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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

YOASOBI「アイドル」がビルボードジャパンで上位初登場の可能性、サブスク等の動向や施策が興味深い

次週4月19日公開分のビルボードジャパンソングチャートは注目曲が続々初登場予定。フィジカルセールスを武器にSixTONES「ABARERO」が総合首位の座を狙いますが、ここにきて強力なライバルが登場。それがYOASOBI「アイドル」です。

「アイドル」は4月12日にリリースされたデジタルシングルで、同日スタートのテレビアニメ『【推しの子】』(TOKYO MXほか)でオープニングに起用。この曲がYouTube、そして各サブスクサービスで軒並み好成績を収めています。

「アイドル」にはYouTuberのREAL AKIBA BOYZが参加し、そのレコーディングの模様もYouTubeで公開。初週動向の押し上げにもつながるであろうこの動画は、YOASOBI側もツイートにて紹介しています(→こちら)。

 

そして、再生回数が可視化されているSpotifyデイリーチャートでも急上昇を続けています。YOASOBI側も昨夜この動向を伝えています(ツイートはこちら)。

日本における最新4月13日付Spotifyデイリーチャートにおいて5→2位に急進したYOASOBI「アイドル」。注目は4月11日付の段階で80位に初登場を果たしていること。Spotifyの日付の区切りは午前0時以降(2時前後)とみられており、フラゲ的な好位置での初登場は「アイドル」の注目度が高かったことを思わせます。これはテレビアニメ『【推しの子】』初回の映画館先行上映も功を奏したものと考えます。

 

上記はビルボードジャパンで2021年度初日にあたる2020年11月23日付以降の、日本のSpotifyデイリーチャートにおけるYOASOBI各曲の再生回数および順位の推移。「アイドル」は昨年以降の作品では「祝福」(テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングテーマ)以来となるトップ10入りを果たし、デイリーチャート2位という記録は「夜に駆ける」に次ぐ好成績となるのです。

 

「祝福」「アイドル」共にアニメ主題歌であり、また今週リリース作品ではスピッツ「美しい鰭」(劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』主題歌)やMAN WITH A MISSION × milet「絆ノ奇跡」(『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』オープニング主題歌)も日本のSpotifyでは既に100位以内に登場。新曲がリリース直後に好位置に登場しにくいサブスクにおいて、アニメ関連曲の好調さが光ります。

その中にあってYOASOBI「アイドル」は特筆すべきチャートアクションを示しており、ビルボードジャパンの総合ソングチャートで首位に手が届くかもしれません。興味深いのは今作「アイドル」にてインストゥルメンタルを配布しており(ツイートはこちら)、YOASOBI側はその音源を用いた”歌ってみた”動画も紹介し始めたのですが、その最初の作品が実際のアイドル歌手による投稿だったことは注目すべきと考えます。

ともすれば知名度の上昇や、いずれAyaseさんからのプロデュースが受けられるのでは等の期待も胸に、アイドル歌手が続々と歌ってみた動画に名乗りを上げるのではないかと感じた次第です。そしてそれが歌ってみた等のUGC(ユーザー生成コンテンツ)を押し上げ、最終的に「アイドル」の人気拡大につながっていくのではないでしょうか。