映像盤に視聴先を移行する(映像盤にミュージックビデオが収録されていない場合もありますが)、一方でライト層やグレーゾーンがついてきていないことで、このような現象が生まれるのかもしれません。
コアファンのデジタルに対する意識拡大や注力も必要ながら、ライト層やグレーゾーンを如何に惹き付けるか、それを歌手側が考えることが重要でしょう。音楽チャート対策と言われればそれまでですが、ライト層やグレーゾーンは未来のコアファン候補となり得るため、やはりきちんと対策を行うことが大事だというのが自分の見方です。







