イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) M!LKのチャート動向から、「Kiss Plan」「テレパシー」等トンチキソング以外のニーズも確認できる件

(※追記(4月14日15時00分):M!LK「チラチLOVE」のCHART insightについて、Xにてその存在を教えていただきました(心より感謝申し上げます)。つきましては同曲のCHART insightを掲載し、文言を追加しています(編集含む)。)

 

 

 

昨日付エントリーでは2026年度におけるビルボードジャパンソングチャートの週間1~5位表を掲載。週間10万枚以上のフィジカルセールスを記録し総合5位までに登場した曲において、その2週後もトップ10内にランクインを続けているのがM!LK「爆裂愛してる」である旨を紹介しています。

M!LKの音楽チャート上でのヒットについては「爆裂愛してる」が2位キープ、「好きすぎて滅!」がカラオケ制覇…M!LKの強さをビルボードジャパンで確認する(3月13日付)参照)で紹介していますが、今回はそこから4週後の動向を押さえます。

 

 

最新4月8日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは、M!LKによる3曲が100位以内に登場。そのうち「爆裂愛してる」が3位、「好きすぎて滅!」が5位に入り、順に8週連続、16週連続(通算18週)トップ10入りを果たしています。なおダブルAサイドシングルとしてフィジカルリリースされた2曲ですが、フィジカルセールス指標は「爆裂愛してる」に加点されます(下記CHART insightにて同指標は黄色で表示)。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

 

2曲の勢いを支えているのは、何と言っても接触指標群の好調です。特に「爆裂愛してる」は、ストリーミング指標(CHART insightでは青で表示)が直近にて3連覇を達成。加えてカラオケ(緑)では同曲が最新4月8日公開分にて16位に上昇し、「好きすぎて滅!」においては初の首位獲得直後にレミオロメン「3月9日」に抜かれるも、その後3連覇を果たしています。

<ビルボードジャパンソングチャート カラオケ指標首位獲得曲>

 ※ 2020年4月15日~6月24日公開分は新型コロナウイルスの影響に伴い、カラオケ指標は集計を休止。

 

・米津玄師「Lemon」

  カラオケ指標制覇週:2018年12月5日~2019年11月6日公開分

・Official髭男dism「Pretender」

  カラオケ指標制覇週:2019年11月13日~2020年4月8日公開分

・LiSA「紅蓮華」

  カラオケ指標制覇週:2020年7月1日~7月15日、10月28日~11月18日公開分

・瑛人「香水」

  カラオケ指標制覇週:2020年7月22日~10月21日公開分

・LiSA「炎」

  カラオケ指標制覇週:2020年11月25日~2021年2月3日公開分

・優里「ドライフラワー」

  カラオケ指標制覇週:2021年2月10日~2022年8月31日、11月2日~12月21日、2023年1月4日、1月18日~3月1日公開分

・Ado「新時代 (ウタ from ONE PEACE FILM RED)」

  カラオケ指標制覇週:2022年9月7日~10月26日、2023年1月11日公開分

・back number「クリスマスソング」

  カラオケ指標制覇週:2022年12月28日、2023年12月27日、2024年12月25日~2025年1月1日、12月17日~12月31日公開分

・Vaundy「怪獣の花唄」

  カラオケ指標制覇週:2023年3月8日~5月24日、11月1日~12月20日、2024年1月3日~3月13日、6月26日~12月18日、2025年1月8日、5月28日~6月11日、9月24日~10月8日公開分

・YOASOBI「アイドル」

  カラオケ指標制覇週:2023年5月31日~10月25日公開分

・Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」

  カラオケ指標制覇週:2024年3月20日~6月19日公開分

・Mrs. GREEN APPLE「ライラック」

  カラオケ指標制覇週:2025年1月15日~5月21日、6月18日~9月17日公開分

・米津玄師「IRIS OUT」

  カラオケ指標制覇週:2025年10月15日~12月10日、2026年1月7日~3月4日公開分

・M!LK「好きすぎて滅!」

  カラオケ指標制覇週:2026年3月11日、3月25日~4月8日公開分

・レミオロメン「3月9日」

  カラオケ指標制覇週:2026年3月18日公開分

上記は(追記あり) M!LK「好きすぎて滅!」が仲間入り…ビルボードジャパンによるカラオケ指標を制した曲の特徴とは(3月15日付)掲載分を一部変更の上再掲したもの。新曲が最も上がりにくいこのカラオケ指標で「好きすぎて滅!」が首位獲得曲の仲間入りを果たし、さらに「爆裂愛してる」が上昇傾向にあるM!LKの勢いを、この一覧から理解できるのではないでしょうか。

 

「好きすぎて滅!」のヒットを経て、「イイじゃん」も再上昇を果たしています。

「イイじゃん」は2025年12月3日公開分で一度100位以内に返り咲くと、12月17日公開分以降ランクインを続けています。「好きすぎて滅!」の初登場時が同年11月5日公開分ゆえ、この曲が「イイじゃん」をフックアップしたことは間違いありません。「イイじゃん」は2025年2月26日公開分にて初登場した際の45位が以前の最高位でしたが、当時はLINE MUSIC再生キャンペーンに伴う上昇であり、企画終了後に後退していました。

LINE MUSIC再生キャンペーンは「爆裂愛してる」では採用されていない模様であり、M!LK(もっといえばM!LKが所属するEBiDAN(スターダストプロモーション所属の恵比寿学園男子部)が続けているこのキャンペーンを使用せずとも「爆裂愛してる」がストリーミングを制したという意義は大きいはずです。

 

そして、M!LKの人気はアルバムにも波及しています。

最新4月8日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは『Jewel』(2023)が17位、『M!Ⅹ』(2025)が25位に入り、共に100位以内復帰後における最高位を更新。2作品を牽引するのがストリーミング指標であることはCHART insightから解りますが、フィジカルセールスが加点を続けている点からは新たなコアファンの誕生が見て取れます。

 

これらの結果、M!LKは「爆裂愛してる」のソングチャート初登場を機に、ソングチャートとアルバムチャートを合算するビルボードジャパンのトップアーティストチャートにて8週連続トップ10入りを果たしています。

 

 

さらに今回、M!LKが更なる側面から”見つかっている”ことに注目しています。ソングチャートではいわゆるトンチキソングが上位にランクインしているM!LKですが、最新のソングチャートでは以下の2曲が、総合100位以内には達していないものの動画再生指標(CHART insightでは赤で表示)が複数週100位以内に登場。そしてその2曲は現在100位以内に登場している3曲とはテイストが異なるといえます。

動画再生指標が安定している2曲とは、フィジカルシングル表題曲にして大人の色気を放つ「Kiss Plan」(2024)、そして王道アイドルソングの「テレパシー」(2022)。前者は『M!Ⅹ』にも収録されている一方で後者はフィジカルシングル「STARS」の通常盤のみに収録されたカップリング曲ゆえ、見つかったといえるかもしれません。

この2曲の動画再生指標の上昇からは、これらのジャンルのM!LKにも注目してほしいというファンの意志、またヒット中の作品を機にM!LKに触れたライト層や新規ファンがいわば沼にハマったことが読み取れるのではないでしょうか。なお2曲共に複数の動画が展開され、「Kiss Plan」では(ショートにて)ソロダンス動画が、「テレパシー」はメンバー毎の推しカメラが用意されているのも興味深いところです。

 

「Kiss Plan」「テレパシー」共に、動画再生と同時にストリーミング指標が上昇しているわけではありません。M!LKにおいてはタイプの異なるトンチキソング(アイドルとK-POPのマッシュアップ的な「イイじゃん」、王道ジャニーズソング的「好きすぎて滅!」そしてハロプロらしさ全開の「爆裂愛してる」)に続く曲に注目が集まるとみられますが、この2曲がメディアで採り上げられればストリーミングも付いてくるのではと考えます。

またビルボードジャパンによる3月4日公開分のHot Shot Songsチャートでは、フィジカルシングル「アオノオト」(2025)通常盤カップリングに収録された「チラチLOVE」が12位に登場していました。同曲は”歌ってみた”や”踊ってみた”に代表されるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の人気を示すTop User Generated Songsチャートにて2月25日公開分で100位以内に登場し、翌週以降はストリーミング指標を加点し続けています。

Hot Shot Songsチャートはビルボードジャパン総合ソングチャートのうちダウンロード、ストリーミングおよび動画再生という3指標の合計ポイント増加順に並べ、“急上昇楽曲チャート”と位置付けられたもの。そこでの上位進出は、M!LKのアイドルソングが新たにみつかったことを意味しているといえます。

 

 

M!LKは着実に認知度を高め、ライト層からコアファンへの昇華も起きている中、いわゆるトンチキソング以外のジャンルも見つかりつつあることが解ります。新曲という形での次の一手にも注目が集まる中、リアクションの多い既発曲のメディア展開等にてM!LKの多面性を訴求し、更なるニーズを呼び起こすのも好いのではないでしょうか。