イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

最新ビルボードジャパンソングスチャート発表を前に、グローバルチャート・Spotifyから動向を予測する

本日午後、新年最初のビルボードジャパンソングスチャートが発表されます。2週分の発表となるのですが、昨年12月28日月曜からの一週間を集計期間とする最新1月11日付においては米ビルボードによるグローバルチャート、およびSpotifyデイリーチャートから注目曲の動向を事前に確認することができるので紹介します。

 

200以上の地域における主要デジタルプラットフォームのストリーミング、およびダウンロード(歌手のホームページでの販売分を除く)で構成されるグローバルチャート。チャートの詳細は下記にまとめています。

12月25日金曜からの一週間を集計期間とする1月9日付グローバルチャートでは興味深い現象が起きています。

●1月9日付 Global 200 100位以内におけるJ-Popの成績

 (Global 200 最新チャートはこちら)

 ・57位 (前週110位) LiSA「炎」

 ・73位 (前週151位) YOASOBI「夜に駆ける」

●1月9日付 Global Excl. U.S. 100位以内におけるJ-Popの成績

 (Global Excl. U.S.  最新チャートはこちら)

     (Global Excl. U.S. はGlobal 200から米の分を除いたもの)

 ・17位 (前週39位) LiSA「炎」

 ・29位 (前週66位) YOASOBI「夜に駆ける」(最高位更新)

 ・68位 (前週127位) DISH//「猫」 ※2バージョン合算

 ・84位 (前週90位) 優里「ドライフラワー」(最高位更新)

 ・87位 (前週124位) Eve「廻廻奇譚」(最高位更新)

 ・89位 (前週126位) LiSA「紅蓮華」

1月9日付ではクリスマスソングが実質1日のみ加算対象であったことから大きく後退、それに伴いこれまでランクインしていた曲が上昇したわけですが、2つのグローバルチャートで以前トップ10入りを果たしていたLiSA「炎」が大きく伸ばし、さらにYOASOBI「夜に駆ける」がGlobal Excl. U.S. において最高位を更新しているのは特筆すべき点。最新チャートの集計期間は大晦日までであり、「炎」の日本レコード大賞受賞、「夜に駆ける」の『NHK紅白歌合戦』での初歌唱が大きく影響を与えただろうことが容易に想像できます。

1月11日付ビルボードジャパンソングスチャートは昨年12月28日から1月3日までが集計期間となるため、これらテレビ番組の効果の”余韻”も加算されることになります。

 

Spotifyについては今年に入ってから一度、『NHK紅白歌合戦』歌唱曲の動向を紹介しました。

上記で用いた表に加筆し、4日までのデータを反映したものはこちら。

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上記表に掲載された曲の推移をグラフ化。年末の地上波音楽番組に出演しなかった優里「ドライフラワー」を参照として点線表示しています。

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三が日が明け、4日月曜はおおむね一週間前の水準に戻っていますが、それにしてもYOASOBI「夜に駆ける」がLiSA「炎」を逆転したのは見事としか言いようがありません。1月3日のブログエントリーでも指摘しましたが、彼らのTwitterアカウントにおけるエンゲージメント確立の素晴らしさ、そして今日リリースされた初のフィジカル作品『THE BOOK』(EP)への期待感の高さが大きく影響していると言えるでしょう。これがSpotifyを構成要素のひとつとするグローバルチャートにも反映され、ビルボードジャパンソングスチャートにも影響を及ぼすことは間違いありません。

 

 

昨年初の発表となった2020年1月13日付ビルボードジャパンソングスチャート(2020年1月8日発表)では『NHK紅白歌合戦』をはじめとするテレビ番組効果が如実に表れています。

昨年末の音楽番組の影響はグローバルチャートやSpotifyで一足早くみられました。本日発表される1月11日付ビルボードジャパンソングスチャートがどうなるか、非常に楽しみです。