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旧ブログ名：face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週および当週の上位初進出曲におけるCHART insightから、真のヒット曲に成るかを読む (2023年11月22日公開分)

CHART insightからヒットを読む ビルボードジャパン チャート分析 チャート予想 LINE MUSIC再生キャンペーン サブスク ジャニーズ事務所 音楽業界への提案

今回のエントリーでは、ビルボードジャパンソングチャートにおいて前週上位に初めて進出した曲の翌週動向、そして最新週における上位初進出曲の状況をチェックし、真の社会的ヒット曲に成るかを読みます。前週のエントリーはこちら。

最新のソングチャートに関する記事は、以下をご参照ください。

 

 

まずは前週のエントリーにて紹介した上位初登場曲の、最新チャートにおける動向をCHART insightを用いて紹介します。このCHART insightについては、下記ポスト(ツイート)にて簡潔に説明しています。

 

＜2023年11月15日公開分 ビルボードジャパンソングチャートにて

　20位までに初めて登場した作品の、翌週におけるCHART insight＞

 

・King & Prince「愛し生きること」3位→89位

・THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「片隅」 5位→47位

・BE:FIRST「Glorious」 7位→35位

・ジョングク「Standing Next To You」 12位→21位

※ 前週最高位更新につき掲載

・IMP. 「CRUISIN'」 2位→100位未満(300位圏内)

 

前週トップ10内に初登場もしくは再登場した作品の動向については、木曜付のエントリーにて紹介しています。

 

上記で紹介した5曲(再登場し最高位を更新したIMP.「CRUISIN'」を含む)のうち、当週最も高い位置にランクインしたのはジョングク「Standing Next To You」でした。

この曲については前週のエントリーにて好調の要因を記していますが、最新11月22日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおいてはその一因であったLINE MUSIC再生キャンペーンが終了したもののストリーミング指標は急落せず(14→26位)、他のサブスクサービスでも好調なことが解ります。

2023年度のビルボードジャパンアルバムチャートの集計期間に近い形で、日本のSpotify週間アルバムチャートの上位5作品の動向をまとめた表を上記に。「Standing Next To You」を含むジョングク『GOLDEN』は週間チャートを初登場で制して以降、2位以内をキープしています。アルバムとしてきちんと聴かれていることが「Standing Next To You」にも波及し、曲単位でのヒットにも成っているといえます。

アルバムのストリーミングにおける好調がソングチャートにも波及という動きは米ビルボードではよくみられることですが、日本はそこまでではありません。ジョングク『GOLDEN』はその中にあって、きちんと成果を生んでいるといえるかもしれません。

 

 

続いて、最新ソングチャートにおいて初めてトップ20入りした作品のCHART insightをチェックします。

＜2023年11月22日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

　20位までに初めて登場した作品のCHART insight＞

 

・2位 (初登場) なにわ男子「I Wish」

・4位 (初登場) STU48「君は何を後悔するのか？」

 

STU48「君は何を後悔するのか？」(4位)はフィジカルセールス以外の指標がすべて300位に達せず未加算となっており、次週の急落は免れないでしょう。

他方AKBグループにおいては、イベント開催に伴う施策によりフィジカルセールスが急伸する週が散見されます。「君は何を後悔するのか？」においても同種の動きが今後みられるかもしれませんが、大事なのはライト層の支持を得て社会的なヒット曲と成ること、すなわちストリーミングや動画再生が上位で安定することにより総合でロングヒットすることであり、これは日本のアイドル/ダンスボーカルグループ全体の課題です。

 

なにわ男子「I Wish」は2位に初登場。フィジカルセールス395,721枚を売り上げ、7,438ポイントを記録。また動画再生17位、ラジオ43位を記録しています。これは前作「Make Up Day」と比べていずれも上回っている状況です(9月20日公開分にて総合5位初登場、フィジカルセールス390,702枚、動画再生94位およびラジオ90位を記録)。その「Make Up Day」の初登場および翌週のCHART insightは下記に。

前作「Make Up Day」は「Missing」とダブルAサイドシングルという立ち位置だったためにラジオ指標での票割れが起きたとも考えられますが、今作「I Wish」は単独のAサイドシングルとなります。また動画再生が好調に推移したことも、総合ポイントにおける前作超えにつながったものと考えます。

 

旧ジャニーズ事務所所属歌手の曲においては、TBS火曜ドラマの主題歌が好調に推移する傾向があるといえます。今年でいえばHey! Say! JUMP「DEAR MY LOVER」(メンバーの山田涼介さんが出演した『王様に捧ぐ薬指』の主題歌)も動画再生指標が好調に推移しており、今回道枝駿佑さんが出演する(そして山田さん共々主演という位置付けではない)『マイ・セカンド・アオハル』主題歌の「I Wish」でも、同様の傾向がみられます。

Hey! Say! JUMP「DEAR MY LOVER」はキャリア初のデジタルリリース作となるEP『P.U!』にて既存曲として唯一収録、EP初登場週にはストリーミング指標も100位以内に入り総合67位に返り咲きました(上記エントリー参照)。EPのリード曲「Ready to Jump」ではこの指標が300位以内未達だったこともあり尚の事、「DEAR MY LOVER」がフィジカルリリース時にデジタル解禁していればと感じずにはいられません。

この状況を踏まえるに、「I Wish」がせめてドラマ終了までにデジタル解禁に至れば、ヒットは少しでも持続するのではないかと考えます。歌手側の決断を期待したいところです。