イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

"結果で捻じ伏せろ"…好調な「CITRUS」そして新曲「Kartell」でDa-iCEは今の逆境を変えられるか

Da-iCECITRUS」、ますます好調です。

CITRUS」は8月4日公開(8月9日付)ビルボードジャパンソングスチャートで同曲の最高位および最高ポイントを更新。接触/所有指標の可処分時間がオリンピックに移行する中でポイントを伸ばした数少ない曲となりました。

この理由は集計期間中に出演した『MUSICBLOOD』(日本テレビ)の影響が大きいのですが、上記ブログエントリーではその番組の影響が『一過性のものかそれとも波に乗るためのきっかけとなるかは次週以降判断する必要があります』と書きました。8月7日までのSpotifyの動向をみると、波に乗ったと言えるかもしれません。

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オリンピックの影響は引き続き大きく、普段は金曜から土曜にかけて伸びる曲が多い中でダウンするものもみられた8月7日付Spotifyデイリーチャートにおいて、「CITRUS」は6日連続で最高再生回数を更新し、13万6千をマークしています。THE FIRST TAKE出演やオーディション企画THE FIRSTの課題曲起用で人気を確実にした「CITRUS」は、テレビ出演でより多くの方に"見つかった"といえます。

 

とはいえ、『MUSICBLOOD』や以前出演した『うたコン』(NHK総合)以外のテレビ番組では、彼らを見つけてくれる環境を用意したとは言い難い状況です。

夏の音楽特番に登場してもおかしくない結果を持ち合わせた「CITRUS」は、その特番で披露する機会がありませんでした。一方でヒット曲と出演者との関係性をまとめてみると、とある優先事項が見えてくることを上記ブログエントリーで記しています。

各局の音楽特番におけるその優先事項と、Da-iCEが出演しなかったこととはともすればリンクしないかもしれませんが、チャートで上昇し結果を示している曲がきちんと紹介されないことは不自然ではないかというのが私見。そしてその優先事項、言い換えれば優遇措置が仮に存在するとしても、Da-iCEが出演することには何ら問題がないと思うのです。

 

Da-iCEが置かれた状況に代表される、多くの方がおぼろげながらでも確実に抱いているであろう不条理は、常に指摘しないといけないというのが自分のスタンスです。その際は感情論をできるだけ排し客観的データでもってその不条理を立証することにしていますが、ともすれば不条理にさらされている側が自らそれを訴え正面突破することが、リスクは伴うだろうものの最も変われる可能性を秘めているのかもしれません。

Da-iCEは今日8月9日、新曲「Kartell」をリリースしました。「CITRUS」も手掛けたメンバーの工藤大輝さんが作詞作曲を担当しています(作曲は共同)。アレンジ面でも攻めた曲になっていますが、注目は歌詞。

サビ終わりの"結果で捻じ伏せろ"のフレーズをハッシュタグ化したことに注目すると共に、歌詞の先行公開は彼らの訴えではないかと感じた次第です。

『同一業種の各企業が独占的利益を得ることを目的に、競争を避けて価格の維持・引き上げ、生産の制限、販路の制定などの協定を結ぶ連合形態。日本では独占禁止法で禁止されている。企業連合。』

(ドイツ)Kartell(カルテル)の意味 - goo国語辞書

なぜタイトルを"Kartell"にしたか、その理由が想像できそうです。尤も工藤大輝さんが「Kartell」に込めた意味は厳密には解りかねますし、こちらの見方が穿っているだけかもしれません。しかし彼らが置かれた環境を考えれば、今の業界に蔓延るものがくっきりと可視化されたように思えるのです。

 

すでに「CITRUS」は音楽業界やメディアが無視できないところまで大きくなってきました。明後日発表のビルボードジャパンソングスチャートの動向も注目です。そして「CITRUS」の勢いが高まっても環境が変わらないのならば、Da-iCEは「CITRUS」に加えて「Kartell」も携え、ふたつの武器でもって自ら切り拓いていくことでしょう。

 

 

最後に。「Kartell」はLINE MUSIC再生回数キャンペーンを実施しています。

期間は8月31日まで。仮にその期間に、たとえば超特急「CARNAVAL」クラスのヒットとなったとしても、9月以降のLINE MUSICの動向やその他デジタルプラットフォーム、そしてビルボードジャパンソングスチャートの動向を踏まえて真のヒットに至れるかを判断する必要があります。

LINE MUSIC再生回数キャンペーン対象曲への自分の見方はともすれば厳しすぎるかもしれません。しかしながら、キャンペーンの内容を知らない方にとっては「Kartell」のランクインを機に「CITRUS」を聴く流れが生まれるかもしれず、個人的にはその点により注目しています。