イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) YOASOBI「夜に駆ける」がSpotifyで5億回再生を突破…その強さをデータで確認する

(※追記(9月13日8時25分):ビルボードジャパンは9月13日、「夜に駆ける」が史上初となるストリーミング10億回再生を突破したことをアナウンスしました。つきましては、このエントリーの最後にそのポスト(ツイート)を貼付しています。)

 

 

YOASOBI「夜に駆ける」が快挙を達成しました。

(「夜に駆ける」は自死をテーマにした作品と言われているため、全国のいのちの電話|一般社団法人日本いのちの電話連盟のリンクを掲載します。掲載理由等はこちらにて以前記しています。)

この曲についてはSpotifyに限らず、他のサブスクサービスも含めた動向を紹介し、強さについて分析します。

 

YOASOBI「夜に駆ける」は2020年度のビルボードジャパン年間ソングチャートをフィジカルシングル未リリース曲として初めて制すると共に、ストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートも制覇。同年度の再生回数は275,142,806回となっていますが、その後再生回数は以下のように推移し、今年1月には9億回再生を突破しました。

ストリーミング・ソング・チャートでは、これまでに通算15回の首位を獲得。2020年3月18日公開チャートから148週連続でトップ100を走り続けている。累計再生回数は、チャートイン18週目で1億回、29週目で2億回、41週目で3億回、51週目で4億回、63週目で5億回、75週目で6億回、93週目で7億回、116週目で8億回を突破。そして今回、チャートイン148週目で史上初の9億回を突破した。

8億回までの1億回が23週に対して9億回までの1億回が32週となり、1億回再生を積み上げるペースは緩やかになっていますが、以下のグラフを踏まえればビリオン、すなわち10億回再生の達成は今年度中に成されるかもしれません。

 

こちらのグラフはビルボードジャパンソングチャートの2021年度初日(2020年11月23日付)以降における、日本のSpotifyデイリーチャートでのYOASOBI各曲のランクイン状況となります。

(上記グラフの範囲前において、「夜に駆ける」は2020年3月16日付にて日本のSpotify デイリーチャートで184位に初登場を果たし、同年11月22日付(すなわちビルボードジャパンにおける2020年度最終日)までにおよそ5174万回再生を記録しています。同曲のリリースは2019年12月15日付であることから、デイリーチャート200位以内エントリー前からも再生数を獲得していたと推測されます。)

日本のSpotifyにおいてはユーザーにおけるトップ50プレイリストの聴取が少なくないため、50位圏外にダウンした曲は急落する傾向があります(その現象に至るきっかけを”50位の壁”と呼んでいます)。実際「夜に駆ける」においては2022年10月19日付で50位の壁を突破し(上記ポスト(ツイート)参照)、クリスマス曲に押される形で昨年のクリスマスイブには92位に、その後も80位台を主体とするランクインを続けていました。

それが4月以降、「アイドル」の大ヒットによってYOASOBIの過去曲が再浮上。「夜に駆ける」も60位前後まで上昇、再生回数も伸びて安定したチャートインを続けることとなりました。この”大ヒット曲の登場が他の作品もフックアップ”という現象はデジタル時代にあっては確実に発生すると言っても過言ではないため、デジタルアーカイブはきちんと充実させる必要があるということを、YOASOBIの動向が示しています。

ビルボードジャパンでは前週、「アイドル」が史上最速でストリーミング4億回再生を突破しています(他のサブスクサービスも含みます)。その際の記事では「夜に駆ける」は9億回台のままでしたが、ともすればSpotifyのアナウンスが契機となって再生回数が伸び、近いうちに初のビリオンヒットと認定されることも十分考えられます。

 

そしてもうひとつ興味深い現象が。それは、YOASOBI「夜に駆ける」が海外からも十分聴かれているということです。

上記はkworb.netにおけるYOASOBI「夜に駆ける」のデイリーにおける再生回数および順位のデータ(リンク先はこちら。後述する週間チャートも確認できます)。各国の最高位および合計再生回数はあくまで200位以内ランクイン時のみを指すのですが、実はインドネシア(IDで表示)ではSpotifyの週間チャート単位で昨年末にわずか2週のみランクインしながら、その2週分だけで112万を超える再生回数を記録しているのです。

それを踏まえれば、日本以外の国や地域におけるYOASOBI「夜に駆ける」の再生回数は、たとえデイリーや週間チャートで200位以内に入らなかったとしても高い状態が続き、それによって今回のSpotifyにおける5億回再生突破につながったものと考えます。この曲の海外人気については様々な記事にて紹介されていますが(下記等参照)、再生回数のおよそ半数が海外での再生分と推測される状況には、いい意味で驚かされます。

芦澤:「日本のカルチャーはアニメにまつわるもの」という認識がかなり根強いんだと思います。「2021年に海外で最も再生された日本のアーティスト」にYOASOBIが入っていますが、こちらも「夜に駆ける」のMVでアニメーションだったりしていて、海外では「アニメを主体とするポップカルチャーの象徴」のように受け取られているんじゃないのかなと思います。

ともすれば「アイドル」のヒットが海外ユーザーに「夜に駆ける」も聴くきっかけを与えたことで、Spotifyにおける「夜に駆ける」5億回再生のペースが早まったものと思われます。アニメによるミュージックビデオの人気や海外での音楽フェス参加等も影響しながら、やはりデジタルに明るく居続けたことが功を奏した結果と捉えていいのかもしれません。

 

 

ストリーミング以外の指標も含むビルボードジャパンソングチャートでは今年度の年間首位獲得をほぼ手中に収めたといえるYOASOBI「アイドル」。同曲の最速での大台記録(5億そしてビリオン)も気になりますが、Spotifyでのヒットも踏まえるに「夜に駆ける」の史上初となる10億回再生が今年度中にやってくるだろうことについても、注目したいと思います。

 

 

 

(※追記(9月13日8時25分):ビルボードジャパンは9月13日、「夜に駆ける」が史上初となるストリーミング10億回再生を突破したことをアナウンスしました。下記にそのポスト(ツイート)を掲載します。)