最新8月13日公開分(集計期間:8月4~10日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週首位に到達した乃木坂46「Same numbers」が31位に後退。King & Prince「What We Got ~奇跡はきみと~」が10,091ポイントを獲得し、首位の座に就いています。
【ビルボード】King & Prince「What We Got ~奇跡はきみと~」&「I Know」DLソング・チャート トップ2独占 https://t.co/731naBTjOc
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年8月13日
フィジカルシングル表題曲(ダブルAサイドシングルの場合はフィジカルセールス指標加算対象曲)において、King & Princeは「halfmoon」(2024年5月29日公開分 12,086ポイント)、「HEART」(2025年3月19日公開分 13,940ポイント)に続き、3作連続で総合チャートを制しています。総合首位獲得時のポイントは「What We Got ~奇跡はきみと~」が前2作に比べて低いものの、これはデジタル解禁のタイミングが影響しているといえます
King & Princeはフィジカルシングルでは「halfmoon」以降デジタルを解禁。同曲そして次作の「HEART」においても、フィジカルリリース週の月曜にデジタル解禁したことでフィジカル/デジタルが同じ週に初加算され、スタートダッシュに貢献しています。他方、今作「What We Got ~奇跡はきみと~」は5月23日に先行解禁されています。

そのデジタル先行という状況下で、King & Prince「What We Got ~奇跡はきみと~」が1万ポイントを突破した要因は3つあるものと考えます。
1つ目は、同じく先行解禁済の「I Know」を含む通常盤を8月6日にデジタルリリースしたことに伴うダウンロード指標の再上昇。ちなみに初回限定盤3種にそれぞれ収録された3曲は、現時点で未解禁の状況です。
2つ目は動画再生指標に関して。「What We Got ~奇跡はきみと~」のミュージックビデオは当週の集計期間初日に解禁されています。同週にはダンスバージョンも公開され、同指標の再加算に貢献した形です。
(なおこれまではミュージックビデオのティザーがデジタル解禁日に登場しており(→こちら)、総合ソングチャート初登場時に動画再生指標が加点されていました。そのティザーはKing & Princeの公式YouTubeアカウント発でしたが、当週の集計期間内に公開された2本の動画はDisneyMusicJapanVEVOのYouTubeチャンネルから公開されています。)
そしてもう1つは、ラジオ指標における3位再登場。この指標はプランテックによる全国主要ラジオ局のオンエア回数に基づき聴取可能人口等を加味して算出されるのですが、「What We Got ~奇跡はきみと~」においては施策が行われたことがプランテックの記事から想起可能です。
3位はKing & Prince「What We Got ~奇跡はきみと~」が圏外から浮上した。ミッキーマウスの新オフィシャルテーマソングとなる同曲は、5月23日の配信リリース時にオンエアが開始されると5月26日~6月1日チャートで56位に初登場。2週続けてTOP200圏内をキープするもその後圏外へとダウンしつつ、ダブルAサイドシングルとしてのCDリリース日を迎えた今週、再び大きくオンエアが伸長。9週ぶりの再登場となった。
定期オンエア枠を中心に調査対象局の67.7%と、上位5曲中もっとも挟範囲でのオンエア獲得ながら、リクエストオンエアを全国範囲で獲得している点はさすが。セールスも絶好調のようだ。
近年のラジオ指標は男性アイドルやダンスボーカルグループの作品がフィジカルリリースのタイミングで上昇することが多く、定期オンエア枠でのコメント出演やゲスト出演等が影響しています。その場合は調査対象局のオンエア割合が高くないことが特徴となり、また施策後に急落する可能性は高いものの、施策は瞬発力の増強に寄与します。
これらにより、King & Prince「What We Got ~奇跡はきみと~」は週間1万ポイント超えを達成。STARTO ENTERTAINMENT所属歌手(エージェント契約含む)による今年度週間1万ポイント超えはSnow Man「SERIOUS」(7月30日公開分 11,720ポイント)、そしてKing & Prince「HEART」「What We Got ~奇跡はきみと~」の3曲であり、デジタルに明るいこと、そして公開タイミング等施策の徹底が功を奏していることがよく解ります。

またKing & Princeは、ダブルAサイドのもう1曲である「I Know」が前週からひとつ順位を落とすも、当週32位にランクイン。デジタル初の1週間フル加算に伴い、ストリーミング指標が100位未満から45位に上昇したことが影響した形です。フィジカルセールス指標未加算の曲でもデジタルを解禁すれば総合チャートに登場できるということを、「I Know」は示しています。
STARTO ENTERTAINMENTにおけるKing & Princeのデジタル姿勢を先日記したばかりですが、今回の総合首位獲得でその結果が再度示されたと言っても過言ではないでしょう。またデジタルに明るくない歌手のコアファンの中には"デジタルがフィジカルセールスを駆逐しかねない"という懸念を時折耳にしますが、King & Princeは「halfmoon」以降において初週フィジカルセールスを着実に伸ばしています。

無論大事なのはロングヒットです。その点にて、要となるストリーミング指標で「What We Got ~奇跡はきみと~」が加点対象となりながらも100位未満と強くないことが気になりますが、その点がクリアできればロングヒットも期待できるでしょう。