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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパン、4週連続で最新チャート発表が遅延…その原因そして責任の自覚を追及する

毎週木曜は通常であれば、ビルボードジャパンが前日に発表したソングスチャートを紹介しますが、7月13日公開分(7月18日付)の特筆すべき動向については明日以降に取り上げます。

 

ビルボードジャパンでは昨日、4週続けて遅延が発生しました。この点について強く疑問視し、今一度改善を願うというのが今回のエントリーの主旨です。

 

ビルボードジャパンは最新チャート更新のスケジュールとして、13時頃にCHART insightを、14時前後に一部を除くチャート全体をアップします。そのCHART insightの更新については前週まで3週連続で遅れており、またその遅延を伝えるアナウンスの発表もバラバラだったため、その問題解決を願うべく月曜にエントリーを記載しました。

最新7月13日公開分(7月18日付)における遅延の原因は、ビルボードジャパンにストリーミングデータを提供する側にありました。この点については上記ブログエントリーへいただいたコメントを介して、おおよその原因を確認(特定)することができました。コメントをくださった方へ、あらためて感謝申し上げます。

7月6日公開分(7月11日付)ビルボードジャパンソングスチャートでポイントが可視化された50位までの動向をみると、ストリーミング指標加算曲のポイントがいずれも上昇しています。ここからも、本来加算される予定の再生回数が加算されていなかったことが解ります。

またLINE MUSICアプリの不備についてはHilcrhymeのホームページ(→こちら)以外にも、たとえば最新チャートで「ロミエット」を9位に送り込んだフォーエイト48のホームページからも確認することができます。これで今回の原因がLINE MUSICにあったと言って差し支えないでしょう。

ビルボードジャパンの最新チャートにおける遅延はデータ提供元が問題であり、前週分をまず修正する必要が生じたことで最新チャートの発表が遅れたならば、ビルボードジャパンは問題ではないと言えるかもしれません。また今回の遅延アナウンスは正午まもなく発表に至っており、これ自体は好いことです。

 

ただし、どうしても引っかかる点があります。

ビルボードジャパンはあたかも、前週のストリーミングソングスチャートをしれっと訂正したような形となっていました。後に最新週および前週の総合ソングスチャートならびにストリーミングソングスチャートの記事は訂正され、タイトルには”<7/13訂正>”の文字が掲載されるようになりましたが、やはり違和感は拭えません。訂正アナウンスの徹底や、訂正した旨を速やかに報告することは必須ではないでしょうか。

日本でほぼ唯一チャート予想も行う紅蓮・疾風さんも今回の件には強い失望を抱いている模様であり、同種の感情を抱いている方は少なくないことでしょう。

 

先述の通り、今回のミスそのものはビルボードジャパンに因るものではありません。ただ仮にLINE MUSICが原因だったとして、LINE MUSICは7月6日までにミスへの対応を完了しています。

お知らせ | LINE MUSICより

お知らせ | LINE MUSICより

iOS版アプリでのオフライン再生分は復旧できなかった一方、Android版アプリでは7月6日に復旧しています。一方でビルボードジャパンのポッドキャスト最新回を聴くと、MCを務めるチャートディレクターの礒崎誠二さんは今回のLINE MUSICのトラブルを”寝耳に水”と形容し、7月13日(ポッドキャスト録音日)になって知ったと発言しています。

LINE MUSICからの連絡がもしも前もって行われていたならば、そしてビルボードジャパンがデータ提供各社との連携をもっと緊密にしていたならばと思わざるを得ません。ビルボードジャパンのデータはJ-WAVEの音楽チャートにも使われている以上ミスの影響は大きいわけで、LINE MUSIC側は勿論のこと、ビルボードジャパンもきちんと謝罪し誠意を示すことが大事でしょう。

(なおLINE MUSICのトラブルは、同デジタルプラットフォームのデータを用いる他の音楽ランキングにも影響を及ぼすはずです。オリコン、ならびに『CDTVライブ!ライブ!』を運営するTBS側がどう対応するのかにも注目する必要があります。)

 

そしてビルボードジャパンは、データトラブルへの対応が適切だったかを自問自答する必要があります。少なくとも今回の訂正アナウンスは、しれっと感の印象が拭えない点において不十分さが否めません。

おそらくはミス判明時の対応マニュアルがないことが容易に想像できます。ミスはないことに越したことはないものの現に遅延が4週連続で発生している以上、管理体制の刷新と共にミス判明時に誠意ある対応を示せるようマニュアルを作成することは必要です。

 

一企業がミスを連発し、責任能力に欠けているならばユーザーが同業他社に移るのは自然なことですが、しかしビルボードジャパンの代替になり得る音楽チャートは存在しません。ならばビルボードジャパンには尚の事、唯一無二のチャート提供者としての責任の自覚を持ってほしいのです。一企業の枠を超えた音楽文化発信者であることの自負を強く抱けば、堂々と、誠意のある対応ができるはずです。