(※追記(8月22日13時23分):エントリーにてポストを引用させていただいた川西全さんより反応をいただきました。その内容を記した上で、私見を記しています。)
8月23日付米ビルボードアルバムチャートにて、BABYMETAL『METAL FORTH』が9位に初登場を果たしたことについては、米ビルボードの発信から2時間後にこのブログにて紹介しています。
一方で、この記録達成が日本のメディアで発信されるまでには、米ビルボードの発信から丸1日半かかっています。今回はまず、その経緯についてまとめます。
8月23日付米ビルボードアルバムチャートにおけるトップ10速報記事は日本時間の8月18日月曜午前4時過ぎに発信され、BABYMETAL『METAL FORTH』の9位初登場がアナウンスされています。冒頭で紹介したブログエントリーはこの記事に基づくもので、米ビルボードのチャート専用Xアカウントではトップ10画像付ポストも投稿されています。
Morgan Wallen’s ‘I’m the Problem’ Hits 11 Weeks at No. 1 on Billboard 200https://t.co/eqtY36VIp1
— billboard (@billboard) 2025年8月17日
This week's top 10 on the #Billboard200 (chart dated Aug. 23, 2025).
— billboard charts (@billboardcharts) 2025年8月18日
Details: https://t.co/HGCl0LCKDr pic.twitter.com/huCFNRx1Ar
一方で、BABYMETALによる初の米チャートトップ10入りをその日のうちに紹介した日本のメディアはビルボードジャパン以外に見当たりませんでした。また、そのビルボードジャパンにて紹介されたのは、米ビルボード記事の翻訳版となります(なおビルボードジャパンによる翻訳は毎週行われています)。
【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォーレン通算11週目の首位、mgk/BABYMETALらがTOP10デビュー https://t.co/QKV8S20k4d
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年8月18日
そして日本のメディアが今回の記録達成を伝えたのは、米ビルボードのアナウンスから丸1日半が経過した8月18日火曜16時以降。同時刻には多くのメディアが一斉に発信しています。下記は同日16時過ぎにおける「BABYMETAL METAL FORTH」の検索結果 - Yahoo!ニュースをキャプチャしたものですが、最下部の記事(ビルボードジャパンによる米記事翻訳版)のひとつ上(Rolling Stone Japan)以降は同種の内容となっています。

8月18日火曜16時は、BABYMETALが所属するアミューズによるプレスリリースの発表タイミングと考えられます。下記ポスト内リンク先には掲載時間が記されていませんが、おそらくはその認識で間違いないでしょう。なお下記ポストの投稿時間がプレスリリースのアナウンスから20分近く遅れていることも、個人的には気になっています。
#BABYMETAL
— アミューズ (@amuse_official) 2025年8月19日
8月8日(金)リリース
ニューアルバム「METAL FORTH」が
全米総合アルバムチャート(#Billboard 200)
🎊初登場 9⃣位を記録🎊
日本人グループとしては
史上初のTOP10入り🌟
メンバーからも喜びの声が🦊🎉#METALFORTH@BABYMETAL_JAPANhttps://t.co/cYl5HiyXpG
そして日本のメディアは、スポーツ新聞や一般紙、音楽専門メディアや音楽チャートにおいても、このプレスリリースを待って、各メディア独自の色付けも施しつつプレスリリースに沿う形で記事を作成していることがみえてきます。驚いたのは、当のBABYMETAL自身においても今回の記録達成に関する発信が遅かったということです。
Thank you for your support on "METAL FORTH"!!!💥
— BABYMETAL (@BABYMETAL_JAPAN) 2025年8月19日
🇯🇵ORICON NEWS @oricon
🇯🇵Billboard JAPAN @Billboard_JAPAN
🇩🇪OffizielleCharts @chartsoffiziell
🇺🇸billboard @billboard
🇺🇸billboard charts @billboardcharts
🇬🇧Official Charts @officialcharts #BABYMETAL #METALFORTH #Poppy… pic.twitter.com/VUNr8QcAiE
(8月20日午前4時50分の段階で、上記ポストがアカウントの最上位に固定されています。なおBABYMETALは米ビルボードアルバムチャートでのトップ10入りについてXで直接言及していません。また個人的には、ビルボードジャパンよりもオリコンを先に記すことに違和感を抱いています。)
他方、たとえば米メディアのメタル・インジェクション(ハードロックやヘヴィーメタルの専門サイト)はプレスリリースの数時間前に記事化しています。
🇯🇵 Japanese heavy music pioneers Babymetal have shattered barriers with their latest album, Metal Forth, which debuted at #9 on the Billboard 200. https://t.co/vogP1uIsMW
— Metal Injection (@metalinjection) 2025年8月18日
またBABYMETALは今作『METAL FORTH』を米キャピトル・レコードから全世界に向けてリリースしていますが、そのキャピトル・レコードはBABYMETALにおける米ビルボードアルバムチャート初のトップ10入りを、日本のプレスリリースが公開される数時間前にポストしています。それに対し、キャピトル・レコードを日本で受け持つユニバーサルミュージックは、プレスリリースの公開と同時に発信しています。
Congratulations @BABYMETAL_JAPAN 🤘📈 METAL FORTH debuts at #9 on the #Billboard200, their first ever top 10 album! pic.twitter.com/7gz4Z7sDv2
— Capitol Music (@capitolmusic) 2025年8月18日
BABYMETAL、最新アルバムが日本人グループ、そして日本語歌唱アルバムとして初の全米TOP10入り#BABYMETAL https://t.co/vxnHq07WUy
— uDiscoverJP:音楽サイト (@uDiscoverJP) 2025年8月19日
日本人のみで構成されるグループとして米ビルボードアルバムチャートで初めてトップ10入りしたこと等、今回のBABYMETAL『METAL FORTH』における記録がプレスリリースを待たなければ報じられないという状況から、弊ブログにて以前記した内容は間違いではなかったと実感しています。
そして、もっといえば"プレスリリースがなければ日本のメディアは記事の発信をしてはならない"というルールが存在しているだろうことを、下記ポストで実感した次第です。
※ かわにしぜんさんによるXのポスト(→こちら)をキャプチャし貼付。今後リンク先の文言が変更される可能性を踏まえての貼付となります(問題があれば削除いたします)。
上記はTBSテレビに所属する川西全さんのポストを、8月18日18時30分にキャプチャしたもの。ポスト内のリンクには『【8月19日16:00解禁】』と書かれていることが解ります。この記載から、日本のメディアが報じる際にはプレスリリースが前提となるのみならず、そのプレスリリースの発し手による解禁時間が優先されるということが判ります。
厳しい物言いとなりますが、チャートインの事実発生から1日半経たなければ報じられないという事態は、その期間内の聴取や購入者数増加につながりにくいという点等において機会損失と言っていいでしょう。加えて、歌手側(今回においてはアミューズ)の発信も、遅きに失した感は否めないでしょう。『METAL FORTH』が米ビルボードアルバムチャートでトップ10入りする可能性は初期予想段階から示されており、尚の事です。
Early @HITSDD Albums Predictions:
— Pop Data (@PopDataMusic) 2025年8月12日
#1 @MorganWallen 125,500
#2 #KPopDemonHungers 103,800
#3 @1GunnaGunna 90,000
#4 @machinegunkelly 62,500
#5 @alexwaarren 42,000
#6 @justinbieber 39,800
#7 @MorganWallen 38,000
#8 @BABYMETAL_JAPAN 35,600
#9 @SZA 34,600
#10 @JIDsv 34,300 pic.twitter.com/JS45mj1d0U
日本のメディアにおける報じ方問題をまずは見直さなければならないと強く考えますが、一方でそれが変わらないならば歌手側の発信を迅速にする必要があります。その点において、プレスリリースではないもののYOASOBIが「アイドル」にて米ビルボードによるGlobal Excl. U.S.を初制覇した際の行動、そしてチャートへの高い意識は日本の音楽業界が参考すべきと考えます。
今回YOASOBI「アイドル」がGlobal Excl. U.S.を制した背景には英語詞版「Idol」の金曜リリースが大きいのですが、そのリリース日設定以外にもYOASOBI側のチャートへの意識の高さやこだわりを感じることができます。特に強く感じたのは下記ツイート。米ビルボードのチャート専用アカウントによるツイートへの引用が、元ツイートの発信からわずか16分後、日本時間の昨日早朝に行われたのです。
👑No.1 on Billboard GLOBAL(Excluding U.S.)🚀#YOASOBIアイドル がアメリカを除くグローバルチャートで1位!日本語曲初の快挙、嬉しいです。ありがとうございます!
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2023年6月5日
It's the first song originally performed in Japanese to top this chart! Thank you so much🍣#YOASOBIIdol#YOASOBI偶像 https://t.co/SotKtAiVrS pic.twitter.com/fl8oIkwZXf
米ビルボードによるグローバルチャート速報版の発信は日本時間の火曜早朝が通常となります。YOASOBI側は最新チャートにおいて「アイドル」が英語詞版の投入に伴い上昇することを見越して、予めこの時間からスタンバイしていたと捉えていいかもしれません。
・YOASOBI「アイドル」がGlobal Excl. U.S.を初めて制した理由、そしてYOASOBI側の巧さに触れる(2023年6月7日付)より
このブログではデジタル強化、またテレビ局の変化を促す意味でも、AKB48「Oh my pumpkin!」テレビ映像の公開は有効では(8月18日付)にて、日本のテレビメディアにおける歌手側への映像貸与問題や見逃し配信問題に関して言及したばかりでした。それら問題が改善することで日本の音楽がよりグローバルへ轟くようになると捉えていますが、改善は同時に日本に住む方へのリーチ強化にもつながるでしょう。
今回の件から、日本メディアの報じ方における根本的な構造問題、また歌手側(所属芸能事務所含む)の意識が浮かび上がったと捉えています。音楽のみならずエンタテインメント業界全体が迅速に訴求し、機会損失をなくすために、テレビや新聞、ネットの区別なくエンタテインメントに関わる一人ひとりが現状の問題を放置せず、また仕方ないと諦めることなく、前向きに変えるべく動くことが何より重要ではないでしょうか。
※追記(8月22日13時23分)
エントリーにてポストを引用させていただいた川西全さんより反応をいただきました。
反応すべきか迷いましたが、以下の記事、私のポストが引用されてるので一言だけ。
— かわにしぜん (@zenkawanishi) 2025年8月22日
"プレスリリースがなければ日本のメディアは記事の発信をしてはならない"、このような事実はありません。
私はBABYMETALの2nd、3rd発売時、プレスリリースより前にニュースにしています。https://t.co/in5GWnvy9H
メディアに所属する方からいただいた内容にて、こちらが想起した内容が異なることを確認できました。ポストをいただいたことに感謝申し上げます。
一方で、BABYMETALの4枚目のアルバム『METAL FORTH』が米ビルボードアルバムチャートでトップ10入りしたことについて、プレスリリースの登場前にどこかのメディアが報じてよかったのではという疑問をあらためて抱いています。
