2021年となりました。今年もよろしくお願いいたします。
昨日放送の『NHK紅白歌合戦』、一昨年よりもかなり良い内容だったと感じています。司会陣の安定っぷり、コロナ禍で無観客となったことで演出を減らした分歌へのフォーカスが多くなったこと、そしてパフォーマンス自体の素晴らしさ。特筆すべきパフォーマンスは多々ありますが、それにしても紅組の勝利にはいい意味で驚かされました。
今日掲載の #NumberWeb の記事で、ビルボードジャパンソングスチャート的には紅組優勢と書きましたが、パフォーマンス的にも紅組優勢というのが私見です https://t.co/rkpa4zrea8 #NHK紅白
— Kei (@Kei_radio) 2020年12月31日
たしかにそうは思いつつ、昨日NumberWebに掲載した記事では審査方法に伴い白組優勢と示唆。しかし蓋を開ければダブルスコアに。仮にSnow Manが出ていたならば、嵐が司会や大トリを務めたならば違った結果となっていたかもしれませんが、とはいえ興味深い結果だなと感じています。
一方で問題点も。特に前半出演者の曲披露の時間が圧倒的に短かったり、その分をディズニー演出に長尺充てる事態は、『NHK紅白歌合戦』が曲を真に愛しているのか、前半を大事にしていないのではないかとの疑問を抱きます。また、出演決定後にリリースされた曲を披露することはその浸透度が高くない点において違和感を抱くのですが、しかし坂本冬美「ブッダのように私は死んだ」やMr.Children「Documentary film」等、良曲の発見もありました。
それにしても、YOASOBIです。
#NHK紅白 YOASOBIにたくさんのエールをくださり本当にありがとうございました。いかがでしたか?
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2020年12月31日
「夜に駆ける」に引っ張ってもらって辿り着いた夢の舞台。まだまだ止まらず来年も駆けていきます。どうか着いてきてくださいね🔥
💫All YOASOBI's SONGS🌙https://t.co/CHk2W5zNMd pic.twitter.com/QXhBFsALGn
🔴YOASOBIのみなさんで
— NHK紅白歌合戦 (@nhk_kouhaku) 2020年12月31日
『夜に駆ける』
貴重なテレビ初パフォーマンス
すばらしかったです!
見逃した方・もう一度見たい方は
NHKプラスで見られます▼https://t.co/QpADaQJ3xm#NHK紅白#YOASOBI pic.twitter.com/YZfEGRnLeW
この年のビルボードジャパン年間ソングスチャートを制覇、テレビ初歌唱且つ中継出演という、米津玄師「Lemon」と同じ条件となる「夜に駆ける」のパフォーマンス。緊張必須と言えるだろう状況にあって、ikura(幾田りら)さんの歌ヂカラは圧倒的でした。
さて、今回のロケーションは、YOASOBIが小説を音楽にするコンセプトであることを一画面で提示するのに十分な場所でした。このチョイスだけでも本当に見事です。
この晴れ舞台のために、角川武蔵野ミュージアム「本棚劇場」がYOASOBI一色に。
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2020年12月31日
映像演出は「夜に駆ける」MVも手掛けた藍にいなさん。こちらも今日だけの特別ver.を短期間で仕上げてくれました。
一回だけではもったいない!録画してくれた方はぜひ、細部まで何度も見てみてくださいね🌙#NHK紅白 pic.twitter.com/Xr10vCqJGR
上記ツイートで”細部まで何度も”と促すことで、録画やNHKプラスの視聴数上昇につながるのですから巧いですね。実際この”さりげない、でも確実な”催促は彼らが最も得意とするところなのです。
紅白出演後のアテンションが1番高く、ツイート数が1番多い瞬間に投稿を出すチーム。
— Ko Matsushima / 松島 功 (@komatsushima) 2020年12月31日
YouTube遷移とTwitter遷移もいれたLINKFIREを投稿するYOASOBI👏BABYMETALの復習遷移👏💯
それにしても終わった後すぐ投稿出してる人、少なすぎますね😅 pic.twitter.com/yAd5DJOBeX
音楽専業のデータ分析・デジタルプロモーション・マーケティング会社arne(noteより)の代表、松島功さんによる上記ツイートでの指摘はまさに、2020年にYOASOBIが躍進した理由を的確に語っています。YOASOBIの強さは彼らがが気になった人の取り込み、コアなファンへの昇華、そしてコアなファンのさらなる熱意の増加につながるエンゲージメントの確立にあるのです。
だからこそ、今の日本の音楽業界の課題でもあるんですよね。
#YOASOBI の取組こそ、楽曲がより多くの方に届きロングヒットや年間ソングスチャート上位進出する大きな力なんですよね…日本の音楽業界の意識が変わらないといけないと強く思います #日本の音楽業界への要望 #NHK紅白 https://t.co/QAagmUkTJj
— Kei (@Kei_radio) 2020年12月31日
さらにYOASOBIの力添えになったのが、一発録りをコンセプトとするYouTubeチャンネル、THE FIRST TAKEの映像提供。「夜に駆ける」のみならず、LiSAさんのパフォーマンス前にも用いられています。またTHE FIRST TAKEは、自身のつぶやきを歌手のパフォーマンスのタイミングでリツイートすることで、チャンネル視聴をさり気なく誘導しているのです。
【#THEFIRSTTAKE2020】
— THE FIRST TAKE (@The_FirstTake) 2020年12月31日
THANK YOU 2020!
▼「#THEHOMETAKE 」を公開https://t.co/0UhTZEcwez#miwa #milet #YOASOBI #BLUEENCOUNT #Omoinotake#DISH #押尾コータロー #DEPAPEPE #崎山蒼志 #SUPERBEAVER #Rin音 #神はサイコロを振らない #優里 #キタニタツヤ #TaniYuuki #MYFIRSTSTORY#清竜人
THE FIRST TAKEはおそらくソニーミュージックが運営。意地悪な見方かもしれませんが、下記インタビューでチャンネル運営スタッフがその名を明かさないのはソニーミュージックの名を徹底して消すことに努めているゆえだと考えます。
<Chart insight>YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』がチャートに与えた影響とは https://t.co/fCCQuvOCJ8 pic.twitter.com/h6yWYlEuVa
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年12月28日
レコード会社の名を消すことの是非はともかく、また100%同レコード会社が運営していると断言はできませんがしかし、THE FIRST TAKEは2020年のソニーミュージックを象徴する成功例と言えるでしょうし、その好例が昨日のリツイートにも表れた形です。
『NHK紅白歌合戦』のパフォーマンスはその一年の集大成であることは間違いありませんが、出演後にその先を見据えたアクションを採る方は多くありません。その中にあってYOASOBIそしてソニーミュージックは見事なまでに次の一年を見据えた活動を、それもさり気なくというスタイルに徹する形で行っています。その先にあるものは、1月6日にリリースされる初のフィジカル作品『THE BOOK』、そして同日配信リリースされる「怪物」なのです。