イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

最新ビルボードジャパンソングスチャート発表の前に、Apple MusicとSpotify、LINE MUSICの最新順位を比較する

本日午後、ビルボードジャパンが最新チャートを公開します。この5月25日公開分(5月30日付)ソングスチャートでは、ともすれば今年初となる3位1万ポイント超えが誕生するかもしれません。

ビルボードジャパンの予想を行う紅蓮・疾風さんによる最新チャート予想を上記に。また集計期間は異なりますが、世界200以上の地域の主要デジタルプラットフォームにおけるダウンロードおよびストリーミング(動画再生含む)を集計した米ビルボードによる5月28日付Global 200(集計期間は先週木曜までの1週間)では米津玄師「M八七」がJ-Pop最高位となっており、「M八七」のビルボードジャパンでの首位は堅いでしょう。

なおGlobal 200およびGlobal Excl. U.S.というふたつのグローバルチャートには、ともすればLINE MUSICは集計対象から外れているかもしれません。そう考える理由をLINE MUSIC再生キャンペーンのさらなる係数処理適用、カウント除外も含め検討すべき…ビルボードジャパンに問う(5月7日付)にて記載しましたが、今回はそのLINE MUSICおよびSpotifyApple Musicの日本での動向を追いかけます。

 

Apple Musicの日曜までの週報については、100位までが記事化されます。最新チャートは昨日夕方、ミュージックマンに掲載されました。

(※今回は比較しやすさを目的に、後述するSpotifyやLINE MUSICについても順位をキャプチャし、貼付しました。問題があれば削除いたします。)

Spotifyはデイリーの再生回数がKworb.net - All your music data needs in one placeで確認可能。Kworb.netでは各国のSpotify等の動向も掲載されていますが、その中から5月22日までの1週間における日本のSpotify再生回数をみてみます。

※下記は5月22日付までの1週間における再生回数("7Day"で表示)を多い順から並び替え。左端の"Pos"は5月22日付における順位であり、1週間の順位とは異なります。

データは下記リンク先より。なおリンク先は常時最新日が掲載されています。

 

この2つのサブスクサービスにLINE MUSICを加えた比較については一昨年夏に行っています。

LINE MUSICについてはウイークリーの集計期間が火曜までとなっていること、そしてLINE MUSIC再生キャンペーン(再生回数キャンペーン)を複数の曲が採用していることで他のサブスクサービスと順位が大きく異なっています。昨日までの1週間については下記に。

データは下記リンク先より。なおリンク先は常時最新週が掲載されています。

 

LINE MUSIC独特の施策実行に伴い、同サブスクサービスの週間トップ10はApple MusicやSpotifyと大きく異なります。一方でそのLINE MUSICでもトップ10入りしたSEKAI NO OWARI「Habit」はApple Musicで5位、Spotifyでは10位となり、次の大ヒット候補と言えるかもしれません。この曲については以前ブログで取り上げています。

 

Apple MusicとSpotifyとを比較すると、Spotifyはロングヒット曲が強い一方でApple MusicはSpotifyとLINE MUSICの間と言えるかもしれません。きゃない「バニラ」(13位)、Novelbright「愛とか恋とか」(18位)、あいみょん「初恋が泣いている」(28位)等はSpotifyでは50位以内に未だ登場せず。これはSpotifyの特性である50位の壁を突破できていないこととも関係しているでしょう。この50位の壁については以前紹介しています。

そのSpotifyにおける50位の壁を集計期間内に突破したのが、BE:FIRST「Bye-Good-Bye」です。

「Bye-Good-Bye」はSpotifyにおいて5月16日月曜に56→45位へ上昇、22日には10位に到達しています。LINE MUSICでは再生キャンペーン開催効果もあり首位に返り咲いた一方、Apple Musicでは51位に。SpotifyApple Musicの差が縮まるか、次週の動向にも注目したいと思います。

 

今回は3つのサブスクサービスについて、週間チャートを紹介しました。Apple MusicとSpotifyとで順位差が小さくなく、且つ前者の順位が高いならば、Spotifyにおいて50位の壁がそびえ立っている可能性があります。一方で50位の壁を突破できても、米津玄師「POP SONG」のおよそ3週間のように、50位以内在籍が短期間にとどまった曲もあり、壁を突破といって油断は禁物です。

 

 

最後に。本日ビルボードジャパンが発表する各種チャートのうち、Streaming Songsチャートでは速報段階で首位だったBE:FIRST「Bye-Good-Bye」の最高位返り咲きの可能性が高いと思われます。

一方でビルボードジャパンは5月11日公開分(5月16日付)より、Streaming Songチャート首位曲でLINE MUSIC再生キャンペーン施策の影響力が強く、一方で他のサブスクサービスとの乖離が著しい場合は、ソングスチャートのストリーミング指標に換算する際に個別係数を適用しています。この2週間、めいちゃん「ラナ」がStreaming Songsチャートを制しながらストリーミング指標では20位以内に入っていませんでした。

このチャートポリシー(集計方法)変更についてはその後もブログにて紹介しています。

本日公開分において、BE:FIRST「Bye-Good-Bye」がStreaming Songsチャートを制しながらストリーミング指標化の際に係数処理が施される可能性はめいちゃん「ラナ」ほど高くはないと考えますが、しかし可能性はゼロではないでしょう。

本日以降のチャートに違和感を覚えたならば、ビルボードジャパンへの指摘や提案が必要です。個人的に、LINE MUSIC再生キャンペーンを適用したすべての曲に対してビルボードジャパンは個別係数処理を施す必要があると考えます。そしてそのチャートポリシーはできる限り詳らかにすべきです。