ミュージックビデオのデジタルアーカイブ化が進んでいます。
今年 11 月 3 日にデビューから 25 年を迎える嵐ですが、 ファンの皆様に周年をお楽しみいただくための、いくつかの企画を準備しておりますので、お知らせいたします✨
— ARASHI (@arashi5official) 2024年9月15日
⭐︎25周年特設サイト「MY BEST ARASHI」 OPEN!
⭐︎ 嵐LIVE DVD合計12タイトルをBlu-ray 化、11月3日(日)発売決定!… pic.twitter.com/AMrTxDzSJU
STARTO ENTERTAINMENT所属歌手の中で一足早くサブスク解禁を実施した嵐は、デビュー25年記念の施策の一環としてミュージックビデオの一斉解禁を実施しています。1週間前に公開された動画のほぼすべてが、このブログエントリー執筆段階にて10万回再生を突破しています。
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— Misia.jp (@MISIA) 2024年11月8日
📢 #MISIA 過去楽曲のMV
リマスター版をYouTubeで公開!
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デビュー曲の「つつみ込むように…」や
「Everything」、「逢いたくていま」など
過去21作品のミュージックビデオの
リマスター版を、YouTubeにて公開しました✨
この機会にぜひ高画質で
ミュージックビデオをお楽しみください🎶… pic.twitter.com/bvqZ9JKacq
先週にはMISIAさんが、過去作のミュージックビデオを高画質リマスター版にて公開。元の動画に上書きされた形での公開は今年春の宇多田ヒカルさんによる対応とは異なりますが、過去作に再び触れるきっかけになるといえるでしょう。
ミュージックビデオの高画質化については、今年春における宇多田ヒカルさんの事例を以前紹介しています。宇多田さんの施策については連日公開、および通常版も残すというスタンスを採っており、MISIAさんのような一斉および上書き公開とは異なります。どちらが好いかは断言できませんが、たとえば嵐のミュージックビデオ一斉公開においては以下の記事が発信されたこともあり、連日のほうが好いかもしれないと考えます。
(尤もこの記事をはじめとするゴシップメディアからの発信は、嵐をいわば”腐す”こと、およびそれによってアクセス数を稼ぐことが主目的でしょう。アクセスしないことを望むと共に、このような悪意を平然と流すメディアがなくなることを願います。そのためには受け手のリテラシー強化も重要です。)
とはいえ、デジタルアーカイブの充実自体は非常に好い試みです。逆に、それが行われていないために機会損失が生まれるということも少なくありません。
◤◢◤🎵情報解禁🎵◢◤◢#ベストヒット歌謡祭 2024🎤
— ベストヒット歌謡祭2024【公式】|11月14日(木)よる7時生放送 (@besthitskayosai) 2024年11月9日
🎊一夜限りの特別企画 発表🎊
11/14(木)よる7時から3時間生放送✨
2024年を彩ったアーティストが
一夜限りの夢のステージをお届け🎤
ぜひフォロー&RPを! pic.twitter.com/fbOWEYHMBs
今週放送の『ベストヒット歌謡祭』(読売テレビ/日本テレビ)では、ラッツ&スター「め組のひと」(1983)、THE BLUE HEARTS「リンダ リンダ」(1987)、プリンセス プリンセス「Diamonds」(1989)、米米CLUB「浪漫飛行」(1990)、WANDS「世界が終るまでは...」(1994)、GLAY「HOWEVER」(1997)およびポルノグラフィティ「アポロ」(1999)が”BIRTH SONGメドレー”特別企画にてカバーされます。
一方で”BIRTH SONGメドレー”採用7曲のうちミュージックビデオが公開されているのは5曲(米米CLUB「浪漫飛行」はCMイメージビデオ)、またサブスク解禁済作品も5曲にとどまります。WANDS「世界が終るまでは...」に関しては第5期バージョンが公開されているもののオリジナルバージョンはYouTube、サブスクの双方で未だ存在しません(下記リンク先参照)。注目を集めるタイミングでのデジタル非充実は実に勿体ないことです。
また日本テレビの音楽番組『with MUSIC』10月26日放送回ではDAMによる2024年のカラオケランキングが発表され、中西保志「最後の雨」(1992)が25位に入っていることが判明しています。今年放送されたドラマで挿入歌に起用されたことや様々なカバー曲の登場がランクインの要因といえますが、オリジナル版のミュージックビデオは現時点にて短尺版のみ公開されています。
中西保志「最後の雨」は公式オーディオも公開されていますが(→こちら)、Spotifyがミュージックビデオ再生機能を追加したこともあり尚の事、フルバージョンのミュージックビデオを用意する必要があるでしょう。日本の音楽業界がその点も視野に入れてデジタルアーカイブの充実を図るよう願うと共に、ゴシップメディアが本来行うべきは悪意の発信ではなくデジタルアーカイブ充実への評価、そして非充実側への働きかけです。
ちなみに、Spotifyでのミュージックビデオ再生機能は10月下旬から日本でも実装されましたが、日本の楽曲でミュージックビデオも発信している曲は現時点で多くはありません。その中にあって、今年秋に2段階でのサブスク解禁、そして段階的にミュージックビデオ解禁を実施しているNEWSが、Spotifyでのミュージックビデオ提供に積極的なのは非常に興味深いといえます。
(上記はSpotifyのPCデスクトップ版においてNEWS「チャンカパーナ」のミュージックビデオを再生した状態をキャプチャしたもの(問題があれば削除いたします)。ブログエントリー執筆段階で同曲は”This Is NEWS”プレイリスト(→こちら)の9曲目に配置されていますが、プレイリスト収録の81曲中33曲においてミュージックビデオが公開対象となっています。)
冒頭で採り上げた嵐についても、”This Is 嵐”プレイリスト(→こちら)において50曲中35曲がミュージックビデオ公開対象に。STARTO ENTERTAINMENT所属歌手はミュージックビデオを短尺版で公開、またサブスク未解禁という状況が未だ多いのですが、嵐やNEWSの取組、そしてNEWS「チャンカパーナ」の再ヒットは、この事務所のみならず日本の音楽業界全体がデジタルアーカイブ化を進めるための指針になるかもしれません。