毎週水曜は、米ビルボードが昨年新設したグローバルチャートについてお伝えします。
200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月16日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が首位に返り咲きました。
.@thekidlaroi and @justinbieber's "Stay" tallies an unprecedented 10th week at No. 1 on the Billboard Global 200 and an eighth frame atop Global Excl. U.S.https://t.co/G5vzcZg3Vg
— billboard (@billboard) 2021年10月11日
The Global 200 top 10 (chart dated Oct. 16, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月11日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated Oct. 16, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月11日
ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」はGlobal 200ではストリーミングが前週比6%ダウンの1億10万、ダウンロードが同8%ダウンの15700を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比6%ダウンの7940万、ダウンロードが同3%ダウンの8500を記録しています。
これによりGlobal 200では前人未到となる通算10週目の首位、Global Excl. U.S.では通算8週目のトップに立ちました。またGlobal 200ではストリーミングがこちらも前人未到となる9週連続1億回超えを達成しています。
一方、双方のグローバルチャートで前週共に初登場で首位を記録したコールドプレイ & BTS「My Universe」はGlobal 200で5位、Global Excl. U.S.では3位に後退。Global 200ではストリーミングが前週比34%ダウンの6340万、ダウンロードが同79%ダウンの29700を記録しています(なおGlobal Excl. U.S.における2指標の数字は記事に記載されていません)。
前週Global Excl. U.S.で初のトップ10入りを果たした(さらに今週は7位に上昇した)エルトン・ジョン & デュア・リパ「Cold Heart (Pnau Remix)」が、今週Global 200でも12→9位となり初のトップ10入り。ストリーミングは前週比9%アップの3440万、ダウンロードは同3%アップの27700を記録しています。Global 200においてはエルトン・ジョンは初、デュア・リパにとっては「Levitating」(最高2位)に次ぐ2曲目のトップ10入りです。
.@eltonofficial & @DUALIPA's "Cold Heart (@pnau Remix)" rises 46-32 on this week's #Hot100.
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月11日
It earns Elton John his 58th career top 40 hit, and first since "Written In The Stars" w/ @leannrimes in 1999 (No. 29 peak).
昨日のブログエントリーでは米ビルボードソングスチャートのトップ10速報をお伝えしましたが、「Cold Heart (Pnau Remix)」はその米チャートで46→32位に上昇し、エルトン・ジョンにとってリアン・ライムスとの「Written In The Stars」(1999 29位)以来22年ぶり、通算58曲目のトップ40ヒットに。なお、エルトンは「Your Song」(1970)から「Written In The Stars」まで、30年連続でトップ40ヒットを輩出しています。
TWICE「The Feels」がGlobal Excl. U.S.で10位に初登場。集計期間初日となる10月1日にリリースされた同曲はストリーミングが5090万、ダウンロードが8800を記録。初の英語詞曲でキャリア初の同チャートトップ10入りを果たしています。なおGlobal Excl. U.S.でのこれまでのトップ40入り作品には「I Can't Stop Me」(2020 16位)、「Alcohol-Free」(2021 22位)があります。
.@JYPETWICE's "The Feels" debuts at No. 83 on this week's #Hot100.
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年10月11日
It earns the group its first career entry on the chart.
来月リリースのアルバム『Formula of Love: O+T=<3』からのリード曲となったTWICE「The Feels」は最新10月16日付米ビルボードソングスチャートで83位に初登場し、彼女たちにとってキャリア初のエントリーとなりました。なおGlobal 200では12位に初登場を果たしています。
ここまで記事の翻訳を行いました。ここからは私見を記載します。
K-Popにおいては所有指標が強いことから登場2週目のダウンも予想されますが、しかしながら米よりはグローバルチャート、またグローバルチャートの中でも米の分を含まないGlobal Excl. U.S.のほうが勢いをキープしやすい傾向があると言えます。そして初登場時以降順位をキープ、もしくは上昇し勢いが持続するならば、その曲は真のヒットと呼ぶことができるでしょう。
今回注目したのはBLACKPINKのLISAによる「Money」。シングルアルバム(と位置付けられた)『Lalisa』のタイトル曲は9月25日付グローバルチャートで共に2位を獲得しながら翌週にはGlobal 200でトップ10落ち、Global Excl. U.S.で9位に後退しました(最新10月16日付では前者31位、後者23位)が、一方この「Money」は最新10月16日付においてGlobal 200で19位、Global Excl. U.S.では11位となり共に最高位を更新しているのです。
この「Money」には現段階でミュージックビデオは公開されていないものの、上記ダンスパフォーマンス動画のほか、今週月曜にはダンスプラクティス動画も公開されています。これにより次週は下記動画再生分もストリーミング指標に反映され、Global Excl. U.S.でのトップ10入りも期待できます。おそらく「Money」が波に乗っているタイミングで新たな動画を投入したものと思われ、戦略の巧さを実感します。
イギリスの最新ソングスチャートでも81位に初登場を果たしており、K-Popでは異例ともいえるリリース後の浸透が伺えるLISA「Money」。今後のグローバルチャートの動き、そして米ビルボードソングスチャートでも100位以内に入ってくるかにも注目です。
最新のグローバルチャートは米ビルボードのホームページにて上位100曲が確認できます。Global 200(→こちら)ではトップ40内にK-Popが7曲、Global Excl. U.S.(→こちら)では27位までにK-Popが7曲ランクイン。またaespaのミニアルバムタイトル曲「Savage」が前者で77位、後者で44位に初登場を果たしていることも注目です。
最後にJ-Popの動向を紹介。毎週火曜夕方に更新されるグローバルチャート詳報で100位以内に入ったJ-Popをツイートしており、そちらを転載します*1。
10月16日付 #Global200 100位以内のJ-Popの動向
— Kei (@Kei_radio) 2021年10月12日
(集計期間:10月1~7日)
(100位以内にJ-Popはランクインしていません。)
10月16日付 #GlobalExclUS 100位以内のJ-Popの動向
— Kei (@Kei_radio) 2021年10月12日
(#Global200 から米の分を除く)
(集計期間:10月1~7日)
・71→53位 #backnumber(@backnumberstaff)「#水平線」
・60→68位 #Official髭男dism(@officialhige)「#CryBaby」
・82→84位 YOASOBI(@YOASOBI_staff)「#夜に駆ける」
(続く)
10月16日付 #GlobalExclUS 100位以内のJ-Popの動向(続き)
— Kei (@Kei_radio) 2021年10月12日
・97→98位 #YOASOBI(@YOASOBI_staff)「#怪物」
・99位 (初登場) #backnumber(@backnumberstaff)「#黄色」
J-Popも複数ランクインしながら、順位面では大きくK-Popに水をあけられているのが現状です。TWICEやaespaがランクイン常連となれば、その差はさらに広がっていくかもしれません。
*1:グローバルチャートは無料会員が100位まで、有料会員が200位まで閲覧可能。ただし有料会員のみが知り得る情報を流すことはできないという観点から、100位以内の動向のみ紹介しています。