イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

今年の新成人の多くが生まれた2000年のヒット曲を振り返る

昨日放送の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE)で、昨年の年間チャートトップ100が発表されました。

ドラマ『MIU404』(TBS)主題歌であり、アルバム『STRAY SHEEP』からのリード曲の位置付けでもあった米津玄師「感電」が年間チャートを制覇。J-WAVE関連曲も上位に登場しつつ、Official髭男dismやKing Gnuがトップ10に登場しており、このチャートも今の社会的ヒットの鑑に近いものがあると感じています。

 

ビルボードジャパンを主体に、しかしこのチャートへも目を配るのは、ラジオで親しまれた曲を知るのみならず、当時のメインとなる年間チャートでこぼれたヒットを拾い上げるのも目的のひとつです。

来週の今日は成人の日ですが、新型コロナウイルスの影響で自分の住む街に近い弘前市も延期を発表しました。今年の新成人は2000年4月2日から翌年4月1日までに生まれた方々であり、彼らの生まれる前後によく流れていたのが2000年のヒット曲。この年は音楽ダウンロードサービスがないわけではないものの未だ普及せず、結果的にCDセールスランキングが社会的ヒットの鑑と言えるでしょう(オリコンによるランキング等はWikipediaに掲載)。一方で、先の『J-WAVE TOKIO HOT 100』における2000年の年間チャート(→こちら)をみると、セールスチャートで埋もれてしまいがちなヒット曲を見出すことが出来ますし、ともすれば新成人の両親もそのような曲に親しんでいたのではないでしょうか。

というわけで、当時のメインとなる年間チャートでこぼれた2000年のヒット曲をみてみましょう。

J-WAVE2000年の年間チャート、70位はキリンジ「エイリアンズ」。近年も『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)で話題となった名曲。いつ聴いても心の琴線に触れるこの曲のリリースから20年も経ったのかと驚かされます。

MISIA「sweetness」は「忘れない日々」と同時に、1999年11月末にリリース。セールスはJ-Popライクな「忘れない日々」に軍配が上がりますが、「sweetness」のR&B踏襲具合は見事。こういう曲が支持されることこそ日本に必要だよなと当時思っていました。J-WAVE2000年の年間チャート29位にランクイン。

昨年暮れにTwitterで、おそらくファンの呼びかけによるGRAPEVINEの人気アルバム投票企画が行われていた記憶があります。自分が彼らの魅力に気づいたのは2年後のシングル表題曲「ナツノヒカリ」になるのですが、J-WAVEでは良質なロックナンバーもきちんとOAしていたのが、年間チャート100位ランクインという結果に表れています。

「楽園」で広く世間にその名が轟いた平井堅さんによる「why」は、年間チャート5位に登場。前年に米でヒットしたシルク「If You (Lovin' Me)」等を手掛けた2000ワッツの手法を踏襲しつつ、決して重くなりすぎない点が見事でした。

 

その他、CDセールスランキングで見えにくい部分でも良い曲が。

年間CDセールスランキング48位に入った宇多田ヒカルAddicted To You」は1999年11月10日にリリースされたジャム&ルイスによるプロデュース曲。2作後のシングル「タイム・リミット」を手掛けたロドニー・ジャーキンス色の濃いアレンジが施された”UP-IN-HEAVEN MIX”が1曲目に収録され、ベストアルバムで採用されているのもこちらなのですが、個人的な白眉はジャム&ルイスが手掛け続けたジャネット・ジャクソンの如き艶やかさを味わえる”UNDERWATER MIX”なのです。

 

チャートを追いかけると当時の記憶や流行を思い出すことがあるはず。コロナ禍で新成人を祝いにくくなった感がありますが、彼らへのおめでとうの思いを抱きつつ、自分たちの頃を懐かしむ意味でも2000年の良曲を回顧してみることをお勧めします。

『NHK紅白歌合戦』はSpotifyにどう影響を及ぼしたか? 年末年始の動向を追う

昨年大晦日放送の『NHK紅白歌合戦』、後半のリアルタイム視聴率が前年を上回りました。

裏番組、さらに前日放送の『輝く!日本レコード大賞』(TBS)も視聴率が前年を超えたことから、在宅率の高さが伺えます。

 

年末の音楽番組、特にこの『NHK紅白歌合戦』は年明けの音楽チャートに、とりわけサブスク再生回数に大きな影響を及ぼします。一昨年の影響力については下記リンク先に記載しています。

では、今回はどうなるでしょうか。1月6日のビルボードジャパンソングスチャート発表を前に、ストリーミング指標のデータ提供元であるSpotifyの動向をみてみましょう。

 

NHK紅白歌合戦』で披露された曲のうち、日本のSpotifyデイリーチャート200位以内に登場した分の再生回数推移はこちら。

f:id:face_urbansoul:20210103080417j:plain

12月30日→大晦日→元日と、再生回数が減少していくのは前年と同様です。

f:id:face_urbansoul:20210103080847j:plain

上記表に掲載された曲の推移を表示し、一方で年末の地上波音楽番組に出演しなかった優里「ドライフラワー」を参照として点線表示。デイリー10万再生を超える作品はやはり12月30日→大晦日→元日と再生回数が減少し、その下落率は元日にかけて高まっています。

f:id:face_urbansoul:20210103081133j:plain

下落が多い中にあって、元日に嵐「カイト」が前日超えを果たし、GReeeeN関連曲が9割前後を推移。そしてYOASOBI「夜に駆ける」は8割を超えています。嵐の場合は活動休止前最終日にあたることや配信ライブの影響もありますが、GReeeeNそしてYOASOBIも高い注目を集めたことがSpotifyの動向から見えてくるのです。

 

ちなみにYOASOBIについては、今年に入り連日ブログエントリーにてその取組の素晴らしさを紹介していますが、昨日紹介した件に関連したスタッフによるツイートもただただ見事としか言いようがありません。

NHK紅白歌合戦』の出演、パフォーマンスへの高い注目に加えて、出演後のフォローアップの巧さが再生回数の維持、そして上昇につながっていくはずです。

NHKがメディアのあり方を変える? 紅白歌合戦とあたらしいテレビから思うこと

一昨日放送の『NHK紅白歌合戦』については高評価を挙げる声が多く聞こえてきます。Yahoo! JAPANトップページでもそのようなニュースが多く登場しており、仮に視聴率が高くなかったとしても今回の内容は今年以降に活かされてほしいと強く思っています。

紅白振り返り記事の中で、今朝ポータルサイトトップ画面のニュース欄に登場したのが、音楽ジャーナリストの柴那典さんによる寄稿。

後半では、2番の展開が「アイデア」(2018)を彷彿とさせる星野源「うちで踊ろう (大晦日)」の歌詞の意味を紐解いています。星野源さんのスタンスはソロデビューアルバム巻頭曲から一貫しているのですね。たとえば『MIU404』や『逃げるは恥だが役に立つ』(共にTBS)、そして後者主題歌の「恋」(2016)において、星野源さんは常に多様な価値観の肯定や尊重を提示しているように思いますし、それは同時に何かしらを否定しているわけではないよなあというのが私見です。

 

さて、柴那典さんの指摘で特に注目すべきなのが、『NHKプラスでの見逃し配信やYouTubeNHK公式チャンネルでの動画公開など、インターネットへの積極的な展開も今回の『紅白』からの特筆すべき取り組み』という点(『』内は、上記ツイート内リンク先の記事より)。

f:id:face_urbansoul:20210102055145j:plain

(上記キャプチャは『NHK紅白歌合戦』の動画アップロードを紹介するために掲載したものです。問題があれば削除いたします。)

全歌手分の映像はなく(しかしながら芸能事務所の区別なく掲載)、またティーザーのみでありNHKプラスへの誘導をメインとしているだろう動画ではありますが、このような形で即座にYouTubeへアップするNHKの行動(YouTubeへのアップロード時刻は不明ながら、本番中にも披露されたばかりのパフォーマンスをTwitterアカウントにアップしていたことを含む)は見事であり、且つ自分が日本の音楽業界への要望として掲げる点に光が射したことにおいても嬉しく思っています。

それにしても、1月2日8時30分の段階で最も再生回数が多いのがYOASOBI「夜に駆ける」であり、200万再生を突破したという状況に彼らの人気の凄さを思い知らされます。

 

 

柴那典さんの記事が掲載された昨夜、NHK総合で放送された『あたらしいテレビ』もまた興味深い内容でした。

『新春テレビ放談』に代わり生まれた番組。パネリスト5名が2020年の良質なメディア作品トップ10を挙げる中、前身番組から出演し、且つ問題提起を積極的に進めてきたヒャダインさんがワイドショーの自死報道を”怒り”として8位に挙げていること、そしてそこで交わされた議論は特に意味のあるものでした。

リアリティーショーについての話もありましたけど、出ている側の負担がすごく大きくて傷つく、というのは、われわれ外側にいる人間にはなかなか気づけないこと。SNS上で交わされるみなさんのことばは凶器になってナイフになって、その人を刺していっている可能性があるので、それを考えて動くべきだと思いました。自分がそうなっていないか、自分の中に「第三者委員会」を設けて自分が自分に気をつけてモノづくりしていかないと、どんどん人が傷ついていってしまう。昔の価値観や押し付けがあぶり出される時代になっていることを前提にしたモノづくりをしていかないといけない、と皆さんおっしゃっていたので、僕も「常にアップデートしていく」というのが2021年の課題だなと思いました。

それでもテレビが好きだから。 あたらしいテレビ2021 |NHK_PR|NHKオンラインにおける、収録後のヒャダインさんの感想より

昔ながらの価値観を問い質しブラッシュアップすることこそ、上層部や現場で制作する人、そして市井の我々そのすべてに求められることではないでしょうか。自己保身を捨てること、都合のいい自己責任論(それこそが自己保身の象徴たるものですが)を押し付けないことが何より重要であるとあらためて感じた次第です。

見逃し配信もあります。この番組こそ多くの方に観ていただき、そして価値観のズレを補正する習慣を身につけること、自己の中に客観視する自分を設けること、問題を指摘する行動力を手にすること、これら生まれることを切に願うばかりです。

 

年末年始、NHKの意思の素晴らしさを感じる2作品でした。

『NHK紅白歌合戦』出場はゴールではない、次の一年へのスタートである

2021年となりました。今年もよろしくお願いいたします。

 

 

昨日放送の『NHK紅白歌合戦』、一昨年よりもかなり良い内容だったと感じています。司会陣の安定っぷり、コロナ禍で無観客となったことで演出を減らした分歌へのフォーカスが多くなったこと、そしてパフォーマンス自体の素晴らしさ。特筆すべきパフォーマンスは多々ありますが、それにしても紅組の勝利にはいい意味で驚かされました。

たしかにそうは思いつつ、昨日NumberWebに掲載した記事では審査方法に伴い白組優勢と示唆。しかし蓋を開ければダブルスコアに。仮にSnow Manが出ていたならば、嵐が司会や大トリを務めたならば違った結果となっていたかもしれませんが、とはいえ興味深い結果だなと感じています。

 

一方で問題点も。特に前半出演者の曲披露の時間が圧倒的に短かったり、その分をディズニー演出に長尺充てる事態は、『NHK紅白歌合戦』が曲を真に愛しているのか、前半を大事にしていないのではないかとの疑問を抱きます。また、出演決定後にリリースされた曲を披露することはその浸透度が高くない点において違和感を抱くのですが、しかし坂本冬美ブッダのように私は死んだ」やMr.Children「Documentary film」等、良曲の発見もありました。

 

 

それにしても、YOASOBIです。

この年のビルボードジャパン年間ソングスチャートを制覇、テレビ初歌唱且つ中継出演という、米津玄師「Lemon」と同じ条件となる「夜に駆ける」のパフォーマンス。緊張必須と言えるだろう状況にあって、ikura(幾田りら)さんの歌ヂカラは圧倒的でした。

さて、今回のロケーションは、YOASOBIが小説を音楽にするコンセプトであることを一画面で提示するのに十分な場所でした。このチョイスだけでも本当に見事です。

上記ツイートで”細部まで何度も”と促すことで、録画やNHKプラスの視聴数上昇につながるのですから巧いですね。実際この”さりげない、でも確実な”催促は彼らが最も得意とするところなのです。

音楽専業のデータ分析・デジタルプロモーション・マーケティング会社arne(noteより)の代表、松島功さんによる上記ツイートでの指摘はまさに、2020年にYOASOBIが躍進した理由を的確に語っています。YOASOBIの強さは彼らがが気になった人の取り込み、コアなファンへの昇華、そしてコアなファンのさらなる熱意の増加につながるエンゲージメントの確立にあるのです。

だからこそ、今の日本の音楽業界の課題でもあるんですよね。

 

さらにYOASOBIの力添えになったのが、一発録りをコンセプトとするYouTubeチャンネル、THE FIRST TAKEの映像提供。「夜に駆ける」のみならず、LiSAさんのパフォーマンス前にも用いられています。またTHE FIRST TAKEは、自身のつぶやきを歌手のパフォーマンスのタイミングでリツイートすることで、チャンネル視聴をさり気なく誘導しているのです。

THE FIRST TAKEはおそらくソニーミュージックが運営。意地悪な見方かもしれませんが、下記インタビューでチャンネル運営スタッフがその名を明かさないのはソニーミュージックの名を徹底して消すことに努めているゆえだと考えます。

レコード会社の名を消すことの是非はともかく、また100%同レコード会社が運営していると断言はできませんがしかし、THE FIRST TAKEは2020年のソニーミュージックを象徴する成功例と言えるでしょうし、その好例が昨日のリツイートにも表れた形です。

 

NHK紅白歌合戦』のパフォーマンスはその一年の集大成であることは間違いありませんが、出演後にその先を見据えたアクションを採る方は多くありません。その中にあってYOASOBIそしてソニーミュージックは見事なまでに次の一年を見据えた活動を、それもさり気なくというスタイルに徹する形で行っています。その先にあるものは、1月6日にリリースされる初のフィジカル作品『THE BOOK』、そして同日配信リリースされる「怪物」なのです。

記事掲載のお知らせ、そして今年のブログエントリーを振り返る

今日からこのブログの毎日更新が7年目に入りました。読んでくださる皆さんに、心より感謝申し上げます。

そして大晦日の今日、『NHK紅白歌合戦』に関する記事が掲載されました。

チャートデータについては字数の関係もあり、そこまで細かな記載していませんが、こちらのエントリーを記事に貼っていますので合わせて読んでほしいと思っています。

実はこのエントリー、今年特に多くのアクセスをいただいているひとつです。記事やブログエントリーを機に、より社会的なヒットの鑑となっているビルボードジャパンソングスチャートの認知度が高まることを願うと共に、『NHK紅白歌合戦』をより楽しむための礎になるならば幸いです。

 

 

他にも今年アクセス数が多かったり、多くの反響をいただいたエントリーをまとめてみます。

 

ぐっさんこと山口智充さんが『DAYS』(ニッポン放送)を突如降板。その不思議な状況を調べた方から多くアクセスをいただきました。

県域ラジオ局が6月に2局なくなり、停波。ラジオ局の経営の難しさを思い知りました。

Twitterで多くの反響をいただいたのがInterFM897の大幅な変更についてのエントリーでした。ラジオ業界は音楽に対する愛情をもっと持ってほしい…それこそ雑誌のラジオ特集で音楽番組が取り上げられないのは本当によろしくないと思うのです。

 

歌手にフォーカスしたブログエントリーにはファンの方からの熱い支持をいただきました。その一方で、自分の捉え方のミスにより多くの批判をいただいた記事もありました。その点についてはあらためてお詫び申し上げます。

DISH//は一気に様々な番組に出演できるようになりましたが、それが特例であってはならないと思っています。批判と提言(非難ではありません)については、これからもここで記していきます。

 

 

最終的にビルボードジャパン年間ソングスチャートを制したYOASOBI「夜に駆ける」、そしてアルバムチャートを制した米津玄師『STRAY SHEEP』について、幾度となくエントリーを記載しました。如何にチャート上でインパクトを残し、多くの方が注目したかがよく解ります。

 

そして、来年開催のグラミー賞ノミネーションにおけるエントリーにも多くのアクセスをいただきました。個人的に、ザ・ウィークエンドが全くノミネートされない事態(せめて「Blinding Lights」はノミネートされるべきだと考えますが)については上記エントリーで述べたことが理由だと思っていますが如何でしょうか。

 

 

というわけで、より多くの方のアクセス数や支持、言及をいただいたエントリーをまとめてみましたが、他にもこれは面白かった、興味深い等感想がございましたら、はてなブログユーザーのみとはなりますがコメント欄をいただいたならば幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。

 

今年一年、お世話になりました。心より感謝申し上げます。来年が好い年になることを、心から願っています。

日本版グラミー賞の主要部門ノミネーションと受賞者を想像する(2020年度版)

ここ数年の恒例となっている、日本版グラミー賞があったならば?を仮定しノミネーションを考える企画、2020年度も掲載します。昨年度分は下記に。

来年開催される米グラミー賞においては、米ビルボード年間ソングスチャートを制した「Blinding Lights」を含め、ザ・ウィークエンドが一切ノミネートされなかったことから同賞への不満が噴出しています(その点については(追記あり) 米グラミー賞ノミネート発表…主要部門ノミネートの傾向および”不在”への私見(11月25日付)で述べています)。グラミー賞に問題がないわけではないものの、そもそも日本にグラミーのような権威があり且つ多くの方から支持される(それゆえ正当な批判も起こる)賞がないと考えています。そこでビルボードジャパンのチャート等を参考に、日本版グラミー賞を想定した上で選んでみました。今年度のビルボードジャパン各種チャートについては以下に私見をまとめています。

 

○日本版グラミー賞 主要4部門ノミネート一覧

 ・対象:2019年12月~2020年11月発売の作品より選出。ただしそれ以前の発表ながら、対象期間にヒットしたものも含む。

     (ちなみに米グラミー賞は2019年9月~2020年8月発売分が対象)

 ・新人賞(Best New Artist)についてはメジャーデビューしてからアルバム1枚以上リリースした歌手が対象(しかしながらその限りではない)

セレクトは昨日完了しました。

 

Record Of The Year (最優秀レコード賞)

あいみょん「裸の心」

・瑛人「香水」

Official髭男dism「I LOVE...」

・NiziU「Make you happy」

BTS「Dynamite」

・YOASOBI「夜に駆ける」

・米津玄師「感電」

・LiSA「炎」

主に2020年度ビルボードジャパン年間ソングスチャートを踏まえて選出。BTS「Dynamite」よりも年間チャートで上回る曲はあるものの、接触指標群が長けているほうが社会的な認知度の高い曲であるとの前提で選んでいます。この前提は、たとえば『ミュージックステーション』(テレビ朝日)の”今年の1曲ランキング”でも示されたものです。

なおこの賞においては海外の作品も等しく対象としています。実際のグラミー賞でもイギリス等の作品が多数、受賞やノミネートされています。

受賞するとすれば、ビルボードジャパン年間ソングスチャート最上位のYOASOBI「夜に駆ける」、もしくはソングスチャート首位登場からわずか6週で年間ソングスチャート9位に飛び込んできたLiSA「炎」の一騎打ちと考えます。

 

Song Of The Year (最優秀楽曲賞)

あいみょん「裸の心」

Official髭男dism「Laughter」

King Gnu「Teenager Forever」

・藤井風「優しさ」

三浦春馬「Night Diver」

・YOASOBI「夜に駆ける」

・米津玄師「感電」

・LiSA「炎」

ビルボードジャパン年間ソングスチャートを主体としながら(特にストリーミングやカラオケ指標を重視)、ネットや好事家の評判も踏まえて選出。最優秀レコード賞との被りは半数の4曲。アルバムの評判やその後のメディアでの取り上げ数の多さを踏まえ、藤井風「優しさ」を選んでいます。

受賞するとすれば…この賞については極めて難しいですが、どの作品にも可能性があるでしょう。映像作品のタイアップならば、その作品の世界観とリンクし高め合う作品が受賞に近づくものと捉えています。

 

Album Of The Year (最優秀アルバム賞)

あいみょん『おいしいパスタがあると聞いて』

・嵐『This is 嵐』

・Awich『孔雀』

King Gnu『CEREMONY』

・GEZAN『狂(KLUE)』

・藤井風『HELP EVER HURT NEVER』

・米津玄師『STRAY SHEEP』 

・ヨルシカ『盗作』

ビルボードジャパン年間アルバムチャート上位作品を主軸に、好事家の評判、そして音楽誌の年間アルバムランキングを踏まえて選出。特に音楽誌においては非常に面白い内容だったゆえに、その順位だけでもネットに掲載されないのは至極勿体なく思うのです。この点については昨日指摘していますが、Awich『孔雀』そしてGEZAN『狂(KLUE)』をはじめ、Moment Joon『Passport & Garcon』やMONOEYES『Between the Black and Gray』等の素晴らしさを知ることができたのはそれら雑誌のおかげです。 

本命は米津玄師『STRAY SHEEP』でしょう。CDセールスでのミリオン突破、ビルボードジャパン年間アルバムチャート構成3指標すべて1位という快挙を達成しているだけに尚の事。対抗は年間アルバムチャート2位のKing Gnu『CEREMONY』、そして好事家の評判が高くロングヒットとなり年間アルバムチャート34位に入った藤井風『HELP EVER HURT NEVER』でしょうか。

 

Best New Artist (最優秀新人賞)

・Vaundy

・瑛人

SixTONES

Snow Man

・NiziU

・藤井風

・YOASOBI

・Rin音

こちらもビルボードジャパンの各種年間チャート等を踏まえて選出。今年は新人の活躍が目立った一年だったと強く実感します。既存メディアに多数出演したジャニーズ事務所所属の二組もさることながら、YouTube、そしてなによりTikTokでのバズが大きな影響を及ぼしたと言え、聴き手に届くアプローチの仕方は一気に多様となりました。

受賞はYOASOBIが一歩リードでしょうか。しかしながらアルバムもしくはEP単位でのリリースがないため歌手の世界観を確認できる意味でも、藤井風が本命視されておかしくないでしょう。

 

 

以上主要4部門、いかがでしょうか。

以前からの繰り返しになりますが、音楽業界には日本版グラミー賞的な賞の創設は必要です。世界に誇る音楽賞が形骸化し日本レコード大賞への疑問が毎年のように噴出する一方、それを指摘する方が前向きな意見を提示しないことは疑問を抱きます。ならば日本レコード大賞を変えるよう提言し続けること、そして日本を代表する音楽賞を創設することは必要です。

(訂正および追記あり) 来たる2021年へ向けて、日本の音楽業界への要望を記す

(※追記(20時39分):タイトルを”来たるべき2021年”→”来たる2021年”へ変更しました。)

(※追記(21時29分):松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」について、ポニーキャニオン側がアニメーションによる公式ミュージックビデオをリリースしたとのご指摘をTwitter経由にていただきました。よって、②について訂正および加筆を実施しています。誤った情報の掲載についてお詫びすると共に、ご指摘いただいた方に感謝申し上げます。)

 

 

もうすぐ2020年も終わりますが、今年ほど奇妙な一年はなかったでしょう。新型コロナウイルスの影響を受けていない人はいません。マスク着用が当たり前になった、マスクが品切れした…マスクだけでも狂想曲が生まれていたわけです。

 

音楽業界をみるとライブやフェスが開催できない期間が長く、年末に向けて再び加速しています。まして、きちんと感染対策を採ったとしても過度なバッシングを受ける傾向がありました。閉店を余儀なくされるライブハウスも多く、他方で行政がエンタテインメント業界をきちんとケアしようとする姿勢が強くなかったと言えます。バッシングの空気に厳しく対処せず、それに乗っかったとすら感じるのです。 

そんな中で、コロナ禍から生まれた新たな試みも。新曲やニューアルバムを制作する方が多くテイラー・スウィフトは年に2枚もアルバムをリリース。リモートでのライブ開催や、自粛期間にTikTokYouTubeの人気が拡大し完全インディペンデントの作品がメジャー等に混じってフックアップされる環境が成熟。瑛人「香水」やYOASOBI「夜に駆ける」の大ブレイクはその最たる例でしょう。2曲とも『NHK紅白歌合戦』で披露されるわけで、勢いの凄まじさを感じずにはいられません。

世界に目を向けると、TikTokの人気継続は勿論のこと、世界中の流行を図る新たなチャートが米ビルボードで新設。Global 200およびGlobal Excl. U.S.はストリーミングとダウンロードから成る複合指標のチャートであり、K-Popやラテンが強い一方でJ-Popが強くないことが露呈しました。それでもLiSA「炎」がGlobal Excl. U.S.で最高2位を記録していますが、ダウンロードの圧倒的な強さと安定が好調の要因であり、たとえ日本でストリーミング記録を更新したとしても世界規模での同指標は高いと言えないのです。日本におけるサブスクサービス利用率の高くなさだったり、そもそもグローバルチャートがフィジカルセールスを加算していないこともあるでしょうが、理由は果たしてそれだけでしょうか。

TikTokの興隆とグローバルチャートの新設が(特に自分の中で)大きなキーワードとなった2020年。これらの影響力を踏まえ、では日本の音楽業界はどうすれば好いでしょう。それを【日本の音楽業界への要望】としてまとめてみます。

 

目次

 

① 新曲のデジタル解禁を徹底してほしい

日本市場では未だCDセールスを主軸とした戦略が目立っていますが、それら楽曲が未CD化のヒット曲よりも社会的な認知度が高くなく、ビルボードジャパン年間ソングスチャートでも低い傾向に。年を追う毎にその流れが加速しているのは間違いありません。

デジタルを解禁すればCDセールスに影響が及ぶという考えは旧態依然と言えるでしょう。タイミング良くリリースすれば(それが同時リリースだとしても)好い結果が出ることは、たとえばLiSA「炎」の一例だけでも十分な説得力があるはずです。現在におけるCD、特にシングル盤の購入はコアなファンによるものが大きいですが、デジタルをきちんと解禁すればむしろライトユーザーのCD購入、コアなファンになるという行動の昇華もあり得るはずです。

日本のサブスクサービス加入率は高いとは言えないでしょうが、仮に未解禁を続けていた方々が解禁に動いたならば、サブスクがより魅力的になり日本でのユーザー拡大と世界での再生回数の増加につながるはず。先述したように日本はダウンロード指標が他国より高いわけで、サブスクに伴うストリーミングが増加すれば今後J-Popのグローバルチャートトップ10入りも十分考えられるのです。そうすれば世界に推しの歌手の名が轟きますね。

 

 

② 旧譜のデジタルアーカイブも徹底してほしい

シティポップムーブメントが続く中、41年前にリリースされた松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」がグローバルにおける12月27日付Spotifyバイラルチャートで首位をキープしています。実は以前、竹内まりや「プラスティック・ラブ」(1984)が世界中で人気になる事態が発生していますが、Spotifyではベストアルバム『Expressions』がようやく12月11日に配信開始、それまで未解禁だったわけで、人気拡大の機会を逸したと言えるのです。

昨年5月になって「プラスティック・ラブ」のミュージックビデオがアップされましたがショートバージョンであり、12月29日現在で再生回数は300万にも届いていません。しかしこれでもまだ好い方で、松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」に至っては公式動画すらない状態…一方で松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」は12月25日、遂にアニメーションによるリリックビデオが公式として公開されました。こちらはフルバージョンとなっています。

とはいえ、海外で盛り上がりをみせる前に公式動画がアップされていない事態について、日本の良質なシティポップを掘り下げようとする海外の方が日本の音楽業界に辟易するのは間違いないでしょう。

ツイートではフリートウッド・マック「Dreams」の例を挙げましたが、このヒットはインフルエンサーTikTok使用が起点であれど、メンバーが再現動画を投稿したこと、そして作品がきちんとデジタル解禁されていることがリバイバルヒットにつながっています。

TikTokのバズはいつ発生し、どの国のどの時代の曲がヒットするか判りません。しかし、逆に言えばいつ発生してもいいように体制を整えないといけないのです。

 

 

③ 歌手別にYouTubeアカウントを用意してほしい

言い換えれば、レコード会社によるアカウントからの公式ミュージックビデオの投稿は避けてほしい、ということ。

先の竹内まりや「プラスティック・ラブ」はワーナーミュージック・ジャパンYouTubeアカウントからアップされていますが、世界中でこの曲が気になった方はなぜ竹内まりやさんのアカウントがないのか理解できないのではないでしょうか、日本においてはおそらく、他の国よりも歌手自身のアカウントを持っている方が少なく、それがアプローチのしにくさとなり、探すことへの諦めを生んでいると思われます。これでは機会損失甚だしいと思うのです。

 

 

④ テレビパフォーマンス映像のYouTube配信を徹底してほしい

過去の音楽番組を歌手別にまとめた映像集にはこのようなものがあります。

たとえば米ビルボードの最新ソングスチャートでも上位進出した、クラシックなクリスマスソングの多くにおいては最近新たなミュージックビデオが作られていますが、以前は過去のテレビパフォーマンス映像を個人がアップロードしたものに、その動画の大半が違法アップロードであったとしてもレコード会社等が権利者登録を行うことで半ば公式化させ、ストリーミング指標に加算されるようになったのです。

ビルボードでもビルボードジャパンでも現在は公式動画のみストリーミング指標(日本では動画再生指標およびストリーミング指標)にカウントされるようになりました。過去の番組の違法アップロード動画にクレジットを付けても意味が薄くなった以上、過去のテレビパフォーマンス映像を放送局から受け取り、公式として掲載することが必要でしょう。これはビルボードジャパンソングスチャートの構成指標の獲得のみならず、テレビ番組のアーカイブ化という面でも非常に有効なはずです。なおアメリカでは以前から、各種音楽賞授賞式やテレビ番組でのパフォーマンス映像を、歌手のアカウント発(一部はその番組アカウント発ですが)にてアップすることも多く行われており、日本でも行うとするならばインターネット時代に即した著作権法等の改革が大前提だと考えます。

 

 

⑤ 金曜リリースを標準化してほしい

特筆すべき動きとして、宇多田ヒカルさんがスクリレックスと組んだ「Face My Fears」を一昨年初めの金曜にリリースしたものの、次回作『One Last Kiss』EPは来年1月27日水曜にリリースされます。「Face My Fears」のチャートアクションの乏しさも水曜発売にシフトする一因だったかもしれませんが、しかし「Face My Fears」については他にも様々な理由があったと捉えています。

水曜発売が多い状況は、おそらくはCDリリースを前提にしたものでしょう。しかし海外では今や金曜発売が一般的です。敢えて他の曜日に発表する作品もありますが、それらの曲はチャート上できちんと理に適った戦略をなぞっているのです。また米ビルボードのグローバルチャートでは起点が金曜となっており、日本が水曜リリースを貫いているうちは、いくら日本で解禁日のダウンロードやストリーミングが高かったとしてもグローバルチャート初登場時における上位進出がしにくいのです。

さらに、金曜リリースを標準とする海外の作品が日本のチャートアクションで好成績を収めにくくなる以上、たとえばプロモーションやライブでの来日を敢えて避けるパターンが登場するかもしれません。金曜を標準リリース日とし、CD店着も同日、さらにビルボードジャパンの集計期間を金曜からとしたほうが好いだろうことは、グローバルチャート対策としても、また週末の実店舗来客数の増加につながるだろう点においても有効ではないでしょうか。

 

 

⑥ 日本の音楽業界を代表する賞を創設してほしい

日本レコード大賞はダメだという声をよく耳にしますし、来年開催のグラミー賞においてはザ・ウィークエンドの不在に対する非難も多く聞こえますが、一方で好事家や音楽(評論)を生業とする方からはグラミー賞への文句はあったとして日本の音楽賞に対しては諦めからの無視が目立つ事態。これはあまりにも不健全ではないでしょうか。

日本レコード大賞の今年のノミネーションをみても、特定のレコード会社や芸能事務所の強さ、おそらくは当初から辞退者を盛り込まないだろうこと、そしてそもそも日本レコード大賞Twitterアカウントが音楽の日と同じものでありTBSの意向が強いこと等、様々な保身と呼べるものが透けて見える点において、客観性の極めて乏しい同賞が日本を代表するものとは言えないと考えます。

世界の音楽にアクセスしやすくなりグローバルチャートが登場した一方、日本で最も優れた作品はこれだと胸を張って提示できる賞がなければ世界進出にとっても大きな機会損失です。改善を求め続けることも勿論必要ですが、いっそのこと音楽関係者や好事家の皆さんがきちんとした賞を設けることこそ必要でしょう。

 

 

⑦ 邦楽のベストアルバムを提示する場所を用意してほしい

これは切実です。

日本のメディアでは、例えば一部の音楽誌がその誌面に掲載することはあっても、ネットにはまず登場しません。おそらくは雑誌を購入してほしいという考えが根本にあるのでしょうが、少なくともランキングと概要だけでも発表し、詳しくは誌面でと促したほうが興味を持つ方は増えると思います。雑誌側の保身と言えるかもしれないスタンスは、アルバムの重要性や良作であることが広まらないという点において至極勿体なく思うのです。

同時に、日本レコード大賞におけるアルバム部門の軽視とも言える扱いにも強い疑問を抱きます。歌手の皆さんは曲単位のみならずアルバム(もしくはEP)単位でも心を込めて制作しているはずです。今年のビルボードジャパン年間アルバムチャートでは14位までがオリジナルアルバムであったことを踏まえれば、そしてベストアルバムがサブスクのプレイリストで代替可能になっていく可能性(そしてそれゆえの売上ダウン)を考えれば、尚の事オリジナルアルバムの重要性に即した評価の場所を与えないといけません。

 

 

ビルボードジャパンはソングスチャートの構成指標等の見直しを行ってほしい

こちらについては先週別エントリーにて記載しました。

特に強く願いたいのはCDセールスおよびルックアップ指標のウェイトダウン、および動画再生の加算対象動画からショートバージョン等を除外すること(さすがに後者は無理があることを承知で、それでも記載しています)。オリジナルおよびリミックスバージョンの合算についても記しましたが、その他の希望を述べるならば公開時間の統一化とその時間を”祭りにする”こと。以前からここで申し上げていますが、音楽ランキングにおいて未だ認知度の高いオリコンが火曜もしくは水曜の週間チャート更新時刻を毎週同じにしているため、チェックを習慣化する方は少なくないはずです。その習慣化をビルボードジャパンでも作り、またチャート公開時間により多くの方がアクセスしてくださるべく、たとえば18時公開と決めたならばその30分前にポッドキャスト担当者等が生配信を行い最新チャートの概要を説明した上で公開時間までつなぐのも面白いかもしれません。そしてその模様を後でポッドキャスト化すれば収録の二度手間もありません。

ビルボードジャパンの認知度上昇については肌で感じていますが、CDセールスを未だ主体とし、その数字が(全く意味を成さないということでは決してありませんが、しかし確実に)認知度と乖離してきているにもかかわらず、オリコンが未だ多くの方にとって認知度最上位に浮かび上がる状況は違うと思っています。実直なチャート作りも勿論必要ですが、その魅せ方の工夫も重要になってくるはずです。

 

 

⑨ 行政がエンタテインメントを大事にする姿勢を持ってほしい

新型コロナウイルスは誰もが経験したことのない事態とはいえ、たとえば台湾の対策の徹底っぷりと比較しても明らかに日本の遅れが目立っていました。私見と前置きするならば、その遅れを認め謝罪することなく、自分たちの正しさの証明を他者を敢えて持ち出して非難することでしか行わない政府与党をはじめとする行政の長の態度が、新型コロナウイルスからの立ち直りをさらに遅く、悪化させていると思えてなりません。その根底には誤った自己責任という、自分たちは責任を取らない代わりに国民(住民)が責任を取るべきという、行政側の自己保身、責任逃れがあるはずで、たとえば今週の記事における作家の村上春樹氏による考えには深く頷くばかりなのです。

感染を抑えることができず、年末のイベントにも大きな影響が出ています。また唐突とも言える年末の鉄道運行差し止めという事態にも疑問が。本来ならばもっと早く要請してもおかしくなかったのではないでしょうか。

無論他の業界も影響を受けていますが、心のゆとりに大きく影響するにも関わらず生き死にに直結しないという理由で行政の軽視や一部市井のバッシングを受けたエンタテインメント業界はより大きな影響を受けてしまったと言えるでしょう。政策の失敗を認めず、それも自己保身という意味での自己責任論にすり替えることは止めてほしいと思いますし、きちんとした対策を打たないとならないと強く思います。

 

 

 

他にも思い浮かぶものがあれば追記していきます。

来る2021年、新型コロナウイルスが収束することを何より願いますが、しばらく時間がかかることを前提に動かなければなりません。その自粛期間中にTikTokが興隆しそこから多数のヒットが登場したことやYouTube視聴が伸びたこと等を踏まえ、デジタル環境の強化を行うことは何より重要でしょう。そしてエンタテインメント業界に対し行政が心を配ること、改心することを願うばかりです。