来週の今日は成人の日ですが、新型コロナウイルスの影響で自分の住む街に近い弘前市も延期を発表しました。今年の新成人は2000年4月2日から翌年4月1日までに生まれた方々であり、彼らの生まれる前後によく流れていたのが2000年のヒット曲。この年は音楽ダウンロードサービスがないわけではないものの未だ普及せず、結果的にCDセールスランキングが社会的ヒットの鑑と言えるでしょう(オリコンによるランキング等はWikipediaに掲載)。一方で、先の『J-WAVETOKIO HOT 100』における2000年の年間チャート(→こちら)をみると、セールスチャートで埋もれてしまいがちなヒット曲を見出すことが出来ますし、ともすれば新成人の両親もそのような曲に親しんでいたのではないでしょうか。
「楽園」で広く世間にその名が轟いた平井堅さんによる「why」は、年間チャート5位に登場。前年に米でヒットしたシルク「If You (Lovin' Me)」等を手掛けた2000ワッツの手法を踏襲しつつ、決して重くなりすぎない点が見事でした。
その他、CDセールスランキングで見えにくい部分でも良い曲が。
年間CDセールスランキング48位に入った宇多田ヒカル「Addicted To You」は1999年11月10日にリリースされたジャム&ルイスによるプロデュース曲。2作後のシングル「タイム・リミット」を手掛けたロドニー・ジャーキンス色の濃いアレンジが施された”UP-IN-HEAVEN MIX”が1曲目に収録され、ベストアルバムで採用されているのもこちらなのですが、個人的な白眉はジャム&ルイスが手掛け続けたジャネット・ジャクソンの如き艶やかさを味わえる”UNDERWATER MIX”なのです。
さらにYOASOBIの力添えになったのが、一発録りをコンセプトとするYouTubeチャンネル、THE FIRST TAKEの映像提供。「夜に駆ける」のみならず、LiSAさんのパフォーマンス前にも用いられています。またTHE FIRST TAKEは、自身のつぶやきを歌手のパフォーマンスのタイミングでリツイートすることで、チャンネル視聴をさり気なく誘導しているのです。
ビルボードジャパン年間アルバムチャート上位作品を主軸に、好事家の評判、そして音楽誌の年間アルバムランキングを踏まえて選出。特に音楽誌においては非常に面白い内容だったゆえに、その順位だけでもネットに掲載されないのは至極勿体なく思うのです。この点については昨日指摘していますが、Awich『孔雀』そしてGEZAN『狂(KLUE)』をはじめ、Moment Joon『Passport & Garcon』やMONOEYES『Between the Black and Gray』等の素晴らしさを知ることができたのはそれら雑誌のおかげです。
(※追記(21時29分):松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」について、ポニーキャニオン側がアニメーションによる公式ミュージックビデオをリリースしたとのご指摘をTwitter経由にていただきました。よって、②について訂正および加筆を実施しています。誤った情報の掲載についてお詫びすると共に、ご指摘いただいた方に感謝申し上げます。)
シティポップムーブメントが続く中、41年前にリリースされた松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」がグローバルにおける12月27日付Spotifyバイラルチャートで首位をキープしています。実は以前、竹内まりや「プラスティック・ラブ」(1984)が世界中で人気になる事態が発生していますが、Spotifyではベストアルバム『Expressions』がようやく12月11日に配信開始、それまで未解禁だったわけで、人気拡大の機会を逸したと言えるのです。
昨年5月になって「プラスティック・ラブ」のミュージックビデオがアップされましたがショートバージョンであり、12月29日現在で再生回数は300万にも届いていません。しかしこれでもまだ好い方で、松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」に至っては公式動画すらない状態…一方で松原みき「真夜中のドア ~ Stay With Me」は12月25日、遂にアニメーションによるリリックビデオが公式として公開されました。こちらはフルバージョンとなっています。
特筆すべき動きとして、宇多田ヒカルさんがスクリレックスと組んだ「Face My Fears」を一昨年初めの金曜にリリースしたものの、次回作『One Last Kiss』EPは来年1月27日水曜にリリースされます。「Face My Fears」のチャートアクションの乏しさも水曜発売にシフトする一因だったかもしれませんが、しかし「Face My Fears」については他にも様々な理由があったと捉えています。