イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

=LOVE「劇薬中毒」およびSTARGLOW「USOTSUKI」、最新チャート上位2曲の動向を分析する

4月8日公開分のビルボードジャパンソングチャート(集計期間:3月30日~4月5日)では、前週初登場で首位に立ったKing & Prince「Waltz for Lily」が15位へ後退。=LOVE「劇薬中毒」がフィジカルセールス初加算に伴い首位を獲得、同じくフィジカルセールス初加算に伴いSTARGLOW「USOTSUKI」が2位初登場を果たしています。

 

 

=LOVE「劇薬中毒」について、ビルボードジャパンは総合ソングチャートの記事にて『2月17日に先行配信され、2月25日公開チャートで総合20位に初登場。そして4月1日にCDが発売されると、自己最多となる初週417,068枚を売り上げて首位を獲得した。その他、ダウンロード43位、ストリーミング34位、動画30位で総合首位に』と紹介しています(『』内は冒頭にて掲載した記事より)。

「劇薬中毒」ではLINE MUSIC再生キャンペーンが採用されたことで、ストリーミング指標10位および総合20位初登場の原動力となっています。この企画に伴いLINE MUSICで強さを発揮した同曲ですが、たとえばApple Musicでもヒットしていることについてはこのブログで毎週土曜に掲載するストリーミング表から見て取れます(下記は最新4月8日公開分に即した表となります)。

 

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

=LOVE「劇薬中毒」のCHART insightをみると、ストリーミング(青で表示)や動画再生(赤)といった接触指標群、さらにはダウンロード(紫)も当週上昇していることが解ります。この点からは=LOVEにおいて音楽チャートへの強い意識を持つファンダムの存在が考えられると共に、カラオケ(緑)の300位以内登場にも注目です。

=LOVEは「とくべチュ、して」(最高4位)が丸1年以上、「ラブソングに襲われる」(同4位)も半年以上ランクインし、ライト層からの支持も見て取れます。この2曲に続くフィジカルシングル表題作品の「劇薬中毒」がロングヒットに至れば、=LOVEの人気が不動のものに成ったといえそうです。他方、フィジカルセールス指標初加算時の勢いをさらに高めるには当週まで未加点のラジオ指標について意識する必要があるでしょう。

 

 

そのラジオ指標で強さを発揮しているのが、当週2位初登場のSTARGLOW「USOTSUKI」です。ビルボードジャパンでは総合ソングチャートの記事(エントリー冒頭に掲載)にて『32,490枚を売り上げセールス3位、ダウンロード2位、ストリーミング61位、ラジオ1位、動画11位を記録』と紹介しています。

CHART insightの累計ポイント構成比ではフィジカルセールス(黄色で表示)が最大のシェアを誇る一方、ラジオ(黄緑)が全体の3割程度を占めていることに注目です。

プランテックのラジオオンエアチャートではSTARGLOW「USOTSUKI」がBTS「SWIM」の後塵を拝しています。「SWIM」は調査対象局の9割強でオンエアされた一方、STARGLOW「USOTSUKI」は8割強。後者では『オンエア総数の9割弱が関東エリアでのものと偏りが見られ』ています(【プレイリスト付き エアモニ】BTS ラジオ施策奏功し1位/STARGLOW 多数露出で2位/ラブネバ 潜在的な高注目か | Musicman(4月8日付)より)。

「SWIM」はオンエアチャートにて『2位以下を大きく離すダントツのオンエア数獲得』に至っているものの(『』内はプランテックの記事より)、ビルボードジャパンソングチャートのラジオ指標は各調査対象局の聴取可能人口等を加味して算出されるため、全国バランスよくオンエアされた「SWIM」を関東主体で流れた「USOTSUKI」が逆転したことになります。

 

ビルボードジャパンソングチャートのラジオ指標は、音源リリース週における男性アイドル/ダンスボーカルグループの強さが目立つ傾向にあります。ゲストやコメントでの出演、定期枠でのオンエア等、いわゆる施策の影響が大きく反映されるのですが、近年のこの指標ではBMSG所属歌手作品の強さが際立ちます。

2026年度のビルボードジャパンソングチャート、ラジオ指標週間トップ20の表を上記に。BMSG所属の男性ダンスボーカルグループによる曲を黄緑で表示していますが、STARGLOW「Star Wish」は主に2月のパワープレイに選ばれたことで6週連続20位以内に登場(「Star Wsih」全国38局のパワープレイに決定 | STARGLOW(2月1日付)参照)。またBE:FIRSTやMAZZELも1~2週に渡りランクインしています。

BMSG所属歌手作品はBE:FIRSTを筆頭に、音源リリース週のチャートアクション最大化を他の事務所よりも強く意識し、それが今の事務所の勢いにつながっているといえます。他方、たとえば2週前にラジオ指標、そして総合ソングチャートを制したBE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」は、その翌週にラジオ指標が17位、総合では12位に後退しています。

 

STARGLOWは「USOTSUKI」にて前作同様のパワープレイが行われる模様ではないため、当週61位だったストリーミング指標が高まらなければ次週は総合トップ10内から外れる可能性が考えられます。尤もこの”トップ10内からの後退”は、ストリーミング指標34位だった=LOVE「劇薬中毒」でも考えられることであり、ロングヒットに至るべく如何にライト層を惹きつけるかが今後の課題といえるでしょう。

 

 

最後に、2026年度ビルボードジャパンソングチャートにおける週間1位および2位獲得曲の一覧表を掲載します。

2月末以降はストリーミングにて週間1千万回再生を超える作品がほぼ無いこともあってか、上位は毎週のように入れ替わる傾向にあります。その状況下で、第2四半期に入り1位および2位獲得曲の翌週におけるトップ10内からの脱落が多いことを注視しています。

高セールスでの所有指標初加算に伴いキャリア初の首位を獲得、その後接触指標群のロングヒットやカラオケの上昇に伴い総合トップ5をキープするM!LK「爆裂愛してる」のチャートアクションが、アイドルやダンスボーカルグループにおける理想像といえるのではないでしょうか。