イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ビルボードの”最強のファンダムはどの歌手か”投票企画、決勝戦のカードや記事から考えること

最強のファンダムはどの歌手かを投票で競う米ビルボードのイベント、『Which artist's fan army is the strongest?』については以前もこのブログにて紹介してきました。

日本時間の昨日、遂に決勝戦が開始。今回のカードはSB19対セレーナ・ゴメスとなります。

 

フィリピン発男性ダンスボーカルグループのSB19はこれまで他を圧倒。1回戦ではテイト・マクレーに対し82.7%対17.3%、2回戦はアリアナ・グランデ相手に88.6%対11.4%、3回戦ではポスト・マローンを81.6%対18.4%といずれも大差で破っています。準々決勝ではシャブージーに対し76.5%対23.5%、準決勝ではサブリナ・カーペンターに65.2%対34.8%と、3回戦までの大差とはいかずも強さを発揮してきました。

一方のセレーナ・ゴメスは順に、1回戦でStray Kidsに61.0%対39.0%、2回戦でグロリラに60.3%対39.7%、3回戦ではエド・シーランに56.8%対43.2%、準々決勝ではタイラに54.4%対45.6%、準決勝ではマイリー・サイラスに53.5%対46.5%と、僅差での戦いを勝ち続けてきました。

 

日本時間の8月17日午前4時の段階における途中経過はSB19が52.3%、セレーナ・ゴメスが47.7%となり前者がリードしていますが、この決勝カード紹介時における米ビルボードの伝え方に注目しています。

記事では"SB19のA'TIN(ファンネーム)は、これまでの大会で最多優勝を果たしたT-ARAのQUEENSに並ぶか"というタイトルが付けられています。一方でタイトルにはセレーナ・ゴメスの名はなく、サブタイトルに"Or will Selena Gomez's Selenators prevail, setting records of their own?"と用いられているという状況です(なお"Selenators"とはセレーナ・ゴメスのファンネームを指します)。

尤も、記事内で紹介された過去の優勝歌手およびファンダムのリストをみると初年度を制したBIGBANG(2014)に始まり、T-ARA(2015-2017)、SUPER JUNIOR(2018、2020)、Stray Kids(2022)そしてSB19(2023-2024)と、優勝した歌手はすべてアジア出身となっています(2019および2021は未開催)。ゆえにこれまでの傾向を踏まえれば先程の記事でSB19のみをタイトルに据えたのは自然かもしれません。

 

さて、今回のイベントにおける優勝の行方とは別に、準決勝に進出した4組の歌手について記事にて次のように述べられていることが気になった次第です。

All four artists have had notable chart success. SB19’s “Dam” reached No. 4 on the Billboard Philippines Hot 100 in March. Carpenter, Gomez and Cyrus have each landed No. 1 hits on the Billboard Hot 100 during their careers.

(4組の歌手すべて、チャートで大きな成功を収めています。SB19「Dam」は今年3月にフィリピンのソングチャートで4位にランクイン。またサブリナ・カーペンター、セレーナ・ゴメスおよびマイリー・サイラスはそれぞれ、米ビルボードソングチャートで首位を獲得しています。)

 

Fan Army Face-Off History Will Be Made in 2025 No Matter Who Wins - Billboard(8月15日付)より

※ ()内は意訳となります。

SB19のチャート成績は(SB19 discography - Wikipedia(英語版))で確認できるのですが、米ビルボードではソングチャート100位以内、またアルバムチャート200位以内ランクインの実績がありません。この点も踏まえれば米在住の方に対するSB19の知名度は決して高いとはいえず、今回のイベントはファンダムの高い熱量が反映されてきたといえるでしょう。ゆえに、2回戦紹介時に述べた内容はやはり正しかったと捉えています。

SB19は今年初開催されたMUSIC AWARDS JAPANにて、一般投票部門である”推し活リクエスト・アーティスト・オブ・ザ・イヤー powered by USEN”の最終ノミネートに選出されています。最終的に受賞は叶わなかったものの(受賞結果はこちらに掲載)、米ビルボードの企画や日本の音楽賞で結果を残す(残そうとする)ファンダムの熱意を感じずにはいられません。

 

米ビルボードによる”最強のファンダムはどの歌手か”を競う企画、今年の開催内容を分析する(7月23日付)より

 

 

大事なことは今回のイベントを機にファンダムの結束力を高めるのみならず、イベントでの好成績を如何にしてファンダム以外に伝え、その上で歌手への注目度を高めるかではないでしょうか。米ビルボードにおいてはライト層への浸透がソングチャート、アルバムチャート共にストリーミング指標に表れ、ロングヒットの礎となります。特にSB19において、イベントを経てストリーミングの増強につなげていけるかに注目です。