YOASOBIが昨日2曲の新曲をドロップ。ひとつはCMソングとしておなじみの「三原色」、そしてもうひとつは「Into The Night」。昨年度のビルボードジャパン年間ソングスチャートを制した「夜に駆ける」の英語バージョンとなります。
【2曲同時配信🔥】
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2021年7月1日
「三原色」(ahamo CMソング)https://t.co/KibzAmQvvx
「Into The Night」(夜に駆ける英語版)https://t.co/ysj9rHXUpu
全身全霊全力疾走のYOASOBIの今が、Ayaseとikuraの途方もないエネルギーが詰まっています。聴いていただけたら嬉しいです。 pic.twitter.com/keThApV8QL
さて、「夜に駆ける」と比べてみましょう。
「Into The Night」はところどころ日本語っぽく聴こえます。英語詞へのこだわりについては音楽ジャーナリストの柴那典さんも絶賛しています。
「Seize a move, you're on me」=「沈むように」
— 柴 那典 (@shiba710) 2021年7月2日
「Saw what got seen hid beneath」=「騒がしい日々に」
響きをピタリと合わせて、歌詞全体も英語ゆえ音韻あたりの文字数が増えるぶん描写を膨らませてる。天才か!
YOASOBI / Into The Night (「夜に駆ける」English Ver.) https://t.co/Ajo82ZE0sm
その一方、アレンジに特段変更はみられません。
このブログで「Into The Night」と「夜に駆ける」を取り上げたのは、チャートにおける取り扱いが気になるため。チャートポリシーを踏まえれば「Into The Night」は「夜に駆ける」と合算されるはずなのです。
基本的に、同一歌手による同じタイトルの複数の曲は最終的には名寄せの上でランクインさせます(リマスター前後、等)。 ただ、客演やリミックス等オリジナルにない要素が追加されていると判断すれば分けます
K-Popの韓国語版と日本語版が合算されている状況を踏まえ、ビルボードジャパンに問い合わせた結果を3年前に記しました。言語の違いは合算され、リミックスや客演追加等の異なるバージョンは分けるということが判明しています。
とはいえ、たとえばDISH//「猫」はオリジナルとTHE FIRST TAKEバージョンとが分けられているものの、同じTHE FIRST TAKEでもYOASOBI「群青」は動画が合算されているのではないか等、曖昧な点が複数登場しています。「猫」においてはライブ動画がオリジナルバージョンに合算されているのではという別の問題もあるのですが、それらは下記リンク先にまとめています。
ビルボードジャパンに合算する/しないの基準の明確化を求めていますが、現段階で合算に関するチャートポリシーはアナウンスされていません。
「夜に駆ける」と「Into The Night」はおそらく合算されるでしょう。しかし合算するにせよしないにせよ、曖昧な基準を明確化し、信頼度を高める努力を行ってほしいと願います。チャートがどうなるか、追いかけていきます。
なお米ビルボードやグローバルチャートでは、言語の違いはもとよりバージョン違いも合算対象。グローバルチャートのうち米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では最新7月3日付で「夜に駆ける」が63位に入り、昨年秋のローンチ以降42週続けて200位以内にエントリーしています。「Into The Night」の合算反映は再来週となる模様で、チャートの上昇が見込まれます。同チャートについては下記リンク先をご参照ください。
最後に。「夜に駆ける」は自死をテーマにした作品と言われています。原作となった『タナトスの誘惑』も同様です。5月にはこのような状況も発生しました。
(YouTubeでの規制が解けた「夜に駆ける」ですが、一連の流れから日本における自死表現の、悪い意味での規制の緩さや曖昧さについて考える自分がいます。)
これを踏まえ、以下のリンク先を追加します。今後はこのようなテーマの作品を取り上げた際、追記していきます。