最新10月15日公開分ビルボードジャパンアルバムチャートでは、テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』が8→4位に上昇。注目はストリーミング指標において3位を獲得しているという点です。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』は10月3日金曜にリリースされ、米ビルボードアルバムチャートでは週間最多ユニット数を獲得する等様々な記録を更新しています。その旨は弊ブログでも採り上げていますが(→こちら)、ビルボードジャパンでは月曜が集計期間初日となるために洋楽、グローバルな活躍を目指すK-POP歌手の作品、また海外でも活動する日本の歌手の作品は金曜解禁となり、初登場時に不利となります。
『The Life Of A Showgirl』は日本時間の10月3日13時にリリースされたことで初週は2日半弱が集計対象期間ながら、総合では8位に初登場。上記CHART insightにて青で表示されるストリーミング指標の8位スタートは高位置といえますが、同指標は当週3位に上昇。ビルボードジャパンアルバムチャートにストリーミング指標が組み込まれた昨年末以降、洋楽作品(K-POP除く)における最高位を更新した形です。

洋楽(K-POP除く)におけるビルボードジャパンアルバムチャート、ストリーミング指標の週間最高位はジャスティン・ビーバー『Swag』が保持していました。この指標は登場2週目となる7月23日公開分(初の1週間フル加算時)にて9→4位に浮上、総合でも10→5位と推移しています。テイラー・スウィフト共々ビッグネームであり、新作への注目度の高さが影響していると捉えていいかもしれません。
一方でビルボードジャパンでは2025年度下半期の集計期間初週である6月4日公開分以降、アルバムチャートのストリーミング指標においてリカレントルールを導入しています。Streaming Albumsチャート(未公表)を指標化する際、総合アルバムチャートに26週ランクインした作品に対し翌週以降減算処理を施すというもので、導入に伴いロングヒット作品は順位が下がっています。

ビルボードジャパンアルバムチャートがリカレントルールを導入する前、洋楽(K-POP除く)にてストリーミング指標週間最高位を記録していたのはプレイボーイ・カルティ(一部メディアではプレイボーイ・カーティと表記するところも)『Music』でした。初の1週間フル加算となった3月26日公開分にて33→15位、総合では38→17位と推移したこの作品は、総合100位以内登場は3週と短いものの、ヒップホップへの高い注目を感じます。
テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』はリカレントルールの影響もありながら、ビッグネームの新作をチェックしたい音楽ファンの多さがストリーミング指標での高位置進出に反映されたものと捉えています。洋楽が強くない状況下(ストリーミング指標が週間10位以内に入った作品は『The Life Of A Showgirl』、先述した『Swag』およびサウンドトラック『F1 The Album』のみ)、テイラーの記録は見事といえるでしょう。
#テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』におけるアルバムセールス施策についてはこちらの抜粋分で確認可能です。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2025年10月13日
加えて、先述したように単曲ダウンロード販売を提供しなかったことも大きいと考えます。 https://t.co/5f82CzDMuR pic.twitter.com/K0sWd98lrq
テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』の米販売施策については、ビルボードジャパンによる米ビルボードの翻訳記事もご参照ください(テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』におけるチャート占拠から考えることについて(10月15日付)参照)。一方、ビルボードジャパンアルバムチャートではフィジカルセールス指標(CHART insightでは黄色で表示)が未加算であり、施策の多くは反映されていないと考えます。

10月15日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは、『The Life Of A Showgirl』のリード曲である「The Fate Of Ophelia」が19位に初登場。ラジオ(CHART insightでは黄緑で表示)が2位と高いながら、ストリーミングで82位そして動画再生(赤)で74位となり接触指標群が洋楽(K-POP除く)の中で高位置につけているのもポイントです。
ビルボードジャパンソングチャートの動向も踏まえるに、テイラー・スウィフトのチャートアクションからは(施策以上に)コアファンの支持や音楽ファンの純粋な興味が見て取れ、それが反映されているというのが自分の見方です。