イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【グローバルチャート】テイラー・スウィフトがアデルを抑え首位に、また米ビルボードの仕様変更に異を唱える

毎週水曜は、米ビルボードが昨年新設したグローバルチャートをお伝えします。

200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。11月27日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にテイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」が初登場で首位を獲得、アデル「Easy On Me」の連覇を阻みました。

(上記はショート・フィルムとなります。)

テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」は11月27日付米ビルボードソングスチャートも制し、様々な記録が誕生しました。その内容等については昨日のブログエントリーで紹介しています。

テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」はGlobal 200ではストリーミングが1億3130万、ダウンロードが41700を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが7690万、ダウンロードが10300を獲得しています。

Global 200におけるストリーミング数は、グローバルチャートが昨年秋に始まって以降では歴代7位の多さとなります。またGlobal 200では「Willow」(2020 2位)、「Love Story (Taylor's Version)」(2021 7位)に続く3曲目のトップ10入りにして初の首位を獲得、Global Excl. U.S.では「Willow」(2020 5位)に次ぐ2曲目のトップ10入りとなり、こちらでも首位獲得は初となります。

(記事にはありませんが、ダウンロードは米ビルボードソングスチャートとは異なり歌手のホームページによる購入分は含まれません。Global 200からGlobal Excl. U.S.の分を引けば米におけるiTunes Store等デジタルプラットフォームでの売上が算出されますが、その数は31400。米ビルボードではダウンロードが57800となっており、2万6千を超える分がテイラー・スウィフトのホームページ経由で購入されていると判明可能です。)

 

Global 200ではシルク・ソニック「Smokin Out The Window」が4ランクアップし8位に到達。ストリーミングは前週比16%アップの4720万、ダウンロードは9300を記録しています(記事において前週比未記載)。シルク・ソニックにとっては「Leave The Door Open」が3月に2位を記録して以来、2曲目のトップ10入りを獲得しました。

 

 

さて今週は、米ビルボードの仕様変更についてお伝えしなければなりません。

グローバルチャートはこれまで、Global 200およびGlobal Excl. U.S.の双方とも上位100曲が米ビルボードの無料会員でも閲覧可能でした。しかし、おそらく米ビルボードのホームページがリニューアルしたタイミングででしょうか、Global Excl. U.S.は2位以下が有料会員でなければ閲覧不可となっています。しかもGlobal 200もよくよく見てみると。

 

この仕様変更、実はグローバルチャートにとどまりません。元々米ビルボードの異変に気付いたのは、Hot Trending Songsチャートの閲覧制限でした。

これはどういうことなのでしょうか。日本を含む海外の作品がランクインする可能性が高いチャートにおいて閲覧を制限することで、情報の受信により高いハードルが課せられてしまうのです(会費支払いの際、言語が異なる等の理由で作業が煩雑になりかねません)。それを理解した上で、米ビルボードはこのような変更を行っているのでしょうか。

ビルボードに問いかけましたが、ビルボードジャパンにも米ビルボードへの働きかけのほか、解決に尽力してくださることを願うばかりです。

 

ツイートを記載した翌日、ブログ公開日の朝にHot Trending Songsチャートを確認したところ無料会員でも閲覧可能な状態に解消されていますが、しかしながらGlobal Excl. U.S.は閲覧不可の状態が続いています。

このブログでは、現状が変わらなければ今後はグローバルチャートの紹介を火曜に移動し、米ビルボードソングスチャート速報と同時に発表することにします。