毎週水曜は、米ビルボードが昨年新設したグローバルチャートをお伝えします。
200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。11月27日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にテイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」が初登場で首位を獲得、アデル「Easy On Me」の連覇を阻みました。
.@taylorswift13's "All Too Well (Taylor's Version)" launches atop both the Global 200 and Global Excl. U.S charts. 🌎https://t.co/O6ch0pLxG4
— billboard (@billboard) 2021年11月22日
The Global 200 top 10 (chart dated Nov. 27, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年11月22日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated Nov. 27, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年11月22日
(上記はショート・フィルムとなります。)
テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」は11月27日付米ビルボードソングスチャートも制し、様々な記録が誕生しました。その内容等については昨日のブログエントリーで紹介しています。
テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」はGlobal 200ではストリーミングが1億3130万、ダウンロードが41700を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが7690万、ダウンロードが10300を獲得しています。
Global 200におけるストリーミング数は、グローバルチャートが昨年秋に始まって以降では歴代7位の多さとなります。またGlobal 200では「Willow」(2020 2位)、「Love Story (Taylor's Version)」(2021 7位)に続く3曲目のトップ10入りにして初の首位を獲得、Global Excl. U.S.では「Willow」(2020 5位)に次ぐ2曲目のトップ10入りとなり、こちらでも首位獲得は初となります。
(記事にはありませんが、ダウンロードは米ビルボードソングスチャートとは異なり歌手のホームページによる購入分は含まれません。Global 200からGlobal Excl. U.S.の分を引けば米におけるiTunes Store等デジタルプラットフォームでの売上が算出されますが、その数は31400。米ビルボードではダウンロードが57800となっており、2万6千を超える分がテイラー・スウィフトのホームページ経由で購入されていると判明可能です。)
Global 200ではシルク・ソニック「Smokin Out The Window」が4ランクアップし8位に到達。ストリーミングは前週比16%アップの4720万、ダウンロードは9300を記録しています(記事において前週比未記載)。シルク・ソニックにとっては「Leave The Door Open」が3月に2位を記録して以来、2曲目のトップ10入りを獲得しました。
さて今週は、米ビルボードの仕様変更についてお伝えしなければなりません。
11月27日付 #GlobalExclUS 100位以内のJ-Popの動向について、米ビルボードのホームページを確認したところ、こちらについても #HotTrendingSongs 週間チャート同様に有料会員のみの閲覧に切り替わっています。ホームページのデザイン切り替えのタイミングで、でしょうか。https://t.co/Q1vzUBI0bN pic.twitter.com/SFaPw079kk
— Kei (@Kei_radio) 2021年11月23日
先程 #GlobalExclUS が11月27日付に切り替わりましたが、やはり有料会員のみの閲覧に制限されています。米ビルボード(@billboard)の説明を求めます。https://t.co/Q1vzUBI0bN pic.twitter.com/YlPu1EOPo4
— Kei (@Kei_radio) 2021年11月23日
グローバルチャートはこれまで、Global 200およびGlobal Excl. U.S.の双方とも上位100曲が米ビルボードの無料会員でも閲覧可能でした。しかし、おそらく米ビルボードのホームページがリニューアルしたタイミングででしょうか、Global Excl. U.S.は2位以下が有料会員でなければ閲覧不可となっています。しかもGlobal 200もよくよく見てみると。
#Global200 もよくよく見てみると変更点が。101位以下は有料会員でなければ閲覧できなかったはずが、現在は見られるようになっています。https://t.co/SdjUqOOmZ2
— Kei (@Kei_radio) 2021年11月23日
ちなみにJ-Popでは、#優里「#ベテルギウス」が116→154位、#YOASOBI「#夜に駆ける」が199→195位にランクインしています。
この仕様変更、実はグローバルチャートにとどまりません。元々米ビルボードの異変に気付いたのは、Hot Trending Songsチャートの閲覧制限でした。
先程紹介した #HotTrendingSongs チャートについてですが、リアルタイムとは別に金曜からの1週間分を紹介する週間チャートについて、米ビルボードが有料会員のみの公開に切り替えたようですね。閲覧可能なのはPCでもモバイルでも首位のみであり、看過できないというのが私見。https://t.co/wisYwTxMVu pic.twitter.com/yEJLHgVYhn
— Kei (@Kei_radio) 2021年11月23日
これはどういうことなのでしょうか。日本を含む海外の作品がランクインする可能性が高いチャートにおいて閲覧を制限することで、情報の受信により高いハードルが課せられてしまうのです(会費支払いの際、言語が異なる等の理由で作業が煩雑になりかねません)。それを理解した上で、米ビルボードはこのような変更を行っているのでしょうか。
Dear @billboard.
— Kei (@Kei_radio) 2021年11月23日
Why are you keeping the #HotTrendingSongs weekly chart for viewing only by paying members? I think music fans around the world will be disappointed. Please at least disclose this chart.
Dear @billboard.
— Kei (@Kei_radio) 2021年11月23日
I've just asked you about the #HotTrendingSongs weekly chart being restricted to paid subscribers, and the same thing is happening with the #GlobalExclUS.
I would like to ask for an explanation for the restriction of viewing these charts to paying members only.
米ビルボードに問いかけましたが、ビルボードジャパンにも米ビルボードへの働きかけのほか、解決に尽力してくださることを願うばかりです。
米ビルボード(@billboard)には、これらチャートの閲覧を制限した理由を開示することを願います。
— Kei (@Kei_radio) 2021年11月23日
そしてビルボードジャパン(@Billboard_JAPAN)には、J-Popのランクインの可能性が高いこのチャートについて米ビルボードへの開示を要求し、または自身のHPでJ-Popの動向を紹介してほしいと強く願います。
ツイートを記載した翌日、ブログ公開日の朝にHot Trending Songsチャートを確認したところ無料会員でも閲覧可能な状態に解消されていますが、しかしながらGlobal Excl. U.S.は閲覧不可の状態が続いています。
このブログでは、現状が変わらなければ今後はグローバルチャートの紹介を火曜に移動し、米ビルボードソングスチャート速報と同時に発表することにします。