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【海外ビルボード】テイラー・スウィフト、史上二度目の米ビルボードトップ10独占達成

現地時間の4月29日月曜に発表された、最新5月4日付米ビルボードソングチャート(集計期間:4月19~25日)。テイラー・スウィフト『The Tortured Poets Department』収録曲がトップ10を独占しました。この記録は、テイラーが『Midnights』収録曲で独占を果たした2022年11月5日付ソングチャート以来、史上二度目となります。

最新のトップ10はこちら。

1位 (初登場) テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」

2位 (初登場) テイラー・スウィフト「Down Bad」

3位 (初登場) テイラー・スウィフト「I Can Do It With A Broken Heart」

4位 (初登場) テイラー・スウィフト「The Tortured Poets Department」

5位 (初登場) テイラー・スウィフト「So Long, London」

6位 (初登場) テイラー・スウィフト「My Boy Only Breaks His Favorite Toys」

7位 (初登場) テイラー・スウィフト「But Daddy I Love Him」

8位 (初登場) テイラー・スウィフト feat. フローレンス・アンド・ザ・マシーン「Florida!!!」

9位 (初登場) テイラー・スウィフト「Who's Afraid Of Little Old Me?」

10位 (初登場) テイラー・スウィフト「Guilty As Sin?」

今回のテイラー・スウィフトによるソングスチャートトップ10独占は、同日付の米ビルボードアルバムチャートで『The Tortured Poets Department』が初登場で首位を記録したことに伴います。同作は初週獲得ユニット数が261万に達し、うちストリーミング(動画を含む)のアルバム換算分が683,000ユニットを獲得。これがソングチャートにも波及しており、収録曲は14位までを独占しました。テイラー・スウィフト『The Tortured Poets Department』オリジナルバージョンおよび拡張版に収録された31曲の順位については、下記ポストをご参照ください。

テイラー・スウィフトはオリジナルアルバムにおける前作『Midnights』(2022)にてトップ10を独占しましたが、その際は11位および12位が異なる歌手の作品となっていました。ゆえに14位までの独占は史上初となります。なお2022年11月5日付米ビルボードソングチャートの翻訳エントリーはこちらをご確認ください。

 

ビルボードソングチャート65年の歴史において史上1,170曲目の首位となったテイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」はストリーミング7620万、ダウンロード19,000およびラジオ3110万を記録。ストリーミングはテイラーにとって9曲目の首位となり女性歌手では最多に(全体ではドレイクの20曲が最多)。ダウンロードは史上最多の首位獲得記録を29曲に更新。またラジオでは14位となり、テイラーにとって「Anti-Hero」の13位に次ぐ高位置での初登場となります。

「Fortnight」におけるストリーミング7620万という週間再生回数は、米ビルボードソングチャートがストリーミングの動画再生分からYouTubeによるUGC("踊ってみた"や"歌ってみた"に代表されるユーザー生成コンテンツ)を外した2020年以降では最多に。これまではオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が2021年1月23日付の初登場時に記録した7610万が最多でした。なお公式のオンデマンドストリーミングでは「Fortnight」が6620万を記録しており、これは「Drivers License」が記録した6680万以来の高水準となります。

 

テイラー・スウィフトは「Fortnight」で12曲目となる首位を獲得。ホイットニー・ヒューストンを上回り、マドンナおよびザ・シュープリームスに並ぶ史上6位タイとなりました。

<米ビルボードソングチャート 首位獲得曲数>

・20曲 ザ・ビートルズ

・19曲 マライア・キャリー

・14曲 リアーナ

・13曲 ドレイク

・13曲 マイケル・ジャクソン

・12曲 マドンナ

・12曲 ザ・シュープリームス

・12曲 テイラー・スウィフト

・11曲 ホイットニー・ヒューストン

・10曲 ジャネット・ジャクソン

・10曲 スティーヴィー・ワンダー

テイラー・スウィフトによる首位獲得曲は以下の通り。共演や客演を伴う曲での首位獲得は、ケンドリック・ラマーを迎えた「Bad Blood」(2015)以来2曲目となります。また初登場での首位獲得は7曲となり、テイラーはアリアナ・グランデと並び女性歌手では最多となりました(全体ではドレイクの9曲が最高)。また2020年代においてテイラーは7曲目の首位を獲得し、ドレイクと並び最多に。BTSおよびアリアナが6曲で続いています。

テイラー・スウィフトによる米ビルボードソングチャート首位獲得曲>

(初登場での首位獲得には※を表示。)

・「We Are Never Ever Getting Back Together」(2012年9月1日付以降 3週)

※「Shake It Off」(2014年9月6日付以降 4週)

・「Blank Space」(2014年11月29日付以降 7週)

・「Bad Blood (feat. ケンドリック・ラマー)」(2015年6月6日付 1週)

・「Look What You Made Me Do」(2017年9月16日付以降 3週)

※「Cardigan」(2020年8月8日付 1週)

※「Willow」(2020年12月26日付 1週)

※「All Too Well (Taylor's Version)」(2021年11月27日付 1週)

※「Anti-Hero」(2022年11月5日付以降 8週)

・「Cruel Summer」(2023年10月28日付以降 2週)

※「Is It Over Now? (Taylor's Version)(From The Vault)」(2023年11月11日付 1週)

※「Fortnight (feat. ポスト・マローン)」(2024年5月4日付 1週)

 

テイラー・スウィフトは昨年10月に「Cruel Summer」が米ビルボードソングチャートを制覇。2019年リリースのアルバム『Lover』収録曲が首位を獲得したことで、テイラーはリアーナに並び、オリジナルアルバム7作品から連続で首位曲を輩出した形となりました。そして今回「Fortnight」が首位を獲得したことで、その記録を8作品に伸ばしています。

テイラー・スウィフトのオリジナルアルバム収録曲 米ビルボードソングチャート制覇一覧>

・『Red』「We Are Never Ever Getting Back Together」(2012)

・『1989』「Shake It Off」「Blank Space」「Bad Blood (feat. ケンドリック・ラマー)」(2014-2015)

・『Reputation』「Look What You Made Me Do」(2017)

・『Lover』「Cruel Summer」(2023 アルバムリリースは2019)

・『Folklore』「Cardigan」(2020)

・『Evermore』「Willow」(2020)

・『Midnights』「Anti-Hero」(2022)

・『The Tortured Poets Department』「Fortnight (feat. ポスト・マローン)」(2024)

アルバムからは「The Tortured Poets Department」がソングチャート4位に初登場。アルバムタイトルを冠した曲における最高位を更新し、且つ初のトップ5入りを果たしています。これまでは「Red」(6位)、「Speak Now」(8位)、「Fearless」(9位)および「Lover」(10位)がトップ10入りしていました。

 

今回トップ10を独占したテイラー・スウィフトは、自身の持つトップ10ヒットが50曲を上回り、女性歌手では初となりました。

<ソングスチャート最多トップ10輩出歌手>

・77曲 ドレイク

・59曲 テイラー・スウィフト

・38曲 マドンナ

・35曲 ザ・ビートルズ

・32曲 リアーナ

・30曲 マイケル・ジャクソン

・29曲 エルトン・ジョン

・28曲 マライア・キャリー

・28曲 スティーヴィー・ワンダー

・27曲 ジャネット・ジャクソン

・26曲 ジャスティン・ビーバー

・25曲 リル・ウェイン

・25曲 エルヴィス・プレスリー

(※エルヴィス・プレスリーは米ビルボードソングスチャート開始前にキャリアを開始。)

今回、テイラー・スウィフトは『The Tortured Poets Department』収録の31曲(オリジナルバージョンおよび拡張版収録の全曲)、および「Cruel Summer」の計32曲がソングチャート100位以内に登場。単一週におけるランクイン曲数では女性歌手最多、且つ史上2位に。全体ではモーガン・ウォレンの36曲が最多となり、アルバム『One Thing At A Time』が米ビルボードアルバムチャートを初登場で制した2023年3月18日付で達成しています。なおその週ではモーガンは27曲を初登場で送り込んだ一方、テイラーは今回31曲が初登場しており、テイラーは同一週での最多初登場記録を達成しました。

 

テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」はテイラー、ポストおよびジャック・アントノフの3名によるソングライト、そしてテイラーおよびジャックがプロデュースを務めています。今回の首位獲得に伴い、テイラーは共同プロデュースで6曲目、共同ソングライトとして12曲目の首位となりました。またジャックはソングライター、プロデューサー双方で6曲目の首位に、ポストはソングライターとして5曲目の首位を獲得しています。

『Midnights』収録曲のソングチャート独占時(2022年11月5日付)にて「Snow On The Beach」に参加したラナ・デル・レイが4位にランクインしたように、今回『The Tortured Poets Department』に参加したポスト・マローン、そしてフローレンス・アンド・ザ・マシーンがトップ10ヒットを獲得しています。

ポスト・マローンは5曲目の首位獲得にして、初登場での首位到達は初。またトップ10ヒットは12曲目となります。

<ポスト・マローンによる米ビルボードソングチャート首位獲得曲>

・「Rockstar (feat. 21サヴェージ)」(2017年10月28日付以降 8週)

・「Psycho (feat. タイ・ダラー・サイン)」(2018年6月16日付 1週)

・「Sunflower (Spider-Man: Into The Spider-Verse) (with スウェイ・リー)」(2019年1月19日付 1週)

・「Circles」(2019年11月30日付以降 3週)

・「Fortnight (テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン)」(2024年5月4日付 1週)

また「Florida!!!」(8位)に参加したフローレンス・アンド・ザ・マシーンにとっては初のトップ10ヒットに。バンドでボーカルを務めるフローレンス・ウェルチは、カルヴィン・ハリスに客演参加した「Sweet Nothing」にて2013年2月に10位を記録しています。

 

テイラー・スウィフトが14位までを占拠したことでベンソン・ブーン「Beautiful Things」は3→15位となり、前週までランクインしていた曲では最高位となりました。なおテイラーが前回トップ10を独占した2022年11月5日付にて、その前週までランクインしていた曲における最高位はサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」でした(1→11位)。

前週キャリア初の首位を獲得したホージア「Too Sweet」は16位に。またフューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」は2→17位、テディ・スウィムズ「Lose Control」は4→18位にいずれも後退。「Lose Control」はラジオが前週比1%ダウンの6950万を記録し、同指標3週目の首位を獲得しています。

 

今回、テイラー・スウィフト『The Tortured Poets Department』がアルバム/ソングチャートで達成した様々な記録については、米ビルボードによる下記記事でまとめられています(記録達成の度に更新されます)。

またソングチャートにおけるテイラー・スウィフトの様々な記録はこちらの記事でも紹介されています。

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。5月4日付では前週キャリア初の首位を獲得したホージア「Too Sweet」およびアルテマス「I Like The Way You Kiss Me」が共に脱落し、テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」がGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.の双方にて初登場で首位を獲得しています。

テイラー・スウィフトはGlobal 200で9位までを占拠し、Global Excl. U.S.ではトップ10に6曲を送り込んでいます。なおテイラーは、オリジナルアルバムの前作『Midnights』収録曲でもGlobal 200のトップ10を寡占し、トップ5を占めています。

 

テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」はGlobal 200でストリーミング1億7680万、ダウンロード27,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング1億170万、ダウンロード8,000を、それぞれ記録しています。Global 200において「Fortnight」は週間ストリーミング再生回数において歴代8位に入りました。

<Global 200における週間ストリーミング歴代トップ10>

1位 2億8920万 BTS「Butter」(2021年6月5日付)

2位 2億1710万 ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月29日付)

3位 2億1710万 マイリー・サイラス「Flowers」(2023年2月4日付)

4位 2億1210万 BLACKPINK「Pink Venom」(2022年9月3日付)

5位 1億8560万 マイリー・サイラス「Flowers」(2023年2月11日付)

6位 1億7910万 マイリー・サイラス「Flowers」(2023年1月28日付)

7位 1億7820万 アデル「Easy On Me」(2021年10月30日付)

8位 1億7680万 テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」(2024年5月4日付)

9位 1億7080万 BTS「Permission To Dance」(2021年7月24日付)

10位 1億6980万 BTS「Butter」(2021年6月12日付)

テイラー・スウィフトはGlobal 200で5曲目の首位を獲得、バッド・バニーを上回りソロ歌手では最多記録を達成しました。なお全体ではBTSの7曲が最多となります。

テイラー・スウィフトによるGlobal 200首位獲得曲>

・「All Too Well (Taylor's Version)」(2021年11月27日付 1週)

・「Anti-Hero」(2022年11月5日付以降 4週)

・「Cruel Summer」(2023年11月4日付以降 4週)

・「Is It Over Now? (Taylor's Version)(From The Vault)」(2023年11月11日付 1週)

・「Fortnight (feat. ポスト・マローン)」(2024年5月4日付 1週)

テイラー・スウィフトのGlobal 200におけるトップ10ヒットは33曲となり、ドレイクの35曲に次ぐ歴代2位に。また「Fortnight」に客演参加したポスト・マローンは同チャート初制覇、そして「Florida!!!」(8位)に客演参加したフローレンス・アンド・ザ・マシーンは同チャート初のトップ10入りを果たしています。

Global 200で前週までランクインしていた曲では、アルテマス「I Like The Way You Kiss Me」が最高位(2→10位)。なお前週このチャートを初めて制したホージア「Too Sweet」は13位に後退しています。

 

テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」はGlobal Excl. U.S.も制し、「All Too Well (Taylor's Version)」(1週)、「Anti-Hero」(2週)に続く3曲目の首位に。バッド・バニー、BLACKPINK、アリアナ・グランデおよびジョングクに並び、ソロ歌手では最多タイに。全体ではBTSの7曲が最多となります。なおポストは同チャート初制覇となります。

テイラー・スウィフトはGlobal Excl. U.S.にて6曲をトップ10内に送り込んだことでGlobal Excl. U.S.におけるトップ10ヒットは20曲となり、バッド・バニー(18曲)を抜いて史上最多となりました。

Global Excl. U.S.で前週までランクインしていた曲では、アルテマス「I Like The Way You Kiss Me」が最高位(1→2位)、フロイメナー & クリスMj「Gata Only」が4→3位(最高位更新)、ベンソン・ブーン「Beautiful Things」が2→5位、そしてILLIT「Magnetic」が3→8位となっています。