イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(訂正あり)Spotifyで"50位の壁"を突破、次週以降ビルボードジャパンソングスチャートを駆け上がるだろう3曲とは

(※訂正(7月14日):ビルボードジャパンは7月6日公開分(7月11日付ビルボードジャパンソングスチャートおよびストリーミングソングスチャートを、7月13日になって訂正しました。その経緯については7月14日付ブログエントリーをご参照ください(→こちら)。この訂正を踏まえ、訂正可能な範囲で訂正を実施しました。数値等の誤りは打ち消し線を用い、その隣に正しい内容を記しています。)

 

 

 

ビルボードジャパンソングスチャートで次週以降注目の3曲を紹介します。いずれの作品も日本におけるSpotifyの伸びが顕著な、またはそうなるであろう作品です。

 

日本のSpotifyには50位の壁という特性があります。日本ではトップ50プレイリストを確認する方が多く、このプレイリストに入った(つまり50位以内に入った)ことで急激に注目を集め、プレイリスト入りから数日で急浮上を果たす傾向があるのです。逆にトップ50プレイリストから外れれば数日で急落するというのも特徴です。

そのSpotifyによるトップ50プレイリストはこちら(日々最新に更新されます)。本日5時の段階で87万を超えるユーザーがいいね!を付けているこのプレイリストに、この1週間で複数の作品が新たに入ってきたのです。Spotifyも含まれるビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標、そしてソングスチャート自体の上昇も見込めるため、今回はそれらの曲をチェックしてみましょう。

 

 

水曜日のカンパネラエジソン

日本におけるSpotifyデイリーチャートで7月3日に50位に到達すると、38→16→16位と推移。最新7月6日公開分(7月11日付)ビルボードジャパンソングスチャートでも前週の46位初登場から33位へと順調に伸びているこの曲の原動力は、TikTokでのバズ。ビルボードジャパンによる最新のTikTok Weekly Top 20では遂に首位の座を射止めています。

2022年7月6日公開(集計期間:2022年6月27日~7月3日)のTikTok上における楽曲人気を測るチャート“TikTok Weekly Top 20”で、水曜日のカンパネラの「エジソン」が1位に輝いた。

6月8日公開チャートで16位に初登場した本曲は、翌週に4位に上昇し、4位→2位と右肩上がりを続けて、チャートイン5週目にして、初のトップに立った。ローカルカンピオーネやおおしま兄妹の振り付け、そして高速足ダンスが注目を集めており、集計期間中にはコムドットや平成フラミンゴ、ロイといった人気クリエイターたちの投稿が相次いだ。ボーカル・詩羽のアカペラ動画が投稿されたばかりで、こちらは350万回も視聴されている。

面白いのは、「エジソン」を作った側が当初からTikTokでバズを狙うというつもりがなかったということ。またケンモチヒデフミさん、詩羽さん共にTikTokでのバズの生まれ方は分からないとインタビューで述べています。

エジソン」は元々2月にリリースされたEP『ネオン』の先行曲であり、バズはEPが配信された5月下旬以降に発生。記事にあるローカルカンピオーネは以前Tani Yuuki「W / X / Y」でも独自の振り付けを行い、それをTani Yuukiさんも披露したことで大きなヒットに至っています。今回は詩羽さんも別の方が振り付けたダンスを覚えて披露し、TikTokのバズに積極的に乗っかる姿勢がバズを増幅させたと捉えていいでしょう。

@utaha_0809 水曜日のカンパネラの詩羽です❗️プチバズりしていると聞いて、みんなが踊り考えて踊ってくれているの見て真似しました😹 全然できてないけど!!!サビだけ、いつもライブでやっているフリにしたよ🤍 2代目の詩羽になった水曜日のカンパネラもよろしくね★ #wednesdaycampanella #水曜日のカンパネラ #エジソン#edison ♬ エジソン (version 1) - 水曜日のカンパネラ

TikTok発のヒットは増えています。そのヒットの源こそわからないとして、大事なのはその源に楽しみながら乗ることではないでしょうか。これは「W / X / Y」の際に感じたことでしたが、この考えはより強固なものとなっています。

人気ドラマやTikTokerの動画をTani Yuukiさん側が紹介し、新たに生まれた振り付けを本人が採り入れ、ライブ会場でファンと共に披露(そのための呼びかけも)…「W/X/Y」から生まれたものをTani Yuukiさん側が楽しんで紹介、共有していることは非常に魅力的です。これがより多くの方に拡がることで、「W/X/Y」のヒットがさらに加速するかもしれません。

 

 

・きゃない「バニラ」

既にこの曲が他のサブスクサービスでヒットしていることは最新ビルボードジャパンソングスチャート発表の前に、Apple MusicとSpotify、LINE MUSICの最新順位を比較する(5月25日付)で紹介していますが、Spotifyでもようやくその兆しが。日本におけるSpotifyデイリーチャート、7月4日付で46位に上昇し初のトップ50入りを果たした「バニラ」はその後、41→19位(最新)と上昇しています。

この曲については、Spotifyで「チェリー」がロングヒットを続けるスピッツを軸に取り上げたことがあります。普遍的なメロディを思わせるきゃない「バニラ」がSpotifyでの上昇気流突入を経てさらに多くの方に轟くだろうことは、最新7月6日公開分(7月11日付)ビルボードジャパンソングスチャートで既に26位27位に入っていることからも明らかです。ただこのタイミングで気になることが。

Spotifyでトップ50入りしたことが判明した日、きゃないさんは活動休止を発表されています。となるとメディア等で取り上げようにも本人が出演できず大きな話題を得ることが難しい状況です。戻ってくるまでの間にヒットが持続するかに注目する一方で、今回の活動休止の理由が不明なため引っ掛かりを覚える方は少なくないでしょう。

 

 

Mrs. GREEN APPLEダンスホール

活動を再開したMrs. GREEN APPLEが7月8日にリリースしたミニアルバム『Unity』からの先行曲。この曲のリリースは5月下旬ですが、ミュージックビデオはミニアルバムの発売に近い先月末に公開、また彼らの公式YouTubeアカウント(→こちら)では公開直前にティーザー(ティザー)を、昨日にはミュージックビデオのビハインド・ザ・シーンもアップしていることから、ミニアルバムのリリースに合わせた施策の巧さを感じます。

そして、このたび、ミニアルバム『Unity』のストリーミング/ダウンロード配信が、7月7日0時よりスタートすることが発表された。アルバムは、発売日前日の7月7日からCDショップの店頭に並び始めるが、配信では、その全貌を最速で楽しむことができる。

Mrs. GREEN APPLEはミニアルバム『Unity』の配信を、CDリリース日ではなくCDのいわゆるフラゲ日となる7月7日の午前0時に解禁しています。この手法はあまり耳にしたことがなく、CDを買うコアファンのみならずサブスクでチェックするライト層、さらにはCDを手に入れる前に聴きたいと思うコアファンにも嬉しい試みではないでしょうか。

この7月7日0時のデジタル解禁が、最新7月6日付における日本のSpotifyデイリーチャートにも影響したと言えます。日本のSpotifyデイリーチャートの区切りは午前2時頃とみられており、「ダンスホール」は最速で『Unity』をチェックした方等の影響も相俟って52→50位に上昇、トップ50プレイリスト入りを果たしました。

最新7月6日付における日本のSpotifyデイリーチャートにおいて、ミニアルバム『Unity』に収録された「ニュー・マイ・ノーマル」が158→128位、asmiさんをフィーチャーした「ブルーアンビエンス」が117→103位と、それぞれ上昇しています。今夜以降に発表される、7月7日付の日本におけるSpotifyデイリーチャートの動向にも注目です。

 

 

日本におけるSpotifyデイリーチャートで日曜以降にトップ50プレイリスト入りした3曲のうち、きゃない「バニラ」についてははっきりとした上昇理由が不明でしたが、他のサブスクサービスを踏まえれば自然な流れでしょう。そして水曜日のカンパネラエジソン」はTikTokのバズとそれに楽しみながら乗ったこと、Mrs. GREEN APPLEダンスホール」はスケジュール施策の巧さが影響したと言えます。