(※追記(11月15日5時38分):歌手名を誤って表記していました。当初"AiScream"と記していましたが、正しくは"AiScReam"です。訂正し、お詫び申し上げます。)
このブログはビルボードジャパンによる音楽チャートが社会的ヒットの鑑となってきていること、また『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と表記)がそのチャートを参考に出場歌手を選定しているだろうことを踏まえ、紅白出場歌手を予想するエントリーを掲載しています(リンクは後述)。その関連として今年も、スポーツ紙による(ゴシップ誌を除く)紅白内定記事をまとめています。
内定記事においては注意が必要ですが、一方で昨年の内定記事においてはその大半が当たっています(追記あり)『第75回NHK紅白歌合戦』に関する出場歌手内定記事をまとめる (随時更新)(2024年10月15日付)参照)。ゆえに今年も記事をまとめているのですが、今週登場した内容について興味深く感じています。
1月発売のデビュー曲「愛スクリ~ム!」が若者の間で流行しており同局関係者は「小学生にもよく知られている歌。第1部(前半)の出演で視聴率の底上げが期待される」と指摘した。
ヒットのきっかけは3月、曲間のせりふパートがSNSに投稿されたこと。「ルビィちゃ~ん」「は~い」「何が好き?」「チョコミントよりも あ・な・た」などと、メンバー3人によるキュートなコールアンドレスポンスが拡散され、人気に火が付いた。
『 『ラブライブ!』シリーズの期間限定ユニットであり、『ラブライブ!シリーズのオールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送)発のスペシャルユニットとして結成』され、『Aqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、Liella!から、黒澤ルビィ(CV:降幡愛)、上原歩夢(CV:大西亜玖璃)、若菜四季(CV:大熊和奏)の3名』で構成されるAiScReamによる「愛♡スクリ~ム!」は、主に若年層の間で人気を博しています(『』内はAiScReam「愛♡スクリ~ム!」バイラル首位獲得 『ラブライブ!』ファン以外にも伝わるキュートな魅力 - Real Sound|リアルサウンド(3月25日付)より。)

(Z総研「Z世代が選ぶ2025年上半期トレンドランキング」発表、“流行った曲”1位はM!LK「イイじゃん」 | Musicman(6月3日付)より。)
先述した記事では、「愛♡スクリ~ム!」がK-POP歌手の使用を機に拡散されたことを紹介しています。実際、この曲はビルボードジャパンによるGlobal Japan Songs Excl. Japan(米ビルボードのGlobal 200を基に日本市場分を除いた上で日本の楽曲のみ抽出したチャート)にて最高2位を記録。CHART insight(→こちら)をみれば、この曲が世界各地でまんべんなく支持を集めていることが解ります。

🟥第76回 #NHK紅白 ⬜️
— NHK紅白歌合戦 (@nhk_kouhaku) 2025年10月14日
今年のテーマは💭
「つなぐ、つながる、大みそか。」
1年を締めくくる特別な日
みんなが音楽で一つに🤝
テーマに込めた思い✍️https://t.co/kQsdSgjp2r
📺2025/12/31(水)午後7時20分~11時45分
📡NHK総合/BSP4K/BS8K/ラジオ第1
📱NHK ONE(新NHKプラス)で同時見逃し配信予定 pic.twitter.com/KtNAcVvuyc
今年の紅白が掲げるテーマから、様々な壁を超えつながりたいという思いがみえてきます。加えて、世界中に届けるという姿勢を踏まえれば、海外で実績を上げた日本の楽曲(を輩出した歌手)を選出することは自然でしょう。もちろん内定報道ゆえ注意は必要ですが、今回の記事に納得できるところは多いというのが私見です。
🍨テレビ出演情報🍨
— ラブライブ!シリーズ公式 (@LoveLive_staff) 2025年5月24日
5/24(土)23:00~ NHK「#Venue101」@nhk_venue101
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生放送はこの後すぐ!
「愛♡スクリ~ム!」を生放送でTV初披露🎉
\#AiScReam #何が好き を付けて
ぜひ感想やを投稿してください❕
楽曲はこちら⏬https://t.co/4aOc6Uk6aj
番組公式HP⏬https://t.co/SjSSTXkIPU… pic.twitter.com/qRO0Ve91sI
ちなみにAiScReam「愛♡スクリ~ム!」は、『Venue101』(NHK総合 5月24日放送回)がテレビ初披露の場となっています。NHKがいち早くAiScReamを招聘したことも注目すべきといえるでしょう。
他方、AiScReam「愛♡スクリ~ム!」はビルボードジャパンソングチャートにてヒットが可視化されているとはいえません。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
ビルボードジャパンソングチャートにてロングヒットの要となるストリーミング指標(CHART insightでは青で表示)は通算4週の加点に留まり、週間100位以内には入っていません。そのこともあり、「愛♡スクリ~ム!」は総合100位以内にもランクインしていない状況です。CHART insightは構成指標等がひとつでも300位以内に入れば表示され続けるのですが、「愛♡スクリ~ム!」においては6月4日公開分が最終表示となっています。

そして、ソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャートでは、5月14日公開分における99位がAiScReamにおける最高位(且つ総合100位以内唯一のランクイン)に。上記CHART insightは直近10月15日公開分までが表示され、またストリーミングや動画再生(赤)等が100位以内に入っていることは確認できるものの、これら接触指標群が週間50位以内に入ったことはありません。
『ビルボードジャパンによる音楽チャートが社会的ヒットの鑑となってきている』と冒頭にて記しましたが、ビルボードジャパンの国内向けチャートではAiScReam「愛♡スクリ~ム!」の流行が可視化されているとは言い難いというのが自分の見方です。
ビルボードジャパンは動画再生指標にYouTubeのショート動画を含めていません。また公式ではなくその曲を使用したユーザーの動画(UGC)は除外されます。一部箇所のみ表示した公式の短尺動画がよく観られているとして、しかし”フルで聴かれているわけではない”ということがビルボードジャパン側のチャート設計にそぐわず除外されているのかもしれませんが、この点は適宜見直しが必要ではないかと考えます。
今月公開した紅白出場歌手予想1回目のエントリーでは、白組にてM!LKの初登場を予想しています。「イイじゃん」のバズは先述した上半期トレンドランキングの画像からも解りますが、同曲もビルボードジャパンソングチャートでは最高45位、総合100位以内登場4週となっておりヒットしたとは言い難い状況です。
AiScReamにおけるスポーツニッポンの内定記事を興味深く感じたのは、「愛♡スクリ~ム!」のヒットからM!LK「イイじゃん」を想起したため。仮にこの2組が紅白初出場を果たした場合、ビルボードジャパンソングチャートにおけるチャートポリシー(集計方法)の見直しは急務ではないかと捉えています。2組が紅白出場を果たすか、そしてその場合にビルボードジャパンがどう動くかにも注目です。