このブログでは現在、毎週火曜に米ビルボードおよびグローバルチャートの速報を紹介しています*1。そのグローバルチャートが最新9月11日付において誕生から52週目、丸1年を迎えました。
Global 200およびGlobal Excl. U.S.というふたつのグローバルチャートについては、上記ブログエントリーにて説明しています。
それでは、ふたつのグローバルチャートにおいて長期エントリーを果たした曲をみてみましょう。最新9月11日付で52週連続200位以内エントリーを果たし、且つ最新週において100位以内に入っている曲を取り上げます。
・ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」
(Global 200 33位・Global Excl. U.S. 26位)
・BTS「Dynamite」
(Global 200 47位・Global Excl. U.S. 29位)
・エド・シーラン「Perfect」
(Global 200 62位・Global Excl. U.S. 52位)
・トーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」
(Global 200 66位・Global Excl. U.S. 57位)
・24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」
(Global 200 67位・Global Excl. U.S. 69位)
・ハリー・スタイルズ「Watermelon Sugar」
(Global 200 68位・Global Excl. U.S. 61位)
・イマジン・ドラゴンズ「Believer」
(Global 200 76位・Global Excl. U.S. 68位)
・エド・シーラン「Shape Of You」
(Global 200 82位・Global Excl. U.S. 59位)
・ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」
(Global 200 84位・Global Excl. U.S. 77位)
・デュア・リパ「Don't Start Now」
(Global 200 89位・Global Excl. U.S. 85位)
・ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」
(Global 200 91位)
・YOASOBI「夜に駆ける」
(Global Excl. U.S. 99位)
(※「夜に駆ける」は自死をテーマにした作品と言われているため、全国のいのちの電話|一般社団法人日本いのちの電話連盟のリンクを掲載します。掲載理由等は以前こちらで記しています。また、その可能性を理由にYouTubeが制限を加えているものと考えます。)
Global 200およびGlobal Excl. U.S.の双方で10曲、そしてそれぞれのチャートでさらに1曲ずつが52週エントリーを果たしています。これら作品は1週でも200位を下回らず、また最新チャートでのカニエ・ウェストに代表されるような大量エントリーにも耐え抜いたのです。
グローバルチャートには米ビルボードのようなリカレントルールがないため、2017年の作品も複数ロングランを果たしているのが特徴*2。1曲を除き米ビルボードソングスチャートでトップ10入りを果たし、「Blinding Lights」は米ビルボードにおいて最長不倒となる90週エントリーを達成しました。米ではリカレントルールが適用されても、グローバルではきちんと残る曲が多いことが解ります。
その中にあって、良い意味で異質なのがYOASOBI「夜に駆ける」。米ビルボードには登場してはいないものの、日本での高い人気が波及しています。
米ビルボードが発表する、世界200以上の地域でのダウンロードとストリーミングで構成されるグローバルチャート。Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.で #YOASOBI(@YOASOBI_staff)「#夜に駆ける」が6位にアップ。最高位を更新しました https://t.co/cXzbL7H9tn
— Kei (@Kei_radio) 2021年1月25日
『NHK紅白歌合戦』でのメディア露出やEP『THE BOOK』のリリースも相俟って、1月16日付のGlobal Excl. U.S.にて初のトップ10入りを果たした「夜に駆ける」。EPの発売日と同日に「怪物」を、2週間後に「優しい彗星」を配信開始したことでEP人気も継続し、1月30日付で最高位となる6位に達しました。人気継続については下記ブログエントリー等で記しています。
その後「夜に駆ける」はGlobal Excl. U.S.で100位圏外となりながら、英語詞である「Into The Night」がリリースされたことで急浮上。言語違いやリミックス等が合算されるというチャートポリシーに則り、7月17日付において「夜に駆ける」が前週から100ランクも上昇しています。「Into The Night」がチャートの集計期間初日である金曜にリリースされたことや、「三原色」の同時リリースも功を奏した形です。
【#イマオト ブログ更新】
— Kei (@Kei_radio) 2021年7月8日
最新のビルボードジャパンソングスチャートで #YOASOBI(@YOASOBI_staff)「#夜に駆ける」が2ヶ月半ぶりにトップ5返り咲き。英語詞との合算がその理由であり、グローバルチャートでも再浮上が期待。YOASOBI、新たな鉱脈を見つけたと言えます。https://t.co/KgW75pMlMJ
米ビルボードによるグローバルチャート。
— Kei (@Kei_radio) 2021年7月13日
7月17日付 #Global200 100位以内のJ-Popの動向
(集計期間:7月2~8日)
・31位 (初登場) #YOASOBI「#三原色」
・146→46位 YOASOBI「#夜に駆ける」
(英語版「#IntoTheNight」合算により再浮上)
日本での良好なチャートアクションが反映された一方で、世界中の音楽ファンやチャート好きの方々にもその名が広がり、再生回数等に少なからず反映されたものと考えます。グローバルチャートの週間トップ200を動画で紹介するアカウントも非公式ながら存在しており(→こちら)、視聴者には毎週エントリーするYOASOBIの名が刷り込まれているはずです。
日本は水曜リリースが標準であり海外の金曜標準と異なること、海外の作品が日本のチャートで人気になりにくいだろうことを踏まえれば、グローバルチャートの浸透はまだまだといったところでしょう。しかしYOASOBIの成功例、さらにBTSの英語詞曲やザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」の人気を踏まえれば、音楽ファンのみならず音楽関係者の方々も、視線を広く世界に向けてみることをお勧めします。