イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Da-iCEの『CDTVライブ!ライブ!』出演であらためて考える、男性ダンスボーカルグループがテレビ出演に至れる条件

やっとスタートラインに立った、そんな印象です。Da-iCEが次週の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)に出演し、民放ゴールデンタイムの音楽番組に登場します。

Da-iCEは『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)の初回放送にてEXITとの共演曲で登場していますが、EXITがメインに据えられた一方でDa-iCEにはきちんと光が当てられていなかった印象があります。「CITRUS」がストリーミングで昨年秋に1億回再生を突破しても『ミュージックステーション』(テレビ朝日)を含めて出演が叶わない状況が続いていたゆえ、ようやくこの日が来たという印象です。

Da-iCEが「CITRUS」のヒットでメディア出演が必然と考える理由等、上記ツイート内のリンク先(ブログエントリー)に記載しています。また「CITRUS」が昨年の日本レコード大賞を受賞しましたが、同賞のノミネート作品選考等には問題がありながらもそのノミネート作品から大賞が選ばれることについては、ここ3年においては十分納得のいくものであることも記しています。同賞が出演への箔となったことも大きいでしょう。

ならばDa-iCEが今後、『ミュージックステーション』に出られるかを注視することが必要です。テレビ朝日で放送される『仮面ライダーバイス』に、木村昴さんを招いた「liveDevil」を提供しているにも関わらず未だ出演が叶っていないことについては、やはり納得できかねる自分がいます。

 

 

さて、男性ダンスボーカルグループ、もしくは男性アイドルにおいては未だ多くの枷があるという印象は拭えません。

Da-iCEが「CITRUS」で音楽番組(上記では『ミュージックステーション』主体に記載していますが)に出演できるヒットを放っていることを、昨年秋の段階で記しました。実際「CITRUS」は日本レコード大賞受賞を経てビルボードジャパンソングスチャートで初の週間トップ10入りを果たしていますが、サブスクを主体とするストリーミングでの1億回再生突破曲は総合トップ10入りせずともテレビ出演できている状況です。

男性ダンスボーカルグループについては、競合等の可能性を踏まえてメディアや音楽番組が厚遇/冷遇を行っているという印象があり、それは客観的なデータから証明可能と考えます。Da-iCEはまず『CDTVライブ!ライブ!』への出演が叶いますが、では他のグループはどうでしょう。

 

ファーストシングル「Gifted.」がビルボードジャパンソングスチャートを制したBE:FIRSTは、しかし先述した2番組には出演に至れていません。その彼らは、この春リリースするセカンドフィジカルシングルより「Brave Generation」を今週月曜にデジタルリリース。セカンドシングルの表題曲は別途用意されるかもしれませんが、フィジカルリリースへの期待をさらに膨らませるリリースなっています。

BE:FIRST、そして彼らと同日フィジカルデビューを果たしたINIもビルボードジャパンソングスチャートで好成績を記録し、現在も同ソングスチャートで100位以内に在籍しながら『ミュージックステーション』への出演は叶わないままとなっています。では、どうすればこの状況が打破できるのか、考えてみます。

 

まずは【ビルボードジャパンソングスチャートで優秀な成績を収める】ということ。仮に「Brave Generation」が「Gifted.」に続いて首位を獲得したとなれば、その勢いを評価しないわけにはいかないでしょう。

BE:FIRST 「Brave Generation」は、位置付け的にはファーストフィジカルシングルから先行配信された「Kick Start」に近いと考えられ、同曲は昨年10月13日公開分(10月18日付)において初週16764ダウンロードを記録しダウンロード指標2位、総合7位を獲得しました。

現在のチャートポリシー(集計方法)においては、2万ダウンロードでおよそ2300ポイントを獲得できる計算となっており、他指標(特にストリーミングや動画再生等接触指標群)の動向がトップ10入りにかかっています。ストリーミングにおいては今作「Brave Generation」でLINE MUSIC再生キャンペーン(再生回数キャンペーン)は行っていない模様ですが、LINE MUSICのリアルタイムランキングでは最上位を争う状況です。一方、Spotifyではリリース日のデイリーチャートで91位に初登場を果たしています。

「Brave Generation」は『JFL系列ラジオ局(FM NORTH WAVE/J-WAVE/ZIP-FM/FM802/CROSS FM)が全国5都市から発信する合同企画『JFL presents FOR THE NEXT 2022』のオリジナルテーマソング』に起用されています(『』内はBE:FIRST、新曲「Brave Generation」を1月31日にデジタルリリース – THE FIRST TIMES(1月25日付)より)。ラジオ局のキャンペーン曲ゆえラジオ指標は一定数獲得できると考えられますが、TOKYO FMJFN系列で大量にOAされるかは難しいかもしれません。

動画再生指標においては現段階でリリックビデオのみ(上記掲載)がアップされており、週内にさらに一本アップされると勢いが増すでしょう。これらを踏まえるに、現状では総合トップ10を狙えるとして首位獲得は難しいかもしれません。無論、ビルボードジャパンが金曜に公開するデジタル分の速報(水曜までの3日間における先ヨミ記事)を確認しないといけません。

 

続いては【Hot Trending Songsチャートで上位に進出する】ということ。米ビルボードが昨年秋に新設したこのチャートについては以前解説を行っています。

最新2月5日付Hot Trending SongsチャートではBTS「Butter」が返り咲きを果たし、またBE:FIRSTは「Gifted.」が6位にランクイン。「Gifted.」は登場12週目にして安定した地位を築いています。

しかしながら、米ビルボードの記事がBE:FIRST「Gifted.」が大きく取り扱った記憶がありません。ならば「Brave Generation」が票を伸ばし、最上位かそれに近いところに初登場を果たすことで米ビルボードに注目してもらうことが必要でしょう。そして同時に日本のメディア、特に地上波テレビ局の音楽番組や情報番組がこのチャートに日本人歌手が登場する事態についてきちんと採り上げる必要があるはずです。

自分は上記のようなブログエントリーを記載しましたが、本来はビルボードジャパンが記事をアップし且つHot Trending Songsのチャートポリシーについても紹介する必要があると考えるゆえ、前向きな検討をお願いしたいところです。

 

最後に、【ストリーミングで1億回再生を突破する】ことが重要と考えます。現段階においてBE:FIRSTは、「Gifted.」がフィジカル関連指標初加算週にストリーミングが週間1千万回再生を大きく突破しながら、最新1月26日公開分(1月31日付)ビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標が100位未満(300位圏内)となっています。

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この原因は、「Gifted.」がLINE MUSIC再生キャンペーンを実施したことで同サービスでの再生回数がキャンペーン中は突出した一方、そのキャンペーン終了後は緩やかに、しかし確実に再生回数がダウンしていったためと考えられます(この突出具合については、「Gifted.」がHot Trending Songsチャートで初めてトップ10入りしたことについて触れた、先述のブログエントリーにて紹介しています)。

通常ストリーミングは他の指標ほど急落がみられないことから、BE:FIRSTにおけるストリーミング聴取はコアなファンが主体と考えられます。いずれは「Gifted.」も1億回再生を突破するかもしれませんが、コアなファンは新曲の登場タイミングで、(過去曲の聴取も少なからずみられるものの)聴取先を新曲へ移行することが考えられるため、ライト層の支持と継続的な接触がなければ「Gifted.」そして「Brave Generation」も、早い段階での1億回再生突破は厳しいかもしれません。

 

 

Da-iCECITRUS」のみならず、DISH//「猫」やDA PUMP「U.S.A.」もストリーミング1億回以上の再生を記録しており、ストリーミングヒットが浸透し且つ同指標が大きく影響したビルボードジャパンソングスチャートで勢いが示されたタイミングで民放ゴールデンタイムの音楽番組に出演を果たしています。その旨を記載したブログエントリーを以下に再掲します。

3曲とも総合ソングスチャートでは首位を獲得しておらず、Hot Trending Songsチャートも昨年秋まで存在しなかったことを踏まえれば、ストリーミング1億回再生が最も条件面で必要なものだと考えていいでしょう。そしてそのためには、より多くの方が"この曲を聴きたい"と思わせるような状況が必要になるはずであり、接触指標群の充実はロングヒットの要ともなります。

コアなファンの方々の思いも勿論重要であり、その思いの強さをひしひしと感じるゆえ、また実力の高いグループゆえ尚の事、BE:FIRSTがより大きく羽ばたくために特にライト層への浸透をどうするか、コアなファン同士が考えることを望みます。これはBE:FIRSTに限らず、多くの歌手やそのファンの皆さんにとって重要なことだと考えます。

そして最後に。メディアは本来、1億回再生突破という基準に関係なくヒットの兆しのある曲や実力の高い歌手を率先して紹介する必要があります。その点は別途、強く記しておきます。