Number_iに関する自分のXでの発信に、リアクションをいただいています。
ビルボードジャパンソング/アルバムチャートにおいて #Number_i の週間単位での強さがみられます。日本の歌手の中で以下を先駆けて行ったことも大きいかもしれません。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年2月4日
・アルバムのデラックスエディション配信
・プレイリスト型アルバム
・複数のサブスクサービスでの先行配信
Number_iは「3XL」は2月4日公開分のビルボードジャパンソングチャートで首位初登場、また『No.Ⅱ』が同日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートで2位に浮上し、ストリーミング指標を制しています。そしてそのアルバムチャートでは今年始め、彼らの"プレイリストアルバム"と呼ばれる3作品が上位に進出していました。今回はこのプレイリストアルバムについて、自分の見方を記します。
(上記ポストではプレイリスト型アルバムと記しましたが、後述するNumber_iの公式Xアカウントにて"プレイリストアルバム"と紹介されていたことを踏まえ、以降はプレイリストアルバムという名称を使用します。)
また、2年連続で『NHK紅白歌合戦』に出演したNumber_iの『No.II』は、ダウンロード数が前週比110%と増加。さらに、「DAY(日常)」×「iLYs」を掛け合わせた「DAiLY」をテーマに、メンバーがナビゲートする新感覚プレイリストアルバム『DAiLY&LOVE』が総合7位に初登場した。
【ビルボード】2026年初週はKing & Prince『STARRING』が総合アルバム首位 Mrs. GREEN APPLE/Number_iが続く<1/8訂正> https://t.co/blCitqPEAM
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月8日
プレイリストアルバムは3作同時リリース。1月7日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは『DAiLY&LOVE』が7位、『DAiLY&SUN』が13位、『DAiLY&CHILL』が14位に初登場を果たしています。以降の動向は、下記CHART insightをご参照ください。
(下記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)



(『DAiLY&CHILL』は直近2月11日公開分にて構成3指標がすべて300位未満のため、CHART insight掲載最終週は2月4日公開分となります。)
注目は、CHART insightにて紫で表示されるダウンロード指標が2週続けて上位をキープしたことにあります。
【ビルボード】Number_i、2週連続でDLアルバムのトップ3を独占 CNBLUE/奥田民生らが初登場 https://t.co/wSNECtWx2L
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月15日
『DAiLY&LOVE』は5,335→3,146DL、『DAiLY&SUN』は4,142→2,905DL、『DAiLY&CHILL』は3,979→2,863DLとダウンロード数が推移。たとえば『DAiLY&LOVE』の登場2週目におけるダウンロード数は前週比6割近くとなっていますが、この数値は極めて高いといえます。しかし登場3週目には3作品ともダウンロードがトップ10内に入らず、また同週10位のダウンロード数は534DLゆえ(下記記事参照)、後退幅の大きさが見て取れます。
【ビルボード】乃木坂46『My respect』DLアルバム首位を記録 Novel Core/宝塚歌劇団雪組が続く https://t.co/r0ReHOCogb
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月22日
プレイリストアルバムの高ダウンロード数につながったとみられるのが、キャンペーンの存在。3作品はいずれも1月2日にデジタルリリースされていますが、その直前にはこのようなキャンペーンが告知されていました。
「DAiLY&SUN」「DAiLY&LOVE」「DAiLY&CHILL」ダウンロードキャンペーン開催決定!
— Number_i official (@number_i_offic) 2025年12月31日
詳細はキャンペーンページをご確認ください✔️
▶️https://t.co/WTvQndPFAd
※PCのiTunes Storeの購入完了画面のスクリーンショットでもご応募可能です。
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Be ready for "DAiLY&SUN" "DAiLY&LOVE" "DAiLY&CHILL"… pic.twitter.com/5vmkTOXUDM
さらに注目は、プレイリストアルバムがiTunes Storeのほか、Apple MusicおよびSpotify限定でリリースされていた点(Number_i公式ホームページ内ニュース参照→こちら)。Apple MusicおよびSpotifyは最新曲「3XL」の先行配信リリース先となっており、この先行リリースはプレイリストアルバムのリリース先限定施策とリンクしているのかもしれません。無論これらサービスがStationheadと紐づいていることも背景にあるでしょう。
さて気になるのは、このプレイリストアルバムの内容です。既発曲で構成されたこの作品には各メンバーによる声でのナビゲートが"Track by Track"という名目で曲間に、またアルバムの冒頭にも挿入されています。一方で、各メンバーによる声でのナビゲートは単体で購入することができません。この点はこのエントリーの最後に貼付したポストで指摘していることですが、2月16日午前4時の段階でも変わっていませんでした。
"Track by Track"やイントロについてはサブスクサービスで確認はできるものの、所有するにはプレイリストアルバムの形で手に入れる必要があります。アイドルやダンスボーカルグループのコアファンは他のジャンルの歌手に比べて所有行動が強いことも、アルバムリリース直後からのダウンロード数につながったと考えていいでしょう。
Number_iによるプレイリストアルバムについてはミュージックマンによる対談形式の記事にて称賛され、『このスタイルが日本中、世界中で流行ってほしい』とも言われています。
(上記記事にてNumber_iによるプレイリストアルバム3作品が『ビルボードのチャートで2週連続1位、2位、3位』と紹介されていますが、このような紹介の際は単独指標(もしくは指標の基となる)チャートではなく複合指標から成る総合チャートを用いることを願います。日本のメディアはこのような単独指標チャートでの結果を大きく採り上げがちゆえ強い違和感を抱く、ということを記しておきます。)
確かにプレイリストアルバムは日本で馴染みが薄い一方、米では"Track by Track"バージョン名義でリリースする歌手も存在。その筆頭がテイラー・スウィフトであることは間違いないでしょう。
テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』は米ビルボードアルバムチャートで初週ユニット数が新記録を樹立し、収録された("Track by Track"を除く)12曲が初登場週におけるソングチャートで12位までを独占しています。そのアルバムリリース週に登場したのがこの"Track by Track"バージョンであり、米アルバムチャートにおける初週ユニット数増加の役割も果たしたものと捉えています。
最終的には初登場時一週分のユニット数のみで2025年度の米ビルボード年間アルバムチャートを制したテイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』ですが、その初登場週におけるバージョン数は計38種となります。
・【米ビルボード・アルバム・チャート】テイラー・スウィフト、『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』400万ユニット越えで記録ずくめの首位デビュー | Daily News | Billboard JAPAN(10月14日付)より
『The Life Of A Showgirl』の"Track by Track"バージョンは上記引用部分における『トラックごとの解説付きエディション』に該当。そして上記を踏まえれば、"Track by Track"バージョンもオリジナルアルバムのリリース日以降に配信されたものであると解ります。
他方、『The Life Of A Showgirl』の米ビルボードアルバムチャート初登場時には、単曲ダウンロードのアルバム換算分(TEA)が加点されていません。米アルバムチャートはデジタル/フィジカルのセールス、ストリーミングのアルバム換算分(SEA)およびTEAで構成されますが、初週におけるTEAゼロいう結果はテイラー・スウィフト側が初週の単曲ダウンロードを認めなかったことに由来します。
テイラー・スウィフトはアルバムチャートにおける週間最多ユニット数獲得を目指し様々な施策を投入したと考えるのは、先述した記事における38種リリースも踏まえれば自然なことでしょう。単曲ダウンロードもアルバムチャートの指標ではあるのですが、目標達成のためにアルバムとしての購入のみ推進したものと思われます。しかしこれでは、楽曲単位で気になったライト層の確保は難しいのではというのが私見です。
発売週の映画限定公開や異なるボーナストラックを収録したフィジカルリリース等により、テイラー・スウィフトのファンダムはたとえ自身の負担への違和感を抱いたとしても購入したものと思われます(ただユニークユーザー数は知りたいところです)。他方、気に入った曲があっても単曲ダウンロード不可という状況をライト層やグレーゾーンの方々はどうみるか…ファンダムとの間で乖離が発生するのではと危惧しています。
既にリリースされた作品の半ばデラックスエディション的な形で"Track by Track"バージョンを投入し、且つリリース時に単曲("Track by Track"のみの)ダウンロードができないという施策は、結局のところチャート対策が最優先と捉えられておかしくないのではないでしょうか。そして、既発曲での構成、且つ"Track by Track"としての単曲ダウンロード不可という施策は、Number_iによるプレイリストアルバムでも似ているといえます。
Number_iによるプレイリストアルバム3作品は、『DAiLY&CHILL』が1月28日公開分、『DAiLY&SUN』が2月4日公開分でストリーミング指標の加点を終えています。『DAiLY&LOVE』は最新週でも加点されていますが、総合上位安定の要となるストリーミング指標が大きく後退することはあまりない現象と捉えています。
音楽チャート動向を踏まえれば、Number_iによるプレイリストアルバム3作品の人気はファンダムとライト層やグレーゾーンとで乖離しているのではというのが自分の見方です。アルバムリリースがファンダム間でのNumber_iへの熱量を保ち続け、その後の「3XL」リリースにつなげるという意味では巧いのかもしれませんが、ライト層等がこの作品のリリースをどう捉えているかリサーチすることも必要ではと感じています。
最後に。今回のプレイリストアルバムについての自分のポストを貼付します。アルバム施策についてはarne代表の松島功さんも感嘆の声を上げており、対する自分の見方はシビアと映りかねないでしょう。下記投稿から1ヶ月が経ちますが自分の見方は変わらなかったため、ポストに基づく形で今回のエントリーを記した次第です。
#Number_i がリリースしたばかりの3作品をiTunesで確認すると、音声コメント"Track by Track"を所有するにはプレイリスト(アルバム)単位で購入しないといけないようですね。なるほど、ファンダムが多い且つ熱量が高い歌手においてはこの施策が増えていくという予感がします。 https://t.co/nOAGZNlRU1 pic.twitter.com/CMAltw9fHM
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月7日
気になるのは、#NHK紅白 披露曲はダウンロード数が上昇した中で #Number_i「GOD_i」は2週連続で同指標300位未満という点(貼付したCHART insightは有料会員が確認可能なもので、同指標は紫で表示)。テレビパフォーマンスはライト層の所有行動につながる傾向ゆえ、「GOD_i」の動向を注視しています。 pic.twitter.com/lHlTa21VNA
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月7日
"Track by Track"バージョンは #テイラー・スウィフト の最新アルバム『The Life Of A Showgirl』でもみられていますが、そのテイラーは施策に特に長け、そしてチャートへの高い意識を持ち合わせています(https://t.co/Gdts2B8HJt参照)。そしてその施策はファンダムの高い熱量ゆえに成立するものです。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月7日
一方でそのような施策がライト層にリーチし、新たなコアファンを(ライト層からの昇華の形で)作らない限り、コアファンの絶対数は減り、ファンダムの熱量は下がると考えます。ゆえに、そのような"ライト層へのリーチ"が果たしてできているのか、歌手側のみならずファンダムも考えることが必要でしょう。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月7日
